嗜好という言葉がありますよね。
日常的にもよく使われる言葉だと思いますが、皆さんは嗜好の意味をきちんと把握されているでしょうか?
趣味嗜好という四文字熟語もあり、その意味は“個人的な好みやたしなみ等のこと”。
この意味からも、嗜好は人の好みを表わしているのは分かるのですが、果たして正しく使えているのかどうか、不安が残るところです。
嗜好という言葉を誤用してしまったり、嗜好の意味が捉えづらいと思っている人も多いようです。
という訳で今回は、“嗜好品”と呼ばれる数々のモノと共に、“嗜好”という言葉の意味について深堀りしてみたいと思います。
嗜好はその人のアイデンティティーのひとつ
嗜好の意味を理解するにあたってヒントとなるのが、「嗜好はその人のアイデンティティーのひとつである」ということ。
アイデンティティーとは、“自分”を表現するものとか、自分らしさとかそういった意味ですよね。
ということは嗜好は、“自分らしさを表わすもの”ということになるのでしょうか?
まずはこの「嗜好はアイデンティティーのひとつ」というヒントを元に、嗜好の意味について調査していきたいと思います!
「嗜好」の意味
まずは単純に、嗜好の意味を辞書で調べてみました。
すると、“あるものを特に好むことや親しむこと”、そして“たしなむこと”などとあります。
特に飲食物についての好みについて使われるのが一般的となるようです。
そしてその飲食物は、“嗜好品”と呼ばれるものとなるわけですが、この場合、「カレーが好き」「ラーメンが好き」といった、単純な好き嫌いを表現するものではないのです。
嗜好品の場合の飲食物は、“栄養を取るためではないけど好んでいるもの”になります。
つまり、“生命維持のために必要不可欠となる主食とは違って、楽しむことがメインの目的となる飲食物”のことです。
そしてこの“嗜好”が、アイデンティティーのひとつだと言われることについても調べてみましょう。
アイデンティティーの意味こそ捉えるのが非常に難しいのですが、辞書によると“自己同一性”や“身分証明”などとあります。
また、帰属性を持つものも、アイデンティティーとなるようです。
噛み砕いて言うと、「自分が何者かを分かっている」ということや、「自分を認めている」こととなるんですね。
一番わかりやすいのは、「あなたは何者ですか?」と聞かれた時に答える答えが、アイデンティティーだということです。
「私は〇〇というもので、〇〇出身で、〇〇という会社で働いていて、趣味は〇〇で…」など、自分の属性や好みなど、自分を表現するものがあると思います。
それがアイデンティティーであり、嗜好は、自分を表現するもののひとつになるということです。
楽しむためだけに好んで摂取する飲食物は、その人個人の拘りでもありますよね。
ひとつの個性であり、自分の特徴を表わすものとしてぜひ示しておきたいのが、嗜好品とも言えるのでしょう。
栄養が無いものが殆ど
嗜好品となる飲食物を摂る目的は、生命維持ではなく楽しむこと…となる嗜好品は、栄養が無いものが殆ど。
むしろ嗜好品は、身体に害があるものも多く見られます。
でも、身体に害があったとしても目的が生命維持じゃない以上、嗜好品を辞められないのが人間。
人は貪欲で、自分の欲求を満たさずにはいられません。
しかし嗜好品は、物によってはストレス解消やリラックス効果があり、身体を作る栄養素はなくても、ある意味では生命維持に役立つこともあります。
心理的な面をサポートする役割を果たすので、そのぶんその嗜好品に頼りやすく、依存しやすいとも言えるんですよね。
つまり、欲求不満を解消する矛先がどこに向かうのか、そしてその依存度がどれくらいかということは、その人の内面を表わすことにも繋がります。
それを示すものとしても嗜好品は、アイデンティティーのひとつだと言えるのかもしれませんね。