そのときの本能とでもいうのでしょうか、危機管理意識が私たちにも根付いているのです。
危険から身を守るための本能です。
人は暇になるとロクなことをしない、と言われるのは、忙しくしている間は危機に対する意識が目の前の出来事によって忘れられている、もしくは目の前の出来事、物事に対して危機管理意識を使っている状態になります。
暇になると、本来持っている危機管理意識がむくむくとあふれ出てくるのです。
このときの危機管理意識を別名で不安と呼んでも良いかもしれません。
じっとしているとなんとなしに不安だから余計なことを始めてしまうのです。
今を生きるためには意識的に、「未来のことを考えないでおこう」と思ってみてください。
6.ながら行動をしない
今を生きている人は、ながら行動をしていません。
今を生きることとながら行動と、どうつながっているのでしょうか?
ながら行動とは同時に二つ以上のことをすることです。
何かをしながら何かをする。
優秀な人でも何かをしているときは、もう一つのことはどこかで精度が落ちるものです。
そのことを知っているから優秀な人はながら行動をしないのです。
型があるもの、たとえば武道などでは一つ一つの所作の終わりをピタッととめますよね。
次の動作に移るときにピタッと止めています。
ながら行動をする人は、この止めがどこにあるのかわからないような行動をしています。
行動の精度が落ち、小さなやり直しが生じやすくなります。
小さなやり直しが生じると、そのたびに心は過去に戻りあれやこれや悔いることになり、未来への不安も生じやすくなります。
7.物事に優先順位をつけて実行する
あれもこれもという欲張り根性は決して悪いことだとは思いません。
欲があるから人は楽しめるし、前に進めます。
ただ、そこにはやはり工夫と努力が必要になります。
自分が欲しいものを得るときにはそれなりの対価を支払う覚悟も必要です。
覚悟を持った行為のひとつは、物事に優先順位をつけて実行するということです。
覚悟というのは、腹の底からの心の声として表現できますが、その覚悟を行動に移すこと、その一つは物事に優先順位をつけて実行することです。
どんな大金持ちな人でも普通の人と同じものは時間です。
一生の時間は、長生きな人と短命な人では違いますが、一日に使える時間はどんなに頑張ってもみんな同じですよね。
人生を変えるために必要なことの一つがこの時間の使い方と言っても過言ではありません。
優先順位の決め方ですが、やろうとしていることの緊急性という軸と重要性という2大軸で決めます。
まずは急ぎのものから手をつけていくことになると思います。
重要でも緊急性が低いときがありますね。
同じくらいに重要なものがある場合、緊急性の高いものが先にくるでしょう。
このように優先順位をつけて実行する癖をつけると、重要性が低いにもかかわらずやっていしまっていることが見えてくるものです。
行動のシンプル化ができていきます。
また、緊急性が高いものが多い人、仕事や家事、勉強などの場面で緊急性が高いものをいくつか抱えている場合、そういったもので忙殺されてしまい、自分にとって大切なものだとわかっていても手が回らないことがあるかもしれません。
実はこれはとても危険なことです。
今、手が回らないだけなら良いですが、いつの間にか忘れ去られる危険があるのです。
本当に大切なものを忘れるのか?との問いには、人は習慣に縛られる生き物でもあります、と答えます。
いつもいつも緊急性のある出来事に忙殺されて大事なものを忘れないように。