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「一旦」とは?使い方や「一時」「一...(続き4)

「一旦」から連想される意味としては、前者であることが多いでしょう。

また、日常会話の中でも、人によっては「一旦〇〇しましょうか」と言うよりも、「ひとまず〇〇しましょうか」と使うことの方が多いです。

「一旦」という言葉の響きは、いかにもそこで一度区切りをつけるという強い意思を感じさせますが、「ひとまず」の場合には言葉の響きが柔らかいため、相手に気を遣ったり、思い遣ったりする場面ではこちらの言葉の方が好んで用いられることがあるでしょう。

現代では、若者よりも高齢者や、やや世代の上の人たちが「一旦」よりも「ひとまず」と使うことが多いです。

しばらく

「しばらく」には、「ある状態がある程度長く続くさま」「一時的にそうするさま」などの意味があります。

具体的にどの程度の時間がかかるかは分からない場合に使われることが多いため、自分でもどれくらい時間がかかるか分からない時に積極的に用いる言葉でしょう。

そのため、誰かが「しばらく出てくるね」と言えば、いちいちそれに対して「しばらくってどのくらい?」と聞くような真似は野暮というものです。

しかしそれが、例えば仕事で急を要する場合や、あまり長時間あけられない場合にはあえて具体的な時間を問い返すこともあるでしょう。

また、さまざまな事情からはっきりと具体的な時間を言いたくない時にも用いることのできる、とても都合の良い言葉でもあります。

一般的に「しばらくの間」と言うと、30分~1時間程度で想像することが多いため、半日や1日以上かかるのに「しばらく」という言葉を用いると、「いつまでかかっているんだ」と周りの人から不満を覚えられることもあるでしょう。

長く時間がかかると分かっている時には、「しばらく」ではなく具体的な時間を伝えた方が誤解を避けることができます。

「一旦」には、一時的に何かしていることを中断する、もしくは一時的に何かをするという意味がありますので、その一時的な時間から「しばらく」という言葉が連想されることは多いです。

場合によっては同時に「一旦」と「しばらく」の、どちらの言葉も用いることがあるでしょう。

一目

「一目」は、「一度だけ、またはちょっとだけ見ること」や「一度に広い範囲を見渡すこと」「目の中いっぱい」などの意味があります。

「一旦」には「ひとたび」という意味もありますので、それから連想される言葉が「一目」でしょう。

ただし「一目」には、「ひとたび」のようにもしもの仮定の話を連想させるといった意味はありません。

「一目みれば分かる」などのように、あくまでも見ることを前提とした意味で使われる言葉です。

「一目」は「ひとめ」や「いちもく」と読むことができます。

「ひとめ」は何かを見ることに対して使われることが多く、また「いちもく」は「一目おく」のように、単に見るということからその存在を認識する際などに多く用いられます。

ひとたび

「ひとたび」は「一回」また「重大な事態にいたる原因や条件を仮定するさま」という意味です。

「一旦」の副詞の意味が「ひとたび」なので、「一旦」という言葉からは自然と連想されることでしょう。

とはいえ、「ひとたび」の言葉自体が少々古く、日常会話の中ではあまり使われることはないため、他の言葉で使われることの方が多いでしょう。

使い方・例文

「一旦」の正しい意味が理解できても、それをどんな場面で、またどんな使い方をすればいいのかまできちんと分かっていなければ、いざという時におかしな日本語になってしまうかもしれません。

「一旦」は文頭や文の途中に使われることはあっても、文の最後で使われることは滅多にありません。

例えば一度席を立つという状況で、「一旦席を立つ」と使うことはあっても、「席を立つ一旦」と使うことはありません。

もし「一旦」という言葉を際立たせたいという場合には使うことはあるかもしれませんが、その際には「席を立つ、一旦。」と句読点で句切るなど、文の構成を少し変える必要があるでしょう。

きちんと文法が分かっていないと、使い方を間違えてしまうことがあるかもしれませんので、ここで使い方の基本も確認しておきましょう。

一般的に使われることの多い例文を以下にご紹介していきます。

一旦口から出た言葉には、責任をもたなければならない

この例文の「一旦」は、「一度」や「ひとたび」という意味で使われています。

たった一度だけでも自分が口にした言葉には、責任をもたなければならないことがあります。

とりとめのない会話ならともかく、重大な話をしている時やビジネスシーンなどでは、安易な気持ちで口に出したことで思わぬ責任を被ってしまうことがあります。

正式な書類を交わしていなくても、時には口約束が仇となってしまうことがありますので、どんな言葉にも責任を持つつもりで普段から口に出した方が賢明でしょう。

また、口にする側は適当なことを言ったつもりでも、聞き手はそれを真面目に受けとってしまうこともあります。

例えば結婚するつもりのない恋人に結婚の話をされた時に、「そのうちね」と適当な返事をした結果、相手から強引に結婚話を進められて辟易する、なんてことにもなりかねません。

言葉には魂が宿るとも言われていますので、一旦口に出した言葉には責任を持てるようにしましょうという教訓の込められた例文です。