ただ、日本では違法な薬物が海外では嗜好品のひとつとして、普通に利用されている場合もあります。
それが大麻(マリファナ)ですよね。
マリファナと言えば、日本人なら普通、違法薬物のひとつだという感覚がありますよね。
でも、マリファナは違法薬物のひとつである覚せい剤とは大きく違うとも言われています。
医療用として使われていることもあり、日本と海外ではマリファナの捉え方が違う場合もあるんですよね。
つい先日までも、女優の高木沙耶が、日本でのマリファナ解禁を訴えていたりもしました。
医療分野で、治療の痛みを軽減させる目的での使用を許可して欲しいという訴えです。
結局、大麻所持で捕まりましたけどね。
…そう、海外では嗜好品のひとつでも、日本の法律でダメなものはダメなんです。
マリファナに依存性が無いからいいとか、マリファナによって人に危害を加えることが無いからいいとかいう問題ではなくて、日本では違法です。
でもその法律の網をかいくぐったり、マリファナ使用や所持をしている人がいるということは、やっぱり理性を失っているとしか言えませんよね。
法律を破っても、辞められないということなんですから…。
嗜好品の歴史
嗜好品はその人のアイデンティティーであり、気分を高揚させてくれる贅沢品。
一方で、依存症となる危険性をはらんだものでもあるんですよね。
嗜好品も使いようで、嗜む程度に自制が出来るかどうかがポイントとなるわけです。
そんな嗜好品にも歴史があります。
長い年月の中で人々の嗜好は変化しているんです。
贅沢品という側面のある嗜好品なので、何が贅沢品となり、何が人々を高揚させるかというのも、時代と共に変わるんですよね。
そこには、人々の経済事情や、心理的欲求の変化が表れていたりもします。
昔は何が人々を魅了し、今はどんなものが嗜好されるのでしょうか。
昔はどんなものが嗜好品だった?
その昔、日本にも物の無い時代がありました。
特に戦時中や戦後は、生きていくために必要な食糧にさえ困る日々を送っていたのだと思います。
食欲というのは、人の誰もが持つ三大欲求のひとつでもあり、食料不足の時には特に、「お腹を満たしたい」「美味しいものをいっぱい食べたい」という欲求が満たされないことがストレスにもなっていたでしょう。
食糧不足、物不足の時代があり、その欲求を満たそうとしたからこそ、物で溢れ食糧に困らない今の日本が作られたと言ってもいいと思います。
欲求を満たしたいという思いが原動力になって、発展してきたわけです。
つまり、食料や物不足に苦しんでいた時代は、なかなか手に入らないものが贅沢品となり、誰もが持つ三大欲求の食欲を満たす“食べもの”が、嗜好品となっていたのです。
また、日本発祥ではない食料や日本で生産されていなかったものなどが特に、憧れと共に嗜好品の意味合いを強くしていたのかもしれませんね。
1. 砂糖
かつて砂糖は高級品だったという話を聞いたことがあるのではないでしょうか?
今でこそ、スーパーに行けば気軽に手に入り、調味料のひとつとしても欠かせないものとなっていますが、その昔は手に入りづらい贅沢品だったと言います。
砂糖の持つ甘みは、人を幸せにさせたり気分を高揚させてくれる、不思議な魅力を持っています。
それは今も昔も変わらずに、人々を虜にさせたのだと思います。
日本にとっての砂糖は、海外から高級品として持ち込まれる形で伝えられたと言います。
日本に伝わったのは奈良時代のことで、当時は薬として扱われたこともあったのだとか。
次第にお菓子などの原料として使われ始めるのですが、最初は貴族だけの特権のようなものだったそうです。
一般市民に広くいきわたるようになったのは、明治時代に入ってからになるようで、多くの庶民にとって砂糖は贅沢品そのものだったわけです。
やがて日本国内でも砂糖の生産が始まり、消費はどんどん伸びていきますが、戦時中に台湾が日本領になった時に、砂糖生産の拠点は台湾へ。