これは、悪質クレーマーの典型的な例となっているようです。
筆者も長くサービス業に携わっており、直接お客様の対応をする立場にいました。
その中で「お客様は神様だろう!」と言われた経験はありません。
でも、実際に口にはしなくても、「お客様は神様だ」と思っているお客様は多いと感じていました。
この“お客様は神様”という思想。
本来は、自分のお店のファンになってくれる人を、神様のように大切にしたいというお店側の気持ちなんですよね。
ファンとは、お店側を愛し好意を持ってくれている人です。
そこには、敬意も持っていたりするでしょう。
そういった人が言うクレームは、愛するがゆえの忠告。
もっと良くなって欲しいと願うからこそ、クレームを言うのです。
だけど今は、ファンであってもなくても、「お客様=神様」。
もちろんお店側は、ファンでない人でも神様のように大切にすることで、ファンになってくれるかもしれないと思う。
だから、ファンもただの客も、同じように大切にするのです。
でもだからといって、絶対服従の関係というわけではないんですよね。
これは、お店側も勘違いしている部分があり、それによって客側にも勘違いが生まれているのだと思います。
本来は、どれくらい大切に思っているかという気持ちを、“神様への感謝と敬意”に匹敵するものだと表現しただけなんです。
この“神様”という言葉を使ったことが、いろんな勘違いを生む原因になっているとも言えるのでしょうね。
そもそも、神様には絶対服従しなければならないのでしょうか?
そもそも、神様は何か命令してくるでしょうか?
神様にお目にかかることも、直接話すことも出来ない私たち。
だけどその存在を大切にし、感謝するのは、恵みを与えてくれているからだと思います。
神様からの教えはあったとしても、何かを命令してくることはありませんよね…。
そう考えると、「お客様は神様だろう!」と自らを神と名乗り、理不尽なクレームをつけてくるような客は、ファンでもなければ、もちろん神様でもありません。
悪質クレーマーな以上、客でもないでしょう。
悪質クレーマーは自らを神とし、「神に逆らうのか?」と脅しているに過ぎないんですよね。
「お客様は神様だ」と客側が言うのは、脅し文句だといっても過言ではないのです。
2、少しのミスで大激怒する
少しのミスで大激怒するというのも、悪質クレーマーがやりがちなことです。
今は少しのミスも許されない時代ですからね…ちょっとのミスもミス。
苦情を言われるのも仕方がないことかもしれません。
でも、悪質クレーマーの場合は、“大激怒”するというところが、ひとつの特徴と言えるようです。
怒りの沸点が低い人なのかもしれませんが…悪質クレーマーの場合は、それがわざとだったりするのも問題となっているんですよね。
お店側は、怒りの程度によって対応を変えるしかありません。
本来は、ミスの程度によって、お客様がこうむった迷惑や不快感を察し、それに見合った誠意を示そうとするでしょう。
少しのミスであれば、誠意をもって対応すれば、お客様にも納得してもらえることのほうが多いと思います。
それに、お店のファンであり、敬意と好意を持ってくれているなら、少しのミスで大激怒することはないでしょう。
大激怒することによって、お店側を委縮させてしまうだけだと分かっているし、異常なほど激怒すれば、愛情をもった注意であることも伝わりません。
それは、大好きなお店のためにならないことなんですよね。
つまり…、お客様が大激怒していたら?
もうミスの内容は関係ありません。