一方で、安定していなければぐらぐらと体が大きく揺れ動いて危なっかしく、最後まで渡り切るまでに途中で落ちてしまうかもしれません。
また、例えばころころと転職先を変える人の場合、仕事先が安定しないため、収入面でも変動が大きく、安定せずに不安の多い生活になってしまいます。
しかし仕事先がきちんと一箇所に決まっていれば、収入面も変動はそこまで大きくはありませんし、仮に増えたとしても減ることはほとんどないでしょう。
所生活も安定させることが出来ますので、気持ちも落ち着きやすいです。
「そこはかとない」という言葉は、何事もはっきりしていない状態を表しますので、不安定な状態だと言えるでしょう。
心もとなさ
「心もとなさ」は、「限りなく不安なさま」という意味です。
元々は「心もとない」という言葉で、最後の「い」が接尾語の「さ」によって体言化した形です。
「なんとなく不安」や「不安」よりも、さらに強い不安を指す言葉でもあります。
「限りなく」という言葉がついていることからも、「どんなに安心しようと思っても出来ないほどに不安だ」という意味合いの言葉になりますので、本当に不安な時に使うことが多いです。
例えば将来のことについては、どれだけ具体的な想像をしたり、計画を立てたりしても、必ずしもその通りに事が進めるとは限りません。
もしかしたら途中で挫折するかもしれませんし、上手くいかなくなって進む道を変更せざるを得なくなってしまうかもしれません。
きちんと確証が持てることでない限りは、どんなに安心しようと思ってもなかなか本心からは安心出来ないものです。
それが一抹の不安で済めば良いですが、不安が大きかったり強かったりすると、限りなく不安な気持ちになってしまうことでしょう。
それが「心もとなさ」を感じる瞬間でもあります。
そしてこの心もとなさは、はっきりと確証がない、明確化されていないことから生じる感情です。
そのため、どこがどうとははっきりしない「そこはかとない」という言葉と共通する部分があるでしょう。
思いなしか
「思いなしか」とは、「そう思うせいか」や「気のせいか」といった意味があります。
例えば「気のせいかあの子は元気がないようだ。」という言葉を、「思いなしかあの子は元気がないようだ。」と言い換えることが出来ます。
普段はあまり使われている言葉ではないので、言葉の意味や使い方に戸惑う人も少なくはないでしょう。
この「思いなしか」は、「なんとなくそんな気がする」といったニュアンスがありますので、はっきりとその理由までは分からない、説明出来ないことが多いです。
第六感のようなものですので、その点は「そこはかとなく」とよく意味が似ている言葉と言えるでしょう。
「思いなしか」を使う際には、その一言だけで使うことはまずありません。
同じ意味であっても、「気のせいか。」は一言だけで使うことがありますが、「思いなしか。」と一言だけで使うことはありませんし、耳にする機会もないでしょう。
「思いなしか」は、「思いなしか〇〇のようだ」のように、他の言葉と一緒に用いるのが基本です。
この点も「そこはかとなく」と通じるところがあるでしょう。
ほのめく
「ほのめく」は、「ほのかに見える」「かすかに目にとまる」「ほのかに香る」「それとなく言葉や態度に表れる」「ちらりと寄る・ちょっと顔を出す」などの意味があります。
さまざまな意味で使われていますが、一般的には「ほのかに〇〇だ」という形で使われていることが多いです。
「ほのめく」の一言だけでどのような様子かを表わしていますので、例えば「あの人がほのめいた。」と言えばそれは「あの人がちょっと顔を出した。」という意味になります。
しかし、あまり普段から「ほのめく」の言葉を使う機会はありませんので、誰かに「〇〇さんがほのめいた。」と言ったところで、相手にその意味が通じるとは限らないでしょう。
「ほのめく」は大半の意味が「そこはかとなく」と似ています。
そのため、例えば「そこはかとなく良い匂いがする。」と言うところを、「ほのかに良い匂いがする。」と言い換えることも出来ます。
しかし、「ほのかに」は「そこはかとなく」と同様に、口に出して普段使いをする言葉ではありませんので、文章の中で使うことの方が多いでしょう。
「そこはかとない」の使い方・例文
「そこはかとない」の意味や類語などが分かったところで、次は使い方を見ていきましょう。
せっかく意味が理解出来ても、それを上手く使うことが出来なければ、間違った言葉の使い方をしてしまうかもしれません。
正しく言葉を使うことで、相手にもその意味がきちんと伝わりますので、例文を見ながら実際の使い方について確認していきましょう。
そこはかとない恐怖と不安をおぼえた
これは、「なんとなく恐怖や不安な気持ちになった」という意味の例文です。