例えばA社とB社のどちらかと契約を結ぶことになった場合、A社の営業はパリッとしたスーツに身を包み、清潔感溢れる格好でいるとします。
一方のB社の営業は、着崩したスーツにぼさぼさの髪型で、清潔感があまり感じられない格好だった場合、果たしてどちらの会社と契約を結びたいと思うでしょうか?
断然A社の営業と契約を結びたいと誰もが考えることでしょう。
もしかしたら実際に営業の話を聞いてみたら、B社の方が条件は良いのかもしれません。
しかし、第一印象が悪ければ、最初からB社の話を聞こうという態度にはなれないため、営業内容が例え稚拙であっても、A社の清潔感溢れる営業と契約を結びたいと考えることでしょう。
見た目による第一印象は、このようにビジネスの場においても重要視されます。
就職面接
第一印象は、就職の面接時にも大きな影響を与えます。
例えば2人の就職希望者を面接した際に、どちらも話の内容は同じレベルだとしたら、面接官は他に何を見て合否を判断するでしょうか?
それは見た目の印象です。
もしも希望者の片方はしっかりと身なりが整っており、もう片方は靴やスーツの裾が汚れていたとしたら、面接官は身なりの整っている方を選ぶことでしょう。
身だしなみというのは、就職の面接のような場所においては、自分を良く見せるだけでなく、面接を受ける会社に対する気持ちの表れでもあります。
小綺麗な格好をしていれば、会社に対して敬意を払っているようにも見えるでしょう。
しかし小汚い格好をしていれば、そんな格好で面接に来るという時点で、会社に対して失礼になっていることもあります。
そのため、就職面接のような場面でも、身なりを整えて第一印象を良くすることは大切なのです。
第一印象が大事な理由
私たちは人と会う時に、何かと第一印象を気にします。
自分を相手に良く見せようとしたり、または相手の第一印象から相手の性格を予想したりします。
第一印象とは、簡単に言えば相手に対するレッテル貼りです。
相手を見た時の自分の印象で、勝手に「優しそう」「怖そう」など、相手の性格を自分で判断して、相手にレッテルを貼り付けることになります。
このレッテルは、相手と打ち解けていくことで、次第に剥がしていくことが出来るでしょう。
レッテル貼りは誰もが無意識にしてしまうことでもあります。
そのため第一印象で相手を判断するのはある意味当たり前のことでもありますが、なぜ第一印象がそこまで大事だとされているのでしょうか?その理由を以下に挙げていきます。
今後の関係性の良し悪しをイメージしてしまうから
人は第一印象で、勝手に相手の性格を判断しようとします。
「近寄りがたい」と判断すれば、相手と話す機会を自ら減らしてしまうことになりますし、また「優しそう」だと判断すれば、遠慮なくこちらから話しかけていくことができるでしょう。
人は第一印象、すなわち相手の見た目で、今後の相手との関係性の良し悪しを勝手にあれこれとイメージします。
そして相手としっかりと話をしない限りは、その印象がその後も変わることはありません。
良い印象であれば問題はありませんが、悪い印象であれば、相手のことを何も知らないのに悪く思ってしまったり、心無い噂を口にしてしまったりすることがあるでしょう。
第一印象は相手とのその後の関係性に少なからず影響を与えますので、それだけ大事だとされています。
信頼できるか否かをその場で判断してしまう
思い込みの激しい人や、自分の直感を信じすぎている人の場合、第一印象で勝手に相手の性格を判断し、「この人は信用できる・できない」ということを決めつけてしまいます。
一見胡散臭そうな人でも、よく話してみればとても口が堅くて慎重な性格をしているかもしれません。
けれども第一印象で「こいつは信用できないタイプだ」とその場で判断してしまうと、まともに話をしようともしなくなりますので、レッテルを剥がすことが出来なくなってしまいます。
思い込みの強い人と会った時に、相手に誤解を与えないためにも、第一印象を磨いておくことは大切でしょう。
よほどのギャップが無ければその後の進展は変わらない
人は自分の見た目によって性格が変わる傾向があります。
派手な服を着ている時には性格や言動も目立つことをしたがったり、恥ずかしいという感情が薄れたりしやすいです。
また落ち着いたファッションに身を包んでいれば、自然とそのファッションに相応しい振る舞いをしようとしますので、言動も落ち着くことが多いです。
第一印象で相手を決めつけるのは良くありませんが、少なからず第一印象と似通った性格をしている人たちもいますので、実際に話してみた時に、「第一印象のままだなぁ」と感じることはあるでしょう。