CoCoSiA(ココシア)

いけしゃあしゃあとはどういう意味?...(続き3)

「図々しい」とは「人に迷惑をかけても平気でいるさま」といった意味がありますので、例えば皆が並んでいる列に平気で横入りをしてくるような人のことを、「図々しい人だなぁ」などと言うことがあります。

図々しい人は、他人に平気で迷惑をかける行為を行いますが、それが他人の迷惑になっていることには無自覚なことが多いです。

例え直接誰かに「図々しいですよ」と注意されたとしても、それに対して素直に謝罪をするような人はそもそも図々しい行為をしませんので、図々しい人は人に注意をされてもそれに知らんぷりをするか、余計に反発するかのどちらかでしょう。

図々しい人はそれだけ自分勝手で自己中心的な性格をしていることが多いです。

そのためもし誰かに「いけしゃあしゃあとしているね」と言われた時には、「図々しい性格をしているね」と言われていることでもあるので、悪い感情を向けられているでしょう。

厚かましい


「しゃしゃあ」には、「厚かましい」という意味もあります。

「厚かましい」とは「行動や態度に慎みがなく、ずうずうしいさま」です。

日本人は外国人に比べると行動や態度に慎みを持っている人が多いです。

それは日本人が持つ特有の恥の文化から来ていますが、最近は行動や態度にそうした慎みを持たない人が昔よりも増えています。

ひと昔前までは、日本という社会全体が慎みを大切にし、恥の文化を尊重してきました。

そのため誰かが恥知らずな行動をとろうとしたり、また慎みのない言動をしようとしたなら、周りの人たちから総出で責められたり叩かれたりして、そうした行動をしないようにと当たり前のように教育されていました。

しかし現代ではそのような教育をしなくなっているため、人によっては恥知らずな行動を平気でしたり、慎みのない態度をとったりする人が増えています。

社会に囚われることなく、自分で好きなように生きることが尊重されるようになった反面、日本人が持つ奥ゆかしさや他人への気遣いといった、良い部分も伝わらなくなってきているため、他人に迷惑をかけても平気な厚かましい人が増えているのです。

もちろん日本人全体で見れば、厚かましい態度を取る人はそこまで多くはないのでしょう。

しかし、物事は悪いものが目立ってしまう傾向にありますので、そうした厚かましい人がいると、慎み深い人よりも存在が悪目立ちしてしまい、大きな問題のように思えてしまうことがあります。

「しゃあしゃあ」は、そうした一部の厚かましい人のことを指す言葉でもあります。

これらが合わさり”いけしゃあしゃあ”になった


「卑しめる」という意味の「いけ」と、「図々しい・厚かましい」という意味の「しゃあしゃあ」が合わさった結果、「いけしゃあしゃあ」という言葉が生まれました。

どちらも悪い意味を表わす言葉ですので、2つを合わせることによって、「より図々しい人」「とても厚かましい人」といった悪い部分が強調された言い方になりました。

この「いけしゃあしゃあ」とは、本来は何の問題もない、ごく一般的な人から性根の悪い人を見た時に使う言葉ですので、性根の悪い人が誰かに対して「いけしゃあしゃあ」という言葉を使っていても、あまり説得力はないでしょう。

「いけしゃあしゃあ」は使い方によっては悪口にもなりますが、大抵はそう言われてしまうほどに他人に迷惑をかける人に対して用いられることの多い言葉ですので、それを使う当人が責められる立場になることはあまりないでしょう。

いけしゃあしゃあの使い方


「いけしゃあしゃあ」は、どのような場面でどんなふうに使うのが正しい使い方なのでしょうか?

例え「いけしゃあしゃあ」の意味を理解していても、使い方を間違えてしまうと聞いている人に違和感を与えたり「その使い方は違うんじゃない?」と指摘されたりすることになりかねません。

そのため、正しく言葉を使うためにも、どんな場面で使うべきなのかをきちんと把握しておきましょう。

以下に例文と共に使い方をご紹介していきます。

「いけしゃあしゃあ」の使い方がよく分からないという人は、ぜひ参考にしてみてください。

いけしゃあしゃあとやってのける


他人の迷惑になるような行動を、一切周りを気にすることなくやってのける人に対して、「いけしゃあしゃあとやってのける」と使うことがあります。

例えばタクシー乗り場でタクシーに乗ろうとしていた人の横から、「ちょっと急いでいるから」と言って乗ろうとしている人を押しのけて、自分がさっさと乗ってしまう人がいるとします。

押しのけられた人は当然「自分が先だぞ」と文句を言いますが、それを一切無視して「◯◯まで」と運転手に行き先を告げる横入りの人の行動を、「よくいけしゃあしゃあとやってのけるなぁ」と表現することがあります。

「やってのける」という言葉には、一般的な「やる」という意味ではなく、「普通ならばやらないようなことをやってしまう」といった意味が込められています。

そのため、「普通ならばやらないような、他人に迷惑をかける図々しい行為をやってしまう人」という意味で「いけしゃあしゃあとやってのける」と使っていることが多いです。

いけしゃあしゃあとした顔つき


他人に迷惑をかけておきながら、それを全く気にせずに平然とした顔をしている人に対して、「いけしゃあしゃあとした顔つき」と表現することがあります。

この場合の「いけしゃあしゃあ」とは、ふてぶてしいといった意味とも似ています。

いけしゃあしゃあとした顔つきをしている人は、「他人に迷惑をかけておきながら、普通では考えられないようなふてぶてしい態度を取っているさま」でもあるため、周りの人たちからは嫌がられたり、疎ましがられたりしている可能性が高いです。

あんなに怒られたのにいけしゃあしゃあとしている


会社の上司や親、目上の人などから散々怒られておきながら、それでも平然とした態度を取っている人に対して、「あんなに怒られたのにいけしゃあしゃあとしている」と使うことがあります。