しかし、そうした人為的な努力をどれだけしても追いつけないほどに、まさに人形のような端正な外見をしている人というのは少数存在します。
そうした人たちは少なからずモデルやタレント、俳優などの道へ進むことも多く、一般人とはかけ離れた天性のオーラを持っていることも多いです。
端正の複合名詞
「複合名詞」とは、1つの名詞に1つ以上の単語が結びついて、新しい名詞になったものです。
例えば「交通安全」や「割り箸」など、日常的に当たり前の言葉として使っているものも、よく見てみれば複合名詞になっていることが多いです。
それらの複合名詞の中で、「端正」という言葉を使ったものもありますので、以下にご紹介していきます。
挙止端正
「挙止」とは「きょし」と読み、立ち振る舞いを意味する言葉です。
同じ意味を持つ言葉に、「挙動」や「挙措(きょそ)」があります。
「端正」が動作や振る舞いがきちんと正しいさまであることから、挙止端正とは「立ち振舞いがきちんと正しいさま」や「立ち振舞いが美しいさま」といった意味になります。
例えば日本舞踊の動きや、茶道や華道の動作は、見ているととても美しく、整った様子に思えますよね。
日本人特有の、柔らかくしなのある動作や、ピンと伸びた背筋と繊細な手つきは、誰もが「美しい」「きちんとしている」と感嘆するような端正さを醸し出しています。
華道や茶道に関わらず、例えば街を歩いている時に、猫背の姿勢でダラダラと歩いている人と、背筋をきちんと伸ばして軽快に歩いている人とを見比べると、どちらが挙止端正さを感じさせるかは一目瞭然でしょう。
挙止端正とは、そうした立ち振舞いや動作がきちんとしているさまや、美しいさまを意味しています。
厳格端正
「厳格」とは、「規律や道徳に厳しく、不正や怠慢を許さないことや、そのさま」という意味があります。
そして「端正」は、「姿や形、動作などが正しくてきちんとしていることや、そのさま」という意味ですので、「厳格端正」とは、「規律や道徳が正しくきちんとしていることや、そのさま」という意味になるでしょう。
「厳格」だけでは、それが厳格な様子なのか、それとも厳格ではない様子なのかが分からずに、そこに付け加える言葉によって意味が変わってきます。
しかし「厳格端正」という名詞になってしまえば、誰がどう見ても厳格な振る舞いがきちんとされているさまになるでしょう。
例えば警察官や自衛官など、規律や道徳を守る職務に就いている人たちの場合、厳格端正な人が多いでしょう。
容貌端正
「容姿端麗」という言葉は、よく「文武両道」という言葉と共に使われることが多いです。
「挙止端正」や「厳格端正」という言葉を聞いたことがないという人でも、「容姿端麗」という言葉には聞き覚えのある人も多いでしょう。
「容姿」は「顔かたちや、体つき」「すがたかたち」という意味ですので、容姿端麗といったら、見目美しいさまや、美しい外見をしている人のことを指します。
例えば誰かが「あの芸能人は容姿端麗だね」とある芸能人を褒めたのなら、それはその芸能人の外見が美しいと褒めていることになります。
また、「○○さんは容姿端麗で文武両道で、完璧な人だね」と言ったならば、それはつまり「○○さんは美人だし、頭も運動神経も良くて完璧だね」と褒めていることになります。
外見の美しさは、よく知能や運動能力と共に並べられることがあるため、「文武両道」という言葉と一緒に使われる機会が多いのです。
操行端正
「操行」とは、「道徳的な面から見た、普段の行い」という意味です。
「素行」や「品行」とも同じ意味として使われます。
そのため「操行端正」とは、「道徳的な行いが正しくきちんとしているさま」という意味になります。
人情に溢れ道徳から外れずに、正しい人間としての生き方を送っている人が、この操行端正の言葉に当てはまるでしょう。
約束は守り、他人を裏切ったり傷つけたりすることをせず、強い芯を持って正しい人生を送ることは、簡単なようでいて案外難しいものです。
自分可愛さに嘘や誤魔化しをしてしまうことはありますし、時には誘惑に負けて悪いことをしてしまうこともあるでしょう。
しかし、それらの甘えや誘惑に打ち勝つことのできる人は、まさに「操行端正」の言葉を得るにふさわしい優れた人間性をしているでしょう。
端正の類義語
「端正」はあまり日常的に使われる言葉ではありません。
使う機会が少ないというわけでもありませんが、一般的な褒め言葉よりは上級の褒め言葉になりますので、そう簡単に「あの人は端正だね。あっちの人も端正だ。」などと軽々しく使うことはないでしょう。
では、端正とまではいかなくても、それに近い意味として言葉を使う時には、どのような言葉で表現すれば良いのでしょうか?端正の類義語を以下にご紹介していきます。
綺麗
「綺麗」には、たくさんの意味があります。