もちろん人徳がある人にだって、自分の夢や希望があると思います。
でもだからこそ、相手の心を思いやることが出来る人徳がある人は、人の気持ちに寄り添った時、その人の強い思いを感じ取ることが出来るのだと思います。
人が抱える思いを自分に置き換えた時、それがその人にとってどれだけ大事なことかが痛いほど感じられる…。
そうなれば、その人のために行動せずにはいられません。
人徳がある人は、人の心に深く寄り添えるからこそ、自分の心も動かされる。
それが、行動となって表れるのです。
それはきっと、自分を犠牲にするというようなものでも無いと思います。
人のために行動することは、結局は自分のため。
自分を理解し、自分を大切に出来るからこそ、人徳がある人にもなれるのではないでしょうか。
自分を客観視できる
今お話したように、“自分を客観視できる”というのも人徳がある人の特徴なんですよね。
つまり、自分をよく理解しているということです。
自分がどんな立場にいるか、自分にはどんな気質があるか。
生まれ持ったものは何で、やるべきことは何か…。
常に自分を客観視しているからこそ、人間性も磨かれていくんですよね。
それに、自分を客観視できるということは、周囲の事もよく見えているということです。
広い世界の中から見た自分。
それが分かっていると、人への思いやりも沸いてくる。
人への感謝も沸いてくるでしょう。
人徳がある人は、自分を客観視することで、世の中の道理までもを、感覚的に捉えているのです。
それが、品性の高さにも繋がるし、人から好かれる要素ともなっているんですよね。
自分を客観視するのって、案外難しいものです。
どうしたって、自分の価値観の中で自分を捉えてしまいがちです。
人徳がある人がそれを出来るのは、持って生まれた素質もあると思いますが、やはり鍛錬の賜物なのだと思います。
人の気持ちを考えられる
人徳がある人の、思いやりのあるところや、人のために行動出来るという特徴の中でもお話しましたが、“人の気持ちを考えられる”という特徴を持つのも、人徳がある人です。
人への思いやりも、人のための行動も、人の気持ちを考えられなければ出来ませんよね。
人徳がある人は、人へ気持ちを向けることができ、人の気持ちを考えることが自然とできるようになっている。
そんな人だと思います。
優れた統率力のあるリーダーや、優れた才能を持つカリスマ性のある人は、その人の持つ能力に人が集まり、付いていきますよね。
ですので、人との気持ちのキャッチボールをしなくとも、自分の思いひとつでぐいぐいと周囲の人を引き込み、引っ張っていくことも出来ます。
ただその場合、人との関係性を重要視していないので、何か問題が起きた時や、その能力に陰りが見えた時に、人は離れていってしまいますよ。
全てのリーダーやカリスマ性がある人がそうだとは言いませんが、そういったタイプの人も多いと思います。
つまり自己中心的なタイプの人だと、一見人に慕われているように見えても、それはその人間性というより能力に人が集まっているだけに過ぎなかったりします。
筆者の知り合いにも、時には人を集めるのですが、気付くと周りから人が去っていってしまう人がいます。
その人はリーダー性のある人で、勢いに乗っている時はどんどん人が集まってくるのです。
だけど何かにつまづくと、人はさーっと居なくなってしまうのです。
しかも、それを何度も繰り返すんですよね…。
つまりその人は、自分に原因があることに気付いていないのです。
毎回、「手のひら返された」とか「裏切られた」と言うのです。