それで相手に「リラックスして~」と気を遣われたら、今度はそのことで自己嫌悪に陥って、人と顔を合わせるのが苦痛に感じられてしまいます。
電話が怖くて取れない
対人恐怖症の人は、電話が怖くて取れないという特徴があります。
電話が苦手な人は少なくありませんが、対人恐怖症の人の場合、どんな相手からでも電話は怖いと感じてしまいます。
それは、電話越しで相手の顔がうかがえないため、相手の感情が分からずに、受話器の向こうで相手がどんな顔をしているのか、どう思っているのかを考えると怖くなってしまうためです。
では顔が見れたらいいのかと言えば、顔が見れてもやはり不安になってしまうため、そもそも人と話すことも電話をすることにも抵抗があります。
電話が鳴った瞬間にビクリとし、「どんな相手なのか」「どんな内容なのか」なのかを考えて怖くなってしまい、なかなか電話が取れなくなってしまいます。
他人と食事できない
対人恐怖症の人は、他人と食事ができません。
とはいえ、時には食事をせざるを得ない状況もありますので、そういう場合は本当に嫌々、渋々といったふうに食事に付き合うことでしょう。
けれどもいざ食事を始めても、相手の顔がまともに見れず、また自分が食事をしている姿を見た相手がどう感じるかということが気になって仕方がなく、とても食事になど集中出来ないでしょう。
とにかく相手から見た自分が気になってしまい、音と立てて食事をすることや、食器同士が触れ合って音を立ててしまうこと、そして食事をしている自分の姿などに不安や不快な感情を抱きながらその場を過ごしているため、傍目から見てもきょろきょろと落ち着きがないように見えてしまうでしょう。
もしそれを他人から指摘されれば、さらに恥ずかしい思いをしてしまい、もう二度と他人と食事などごめんだと思ってしまう人もいるでしょう。
手が震える
緊張すると手が震えるのは、多くの人に共通する特徴です。
対人恐怖症の人は、他人と接している時に極度の緊張や不安、恐怖などの感情を抱えていますので、どうしても手が震えてきてしまいます。
話をしながら落ち着きなく両手を擦り合わせたり、膝の上で握られた手が震えていたりすることも珍しくはありません。
冷静に他人を観察出来る人から見たら、直ぐにその手の震えには気付かれてしまうことでしょう。
抑えようと思っても、他人と接している時にはその手の震えを抑えることは困難でしょう。
対人恐怖症は20代~30代の女性に多い
対人恐怖症は、20代~30代の女性に多いとされています。
女性は比較的男性よりも恥ずかしがり屋で人見知りの傾向がありますので、対人恐怖症になりやすいのかもしれませんね。
とくに子供時代を一人で過ごすことの多かった女性や、学生の頃から他人とのコミュニケーションが苦手だった女性の場合、大人になってからも対人恐怖症が治らない場合があります。
20代~30代の女性は、周りの人たちからも何かと声をかけられる機会が多いため、余計に人とのコミュニケーションが嫌になってしまうことがあるでしょう。
自分で対人恐怖症かもしれないと自覚をしない限り、そのままで年齢を重ねてしまうことになるでしょう。
対人恐怖症になってしまう原因7つ
対人恐怖症は生まれ持った障害ではありません。
自分が育ってきた周囲の環境やトラウマとなる出来事が起こることなどによって、対人恐怖症になってしまいます。
その直接的な原因は人によって違いますが、多くの場合には元々対人恐怖症になってしまう要素をいくつか持っています。
要素がたくさんあれば、ちょっとしたことがきっかけで対人恐怖症になってしまいやすいでしょう。
では、どのような要素や原因が考えられるのか、以下にご紹介していきます。
恐怖心が強い
対人恐怖症になる人の多くは、恐怖心が強いという特徴があります。
幽霊や妖怪のように、目に見えないものが怖い、見知らぬ土地や人など、自分の見聞きしたことも会ったこともない存在が怖いなど、あらゆることに対して強い恐怖心を抱きやすい人は、対人関係においてもやはり強い恐怖心を抱きやすいでしょう。
例えば誰かに悪口を言われたのなら、悪口を言った相手はもちろん、その周りの人たちまでも疑って恐怖してしまう傾向がみられます。
思い込みが激しい
世の中にはあらゆる可能性が溢れていますが、思い込みが激しい人は、それらの可能性を自ら「これだけしかない!」と限定して狭めてしまっています。
誰かが「腹が立つ」と一言呟けば、誰のことが腹立つとまだ言っていない側から、「もしかして自分のことかも・・!」と疑ってしまいます。
そして疑ったが最後、あらゆる要素を脳裏で考え出し、「さっきあの人とぶつかっちゃったから、きっとそのことで怒っているんだ!」と勝手に思い込んで一人で恐怖してしまいます。
対人恐怖症になりやすい人は、このような恐怖心や不安感からの思い込みの感情が非常に強く、激しいです。