漢字は少し難しいため、普段はひらがなで表現されることが多く、特に子どもの内はひらがなでしか用いることはないでしょう。
「ご贔屓」の類語や関連語
「ご贔屓」は、自分がとくに目をかけた相手の世話を焼いたり、特別扱いをしたりすることです。
ほとんどの場合、贔屓する相手には優しくしたり、褒めたり、特別な立場や褒賞を与えたりと、相手にとって良いことをしてあげます。
時には相手に目をかけているからこそ、わざと厳しく振舞うこともありますが、単に自分が気に入っているからという場合にはまず贔屓する相手に厳しく接することはないでしょう。
そんな贔屓という言葉の意味と、近い意味を持つ類語や関連語もあります。
知っておくと贔屓という言葉以外でも会話の中で用いることが出来ますのでこの機会にどのような関連語があるのか知っておきましょう。
1.認める傾向
「贔屓」は自分が特別に誰かを認めたり、気に入ったりすることです。
そのため個人的に認めた相手に対して、あれこれと世話を焼くことですので、特定の相手の才能や能力、手腕などを認める傾向があります。
そうした相手を認める傾向という意味では、以下の言葉が類語として挙げられます。
愛顧
愛顧とは、「目をかけて引き立てること」です。
「贔屓」の場合には贔屓をする側もされる側も、どちらも言葉を使うことが出来ます。
一方の愛顧は、贔屓される側からいう言葉ですので、自分が贔屓している相手に対して、「あなたを愛顧している」とは言いません。
贔屓される側の人が、「ご愛顧ありがとうございます。」と言うのが基本です。
この愛顧という言葉は、あちこちで使われる機会があります。
例えばよく行くスーパーのチラシに、「日頃のご愛顧を感謝申し上げます。」と書かれていることがありますし、またビジネスメールなどの文末にも「今後とも、末永くご愛顧賜りますよう、お願い申し上げます。」と書かれていることがよくあります。
一般的に贔屓の意味で言葉を用いる時には、直接「ご贔屓ありがとうございます。」と使うよりも、「ご愛顧感謝申し上げます。」と使うことの方が多いでしょう。
それはひょっとしたら、贔屓では相手が悪い印象を持ってしまうかもしれないというリスクがあり、それを避けるために愛顧の言葉を用いるようにしているのかもしれません。
どのような理由からであれ、それだけ一般的には贔屓よりも愛顧の言葉で用いられることが多いです。
引き立て
「引き立て」は、「とくに目をかけて贔屓にすること」です。
特定の目をかけた人物には、あれこれと世話を焼き、また必要な場面では全面に押し出して周りの人たちへもアピールするため、そうした行為から引き立ては贔屓の類語とされています。
例えば部活で才能のある生徒を監督が引き立ててキャプテンにしたり、チームの代表にしたりすることはよくあることでしょう。
それが周りも納得するような贔屓の内容であれば問題にはなりませんが、もしも才能も実力もない生徒を監督がやたらと引き立てようとしたなら、それは「裏のある贔屓ではないか」と他の生徒たちは誰もが感じることでしょう。
引き立ては本来、周りから特別に秀でた人物や、将来性のある人物に対して行われる行為です。
それが誰もが納得出来ないような引き立ての場合には、「単なるえこひいきだ」と誰からも思われてしまうことでしょう。
2.定期的に来る顧客
定期的に自分の店や会社に来る顧客は、例え他の店や会社も利用していたとしても、いつも自分のところを気に入って利用してくれていることになります。
それは顧客からすれば自分の店や会社を贔屓にしてくれているということですので、「常連」や「クライアント」「お馴染み」などの言葉も贔屓の類語として扱われることがあるでしょう。
顧客は数ある店や会社の中から、わざわざいつも自分のところを選んで通ってきてくれているのですから、それだけ顧客にとっては自分の店や会社が、「贔屓したい存在」だということでしょう。
接客や営業の仕事の場合、顧客は自分のところに何かを期待して定期的に訪れてくれているのですから、贔屓される側としても出来るだけその期待に応えようと努力しなければなりません。
その努力を感じとるからこそ、顧客の贔屓は途切れずに続き、互いの関係性は保たれているのでしょう。
常連
「常連」とは、「特定の興行場、遊技場、飲食店などにいつも来る客」「常客」を意味する言葉です。
店や会社で働いていれば、「〇〇さんはここの常連だよね」や「あの常連客今日も来てるね~」などと、日常的に常連という言葉を使うことがあるでしょう。
「贔屓」の類語ではありますが、同じ意味でも「あの人、ここの贔屓だよね。」と使うことはあまりないでしょう。
常連の方が一般的な会話で使いやすい言葉ですし、言葉のイメージも気軽なので顧客側も店側もどちらも安易に使うことの多い言葉でしょう。
ただし店や会社側が、よく来る顧客に対して挨拶する際には、「常連」という言葉は用いずに、「いつもご贔屓にしてくださり感謝致します。」と「贔屓」の言葉の方を使います。