ひとまず
「ひとまず」は、「とりあえずそこで一区切りをつけるさま」や「十分ではないがおおむねよいと評価をするさま」という意味の言葉です。
ひとまずは「とりあえず」や「一応」と同じ意味の言葉ですが、言葉の使い方によってそれぞれに使い分けをしています。
例えばもうこれで終わりにしようとする時に、「ひとまずはこれで終わりにしましょう。」と言うこともあれば、少し言い方を変えて「一応これで終わりということでいいでしょう。」と言うこともあります。
また、「とりあえずこの辺りで終わりましょう。」と言うこともあるため、自分がどのような意図をもって言葉を発するかによって、同じ意味でも別の言い方をすることがあります。
「ひとまず」は、ここで一区切りを付けようという明確な意志の感じられる言葉ですので、同じく区切りをつける意味の「一旦」と同じ意味だと考えられています。
ひとたび
「ひとたび」は「一回」という意味であり、また「重大な事態にいたる原因や条件を仮定するさま」という意味でもあります。
後者の意味は簡単に表現するならば、「もしも」の話です。
例えば「もしも白鳥が飛び立ったら、青空に白い羽が美しく映えるだろう。」という言葉を言い換えて、「ひとたび白鳥が飛び立てば、青空に白い羽が美しく映えるだろう。」と表現することもできるということです。
よく小説の中や、古い言い回しとして使われることが多いため、あまり日常的に用いられることはないでしょう。
前者の回数を表わす意味としてなら、例えば「一回放った矢がきれいに的にささった。」という文章を「ひとたび放った矢がきれいに的にささった。」と言い換えることもできます。
回数としての意味も、また仮定としての意味も、どちらも「一旦」と同じような意味だと言えるでしょう。
仮定の条件を示す意味を表す
「一旦」には、何かをしている動きを途中で一度止めるという意味もありますが、さらに仮定の条件を示す意味を表わすこともあります。
例えば「一旦作業の手を止めて休憩に入った。」という文章であれば、実際に作業を止めて休憩に入ったのだという状態を示しています。
しかしこれが、「一旦作業の手を止めて休憩に入りましょうか。」と誰かに提案する形の文章であった場合には、まだ作業の手は止まっていないものの、手を止めて休憩をとるということを仮定していることになります。
ひと朝
「一旦」の「旦」の漢字は、朝や夜明けを意味します。
そのため、「一旦」が「ひと朝」を意味することもあります。
例えば「一旦目が覚めた」という文章の場合、「寝ている途中で目が覚めた」という意味を表わすこともあれば、「ひと朝迎えて目が覚めた」という意味も考えられます。
とはいえ「ひと朝」という意味で「一旦」が使われることはほとんどありませんので、基本的な意味として知っておく程度で問題はないでしょう。
短い時間
「一旦」は、基本的には短い時間を表わしています。
例えば仕事の合間のトイレ休憩や、ちょっと外まで食事を買いに行く程度の短時間を示す場合に使われることが多いです。
ほんの1分~10分程度の短い時間で、はっきりと何分かかるかは分からないけれども、そんなに時間はかからないということを一言で表現する場合に「一旦〇〇してくるね」と言うことがあります。
また、「何分で戻ってくる」と明確な時間を伝えてしまうと、それ以上かかってしまった場合に周りの人に「遅い」と思われたり、誤解をされたりするかもしれませんので、それを避けたい人があえて曖昧な表現として「一旦」を使うことがあるでしょう。
日常会話の中で「一旦」を使う場合、どんなに長くてもせいぜい30分~1時間程度の場合が多いです。
「一旦」の類語や関連語
「一旦」には、さまざまな類語や関連語があります。
日常生活の中で、時には「一旦」と言わずに、似たような意味の別の言葉を用いることがあるでしょう。
前後の会話によっては類語や関連語を用いた方が、都合がいい場合もありますので、予め「一旦」の類語や関連語を知っておき、いざという時にはそちらも活用していきましょう!
一時的に
一時的というのは、物事が継続することではなく、断続することです。
ずっと途切れることなく継続しているのなら、一時的な状況になることはないでしょう。
一方で断続的な場合には、時々途切れながら続くということですので、一時的に何かをするという形になります。
例えば朝会社に出勤してから退社をするまで、一度も休憩を入れずに仕事をし続けている人というのはいないでしょう。
皆どこかしらで小休止を入れたり、昼休憩をとったりしています。
そうした場合に、例えば「一旦休憩に出てくる」と表現することがあるでしょう。
物事を行いながら、途中でそれを中断させたり、その場限りで一度何かをしたりするという意味としての「一旦」の類語には、どのようなものがあるのでしょうか?