壁掛け型の黒電話もあった
そんなダイヤル式の黒電話ですが、現代の電話のように何か台の上などに置いて使うものもありました。
それ以外にも、なんと壁掛け型の黒電話も存在していたのです。
壁に電話がかかっているなんて、なかなか想像できないかもしれないですね。
だって、電話は下に置くものだと思っているからです。
なかなか想像できない方は、「となりのト〇ロ」という名作を思い出してみてください。
もしも見たことない方は、そのシーンを検索するだけで画像がヒットします。
主人公の女の子2人のお母さんが危篤状態になったとき、病院から電報が届きます。
その後、主人公のお姉さんは父親に連絡するために電話を使うんですが、その電話が壁掛けタイプなのです。
そのため、立ったまま電話しているのが印象深いシーンとなります。
そのように壁掛けタイプで使われることもあったんですね。
今思えば、壁にかかっていれば場所をとらずに部屋を広々と使うことが出来たのかもしれません。
1号電話機は明治11年に製造
では、そもそも電話というのはいつ発明されたのでしょうか?実は、かなり時代をさかのぼって明治11年になります。
明治といえば、江戸時代が終わって近代化が進められた時期でしたよね。
その時期に海外から輸入され、電信局製機所において、この輸入された電話を元にして日本初の電話機が誕生しました。
電話機そのものを開発したのは海外の偉人であり、日本仕様にした後で日本デビューしたのですね。
それからは、どんどんと電話も進化していき、今ではファックス付きや子機がついているものまでありますよね。
黒電話は、その中間地点に登場したものであり、昭和世代に生まれ育った人にとっては馴染み深いものになっています
様々な形が製造された
第1号電話機が製造されてからは、次々に新しい形が製造されるようになりました。
さきほども登場した「壁掛電話機デルビル磁石機」や「甲号卓上電話機」などがあります。
そして、プッシュオンや留守番付き電話機が開発される前に黒電話が普及するのです。
今ある電話の形が当たり前だと感じている方にとっては、少し信じがたい事実かもしれません。
今の電話(スマホ)に比べると大きさも大きいですし、それに電話機に見えないこともあるのですから。
そうやってさまざまな形が製造されることで新しい可能性を見出し、現在の電話機になったと思うとどこか感動しませんか?
黒電話のメリット
これまでに黒電話はどういうものなのか?また、黒電話はどのようにして日本に登場したのかをご紹介してきました。
既にそれだけで驚きを隠せない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、現代のスマホ世代にとっては黒電話を使うのは、どこかめんどくさいような気持ちがするかもしれません。
だって現代のスマホやプッシュオン型の電話は、押したい数字を押すだけで電話をかけることができるのですから。
黒電話であれば、ダイヤルをいちいち回さなければなりませんし、電話を受信したときのメロディを変える事だってできません。
そこに魅力があるのですが、カスタマイズが好きな方にとっては少し物足りないシステムなんですよね。
では、そんな黒電話ですがいったいどのようなところにメリットがあるというのでしょうか?黒電話を使っていた人々は、どんなところに魅力を感じていたのでしょう?詳しく見ていきましょう。
停電や災害時でも繋がる
現代の固定電話は、電気につなぐことによって電話をかけることができます。
しかし、黒電話はその必要がないんです。
そのため、停電になっても災害になったとしても、使うことが出来るんです。
それってすばらしいですよね。
電気がなければ世界が動かないとも言われている現代の救世主ともいうことができるはずです。