人徳がある人は、物事をもっと広い視野で見ているし、世の中も宇宙から見ているような感覚なのでしょう。
一方比較は、もっと狭い世界の中で行われています。
自分と相手の1対1だったり、同じグループに属する輪の中…例えば同じ社内や学校内など、身近な世界で比較をしているのです。
私たちは比較され、優劣をつけられる中で育ってきてもいるので、比較してしまうのも当然と言えば当然です。
だけど人徳のある人は、広い広い視野で世界を見て、小さな世界で行う比較がいかに無駄なことかに、どこかで気づいたのでしょう。
そして比較という、無駄に人を苦しめる場所から、まず自分を解放したのだと思います。
そして、自分も他人も、広い世の中に生きる同じ存在であるという感覚に至っているのです。
だから、比較しないんですよね。
そういった比較をしない人徳がある人は、他人の良い所に目を向けることが出来るでしょう。
比較して人を判断するのではなく、その人個人のもつ人間性、そして広い視野で見た時のその人の存在を認めているのです。
だから、人徳がある人には人が付いてくるんですよね。
人徳がある人の傍にいれば、自分を認めてもらえる。
それは喜びであり、希望の光でもあると思います。
人徳のある人に認めてもらうことで救われた…そんな人も多いのかもしれませんね。
理解力がある
そして“理解力がある”のも人徳がある人の特徴です。
人徳がある人は、その人柄が良いだけではなく、尊敬され頼られる存在ですから、理解力もあるのです。
そうじゃなきゃ、人徳がある人までにはならないですよね。
理解力も案外難しいもので、勉強が出来ると言う頭の良さがあるだけでは、その能力があるとは言えないんです。
理解とは、物事の道理や筋道を悟ること。
また、人の気持ちや立場がよく分かることです。
つまり理解力にも、広い視野が必要であり、人を知るということも必要なのです。
人徳がある人は、理解力に優れているので、人の言葉だけじゃなく状況、そして感情なども踏まえて物事を理解していると言えます。
全てを伝えなくても、また、相手が伝え下手でも、人の気持ちや望み、言わんとすることを悟ることが出来るんですよね。
例えば仕事の場合、相手が顧客だとすれば、その顧客の求めているものを瞬時に理解することで、顧客からの信頼を得ることにその能力は発揮されます。
また、社内では、何かトラブルがあった時に言い訳をしてくる部下がいたとしても、その言葉だけじゃなく広い視野でその問題を理解し、正しい判断を下すことが出来るはずです。
人徳がある人はその理解力で、誠実に、正確に物事を捉えることが出来るのです。
注意ができる
人徳がある人には、“注意ができる”という特徴もあります。
これも理解力があるという特徴の中でもお話した通り、正確に物事を捉え、正しい判断を下すことが出来るからと言えますよね。
また、人徳がある人の誠実さが、人への注意ができる人柄にも繋がっているのでしょう。
人への注意って、とても気を遣うものです。
その注意が間違った指摘であってはならないし、注意の仕方によっては相手の反発を生むだけで、注意の意味も無くなってしまいます。
注意は、その人のためを思ってする指導であって、そこには凛とした姿勢も必要。
また、感情を混ぜることなく正確で、誠実な注意でなければなりません。
人は注意をする時、感情を混ぜてしまいがちです。
特に、怒りの感情を乗せて注意をしてしまうことが多いですよね。
そうすると相手は、ただ萎縮してしまったり、注意の内容よりも、怖いという印象だけになってしまうんです。
人の気持ちを考えることができ、広い視野で客観的に物事を判断することが出来る人徳がある人は、相手に響く注意が出来るのです。
それは本当に相手のためを思った注意であることが伝わっているからなのでしょう。