なので、千差万別の被介護者達に対して、深く考えず、ある意味肉体的ケアも精神的ケアもマニュアル通りにこなせるはずです。
そこに「心」が無い訳ではなく、被介護者に対する思いやりは当たり前にあるけれども、個人的に細かく気遣うというところまで考えが及ばないのでしょう。
けれど結果的に、必要以上に被介護者に対して気を揉むこともなく、考えすぎて心が疲れることもありません。
そして、そうやって、変に気を使わず皆と平等な態度でしっかりやることだけはやってくれる天然な人に対し、被介護者たちは安心感を抱くことになると思います。
のんびりした雰囲気が好まれる
介護職や医療関係のお仕事でなくてもそうですが、仕事している人にも家庭があり、面倒を見なければならない子供がいたり、早く帰って作らなければならない晩御飯があったりします。
すると、どうしても「目の前の仕事を早く終わらせておきたい」という心境に陥り、普通に進めても時間内に終わる仕事でも、なんとなくセカセカ急ぎ足でやろうとしてしまいます。
まあ、もちろん何でも早く終わらしてちょっとでも自分の時間を作りたいという欲求が、忙しい現代人には皆あるってことも大きな理由のひとつでしょう。
そんなわけで、とかく早く終わらせたら今日の仕事はそれでおしまい。
みたいなお仕事では皆、もちろん真面目に、頑張って急いで終わらそうとしますよね。
それが介護の場合、何か物を作る仕事ではなくて、人のお世話をする仕事ですから、相手のペースというものがあります。
例えば、この後介護側に何らかの用事があって、とにかく、今の現場を早く終わらせたいという気持ちで介護されたら、どうでしょう?
もしくは、実際に態度に出ちゃって粗っぽく介護されたら、悲しいですよね。
もちろん、介護する側はこんな人ばかりではないですし、介護の仕事をする上で、そんな気持ちで介護することは絶対に許されないと戒められているはずですから、ゼロである可能性もあります。
しかし、人間ですので、本当ところは「早く終わらせたい」「早く帰りたいのに」と思う日もあるはずです。
そんなお仕事だからこそ、あまり物事に対して細かくこだわらないのが善さの天然な人であれば、しっかり勤められそうに思います。
天然な人なら、どこに勤めても、誰のところへ訪問しても、自分のプライベートはもちろんのこと、後の事など後で考えればよいわけで、その現場に集中してくれるはずですから、被介護者も限りなく自分のペースで介護してもらえます。
だいたい介護される人は普通の人より何でもペースが遅いのは当たり前です。
普通の人からするとのんびりしてるなと思われるかもしれませんが、被介護者にはそれぐらいの時間が必要なわけで、もちろん、急いでいないわけでもありません。
だから、ちょっと時間がかかっても、全く気にせず、のんびりしている天然な人の様子が被介護者に更に安心感を与えるはずです。
コツコツ進めることができる
あまり周りを気にしないマイペースな性格の天然な人にとると、誘惑も少なく、介護の勉強も仕事も集中し時間をかけることができるでしょう。
周りを気にしないという特徴は「人の話をあまり聞かない」というマイナスな部分も含んでいますが、自分の興味のあることなら別です。
先輩の指導や被介護者の要望をよく聞き、マニュアルや介護要領などのテキストは穴が開くほど熟読することだと思います。
コツコツと時間をかけながらも、確実に介護の仕事を覚え、慣れ、その道のスペシャリストになるはずです。
あまりストレスを感じない
何度か話に出てきたように、結局、介護の仕事は非常に気を使うお仕事です。
つまり、ストレスがたまりやすい仕事で、長く続けられない方もいます。
それで、言い方は悪いですが「にぶい」のが取り柄でもある天然な人なら、そんなストレスがたまりやすい介護のお仕事もなんなくこなせそうです。
どんな仕事でもストレスはあり、世の中にストレスフリーな仕事って無いと思います。
その為、時として、ストレスを感じないタイプの人やストレスフリーに(な感じで)働いている人を見ると、羨ましいどころか、憎くさも覚えた経験が皆あるのではないでしょうか。
これこそ、天然な人が希に周りから嫌われたり、腹を立てられたりする要因です。
本人はなにも悪いことはしてないのにね。
ちょっと、話が逸れましたが、つまり誰もがストレスをためてしまうお仕事なればこそ、ストレスに強い、いや感じない、「にぶさ」という長所をもつ天然な人にはもってこいのお仕事だと思います。
2.クレーム処理
最近は大手企業ともなると、通販系のみならず、運送業でもメディア関係でも、顧客からのクレームを処理する人は、「最初に電話をとった人」ではなくて、ちゃんと専門の「クレーム対応チーム」みたいなのがあるそうです。
「お客様相談室」なんてのがどこの企業にもありますが、クレーム対応する人達を聞こえが良いように呼ぶと、そういう呼び方になるのでしょうね。
やはり、クレーム対応というのも、そこそこテクニックの必要なもので、マニュアルなんかもあるんでしょうね。
おっとここで言う「お客様」にあたる人がこれを聞くと非常にまずいことになりそうですが、お許しください。
お客様のご意見をクレームと呼ぶからいけないんですね。