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不躾とはどういう意味?使い方や用例...(続き3)

その場合、もしもお互いに気が強くて頑固ならばそのまま喧嘩が始まってしまうでしょう。

また、「不躾」の意味をきちんと理解していない人が、自分よりも目上の人に対して「〇〇先輩は不躾な物の言い方をしますね。」と言ってしまうこともありますが、これは大変目上の人に対して失礼な行為です。

それこそ目上の人からは、「お前の今の発言こそ不躾だぞ!」と怒られてしまうでしょう。

悪口的な言い方になる

「不躾」は、その言葉の意味自体があまり良いものではありません。

そのためどんなに相手のためを思って口にしたところで、どうしても悪口のような言い方になってしまうでしょう。

ものすごく相手に気を遣った言い方をすれば、「あなたのこういう言い方は不躾だけれども、それもあなたの信念の表れだと言うことは分かっているよ。」というように、言葉の中で相手を褒める部分も付け足せば、悪い意味だけに捉えられることはないでしょう。

しかし、大抵はそこまで相手に気を遣って言い回しを考えることはありませんので、「不躾な言い方をするね。」とストレートに相手に気持ちを伝えて、それが相手には悪口に受け取られてしまうことがあるでしょう。

あなた自身、誰かに「あなたって不躾な態度をとるね。」と言われたら、少なからず「何であなたにそんなことを言われなければならないのか」と不快な気持ちになることでしょう。

自分が不快な気分になるということは、それを言われた相手も嫌な気持ちになるということです。

そのためこちらは悪口を言っているつもりはなくても、相手にはまるで悪口を言われているように思えてしまうことがあるでしょう。

自分に対して使うとき

「不躾」は、自分に対しても使うことがあります。

自分の言動が「無作法だな」と思った時や、発言した後で「今の発言は相手に失礼だったな」と思った時に、「不躾な言い方をしてごめんね。」と謝罪をすることがあります。

「不躾」という言葉自体が礼儀作法や行儀がなっていないという意味ですので、へりくだった表現だとしてもあまり頻繁に自分に対して使っていると、自らの品位を下げることになってしまいます。

そのため、あまり普段からは自分を下げるようなことは言わない方が良いでしょう。

必要に駆られた時や、自分の発言や言動について反省するべきだと思った時にだけ「不躾でした」と使った方がいいでしょう。

また、ネガティブな思考の人や自分に自信がない人、劣等感が強い人も自分に対して「不躾だ」と使うことがありますが、それは周りから見た時に謙遜ではなく卑屈に映ってしまいますので注意しましょう。

目上の人に対しての自分の言動について

「不躾」を自分に対して使う時は、目上の人と話している時が多いです。

目上の人に対して自分の話をする時には、ある程度へりくだったものの言い方をすることがあります。

例えば会社の上司から仕事振りで褒められた時に、「はい、ありがとうございます!」と素直に喜ぶのならばまだしも、「自分でもよくできたと思います。」と返しては、褒めた上司が面食らってしまうでしょう。

そしてせっかく褒めてくれた上司から、今度は「驕りが強いやつだな」と思われてしまいますので、自分が褒められた時には調子に乗らず、褒められたことを謙遜した方が体裁はいいでしょう。

海外ならそのまま素直に調子にのったところで、上司に睨まれることはないかもしれません。

しかし日本の会社の場合には、未だに謙遜や遠慮を美徳とするところがありますので、内心ではその風習をおかしいとは思っても、表面上は無難にその場に相応しい態度を取った方が自分自身のためになるでしょう。

目上の人に対してそうしたへりくだった物言いをする時に、わざと自分を下げて「不躾で・・・」と使うことがあります。

へりくだって使う言葉

日本人は人に褒められた時に、それを咄嗟に否定したり、他のもっと優れたものを引き合いに出して自分の功績をわざと下げたりすることが多いです。

例えば自分の子どもに対してママ友が「〇〇くんは勉強がよく出来て優秀ですね。」と褒めたなら、反射的に「いいえ、うちの子は勉強以外にとりえが無くて・・・」と褒められた内容を否定します。

その後で続けて「それよりもお宅の子の方がスポーツ万能で羨ましいですよ~」とママ友の子どもを持ち上げることが多いでしょう。

相手の親は、何も結果的に自分の家の子どもを褒めて欲しくてママ友の子どもを褒めたわけではありませんが、日常会話の中ではこうして自分が褒められた内容を否定して、さらに相手の方を褒めるというやり方が当たり前に見られます。

それ自体をおかしく思う人もいますが、昔から日本人は自分や自分の身内に対しては周りにへりくだる傾向が強いです。

「不躾」を自分に対して使うのも、そうした傾向が顕著に表れていると言えるでしょう。

そうでなければ、わざわざ「自分は礼儀作法がなっていません」などと周りに言う必要はないのですから。

しかし人から褒められればほぼ反射的にへりくだってしまうため、とくに上司に対しても「不躾な物言いですみません・・・」と怒られてもいないのに自らへりくだった言い方をすることがあります。

他人から言われたら…

「不躾」を他人から言われた場合、それには2つの意味があります。

1つは誰かの悪口で、もう1つは誰かに対する説教です。

先にもご紹介したように、「不躾」という言葉には「礼儀作法がなっていない」という意味がありますので、それをそのまま誰かに対して使えば、言われた側は「自分が悪口を言われている」と思ってしまっても仕方がないでしょう。

そのまま悪口として使われることもありますが、時には単なる悪口ではなく、愛のムチやお説教のつもりで相手が言ってくることもあります。