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すり合わせ能力をつける7個の方法!...(続き4)

良い成果が出るとお互いの活力にもつながり、コラボレーションの第二弾を考えることになったり、このみたらしだんごに合うお茶を出すことにしたりと、できることが広がっていくのです。

日本人はすり合わせることが得意?

日本人は欧米人に比べると、すり合わせ能力に優れているという節があります。

すり合わせ能力を能力値として定義することはなかなか難しいですが、確かに日本人は和を尊ぶ民族。

他者との和合を重んじるので、なにか反発をするよりもまとまることを望みがちです。

複数ある意見のひとつを選ぶよりも、みんなが納得するようにいろんな意見を統合することを良しとする傾向もあります。

だから、すり合わせが得意、というわけなのです。

異なるもの、人との間をうまくすり合わせてきめ細やかに連携し、実現してくことができます。

ビジネスでいうと異なる技術分野の間における技術の融合やデザインと営業などの異なる部門との間での緊密な連絡と丁寧な調整、サプライヤーとの協力関係や顧客へのサービスなどが、日本のビジネス業界人は得意であり、通常の経営慣行として組織の土台にあるものであると言われています。

モジュール型とすりあわせ型

日本のビジネス業界でいうものの作り方には、モジュール型とすりあわせ型があります。

モジュール型というのは、ものを小さなモジュールにわけて、インターフェース部分はきっちり決めている状態で、それぞれのモジュールの中でそれぞれの企業が技術を革新してものの質の改善をおこなっていき、コストダウンもできます。

これに対してすりあわせ型というのは、インターフェース部分をきっちり決めてしまわずに現場ですり合わせて作り込んでいくということです。

モジュール型だとモジュールの仕様を決めるのに時間がかかってしまいますが、すり合わせ型ならふわっとしか決まっていない状態でも動き始めて、やりながら話を詰めていくことになるので話が早いのです。

すり合わせ型が優れていてモジュール型が劣っているというわけではなく、局面によって使い分けて、きちっと決めてあとは量産というやり方がうまくはまるときにはモジュール型、担当部分の切り分けが難しい場合にはすり合わせ型にするのが理想とも言われています。

モジュール型とすり合わせ型、どちらの方式でものづくりをしていくにしろ、どちらにしても現場では人と人の会話が必要になる局面というものは必ず出てきますし、そのときに意見がわかれた場合にはすり合わせ能力が必要にもなってきますね。

すり合わせ能力を身につける7個の方法

ではすり合わせ能力を身につけるにはどうすれば良いのでしょうか。

技能、スキルだと述べましたが、技能であるからには修得は難しいのかと言われれば答えは「ノー」です。

なにごとも程度はピンキリですが、努力次第ですり合わせ能力を身につけることは誰にでもできることなのです。

1.専門的な知識を身につける

なにかの職種に限った話ではありませんが、知識はやはり必要です。

専門的な知識を持っていればいるほど、その分野で戦いやすくなります。

さらには、専門知識があることで応用がきくようにもなります。

ものごとを多面的に見ることができて、さまざまな方向から客観的に見極め、いくつもの意見が出せるようになることでしょう。

たとえば名刺の印刷をするというときに、お客さんから「厚めで白い紙」といわれたときに、専門的な知識がないと言われるがままに厚めの紙を探す他ありません。

自分では見つけたと思ってもお客さんが思っている「厚め」と自分が思っている「厚め」が異なっていてうまく噛み合わず、「もっといい紙はないのかよ!」なんてお客さんから怒られてしまうこともあるかもしれません。

でも、紙に対する知識を持っていれば、「たとえばこの紙だと90kgですが、これよりも厚い方が良いですか?」

「紙の種類によって、同じ110kgの厚さの紙でも手触りが変わってくるので、これくらいの手触りでこちらの紙の種類にされるなら、100kgのものが最適だと思います」

「お客様の会社のロゴマークだと、この白い紙ならロゴの色を邪魔せずクリアに印刷できますよ」といった感じで、いろいろな意見を持つことができます。

お客さんからの「もっとクリーム色っぽい紙がいい」という要望に応えることもできますし、的確な意見を出してお客さんの真の意図を汲み取ることでうまくすり合わせを行い、当初の「厚めで白い紙」から「中厚口でやや黄色みがかかった白い紙」を選んであげるということだってできるようになるのです。

2.自分の知識をわかりやすく伝える

専門的な知識を持っているからといって、それが相手にうまく伝わらなければ宝の持ち腐れになってしまいます。

相手は同じ知識を持っていないからこそ、たとえば自分はわかって当然と思っている専門用語を使ってしまって相手になにも伝わっていないと、すり合わせることもできません。

お客さんは「90kgってなに?90gの間違いじゃないの?でも名刺サイズの紙1枚が90gなの?」なんて思っているかもしれません。

自分にとっては90kgというのは当たり前のことですが、それをお客さんにきちんと説明する必要があります。

「紙はいわゆる模造紙のサイズが原紙になります。

これをカットしてA4や名刺サイズにして使うのですが、原紙サイズで1000枚重ねた状態のことを1連と呼んでいます。

1連の重さで厚さを表現するので、厚さの単位がキログラムなんです」ときちんと説明することができればお客さんも納得してくれます。

お客さんが「kgとかよくわかんないけど薄口」という場合なら、あくまでも連の重さで理解してもらうことにこだわる必要はありません。