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態々とはどういう意味?難しい言葉の...(続き5)

態々来たのに休館だった

遠出して、わざわざ訪れた場所が、ちょうど休館日だった、ということもありますよね。

なんでちゃんとチェックしておかなかったんだ!と悔しく思う時もありますし、ちゃんと前もって休館日をチェックしておいたのにたまたま臨時の休館になっていて、タイミングが悪かった、ということもあるでしょう。

何かのついでに来る、というのではなく、この日のためにちゃんと前もって準備をしたり、仕事の休みや都合をつけて来たというのに、休館だったというときには「わざわざ」という言葉を使いたくなります。

特にそのために労力をつぎ込んで、予定をつけたのですから・・・。

次の日など別のときにもう一度都合がつけられるとするなら、まあしょうがないと思えるところですけど、ただ一度きりのチャンスとして来たのに、休館だったらかなりやるせない気持ちになりますね。

「ここを訪れるためにどんなに努力と時間とお金を使ったのか!」ということをアピールしたくなりますから「わざわざ来たのに!!」って言いたくなるわけですね。

態々お見舞いに来てくれた

病気になったり、事故にあってしまったときに、知り合いの人が都合をつけてお見舞に来てくれた、というときにも「わざわざお見舞に来てくれた」って言いますよね。

その人が、来るのが当たり前の立場の人、例えば事故を起こした加害者だったり、家族だったりするなら「わざわざ」とは言いません。

でも、もし本来なら来なくてもいい人が、自分をとても気遣って”わざわざ”都合をつけて来てくれたなら、「わざわざ来てくれた」って言いたくなりますね。

自分のために払ってくれた労力や関心への感謝の気持ちが読み取れますね。

でも、これがまた、ちょっと誤解を招くこともありますね。

「わざわざ来てくれた」というと、「別に来なくても良かったのに」みたいな、来られてちょっと迷惑しているんだけど、といようなちょっとイヤミに聞こえてしまうこともあります。

態々最後まで案内する

「わざわざ最後まで案内した」と聞くと、なんか意図があって、わざと最後まで案内したというように聞こえますね。

本当は、最後まで一緒にいる必要もなかったし、案内しなくてもよかったんだけど、ある意図や理由があって、最後まで案内することにしたんだ、というように受け取れます。

さらに、受け身としての報告で、「〇〇さんが最後まで案内してくれた」と言うなら、最後まで自分たちに付き合って、丁寧に対応してくれた人がいたんだよ、っていううれしい報告に聞こえるけど、そこに「わざわざ」がつくと、それがなんだかいい迷惑だったかのような印象を受けますね。

または、そんなことをする必要もないのに、最後まで付き合うという親切な行動に感謝しているのかな?と、ちょっと疑問に思ってしまいますね。

でも、漢字で「態々」と表現するとなると、やっぱりいい迷惑だった、というような意味合いが強くなるように思います。

「態々」してやった、「業々」してくれちゃって迷惑だった、みたいなイメージで、ちょっと消極的ですね。

感謝というよりは、最後まで案内してくれたことがありがた迷惑だった、というような言い方に聞こえます。

️態々は目上の人には失礼?

「わざわざ」という言葉は、「態々」と書きますけど、「業々」とも書く、ということがわかりましたね。

感謝や労をねぎらう気持ち、そして謝罪のときにも使う表現です。

そのような気持ちの場合は、漢字としては「業々」と書くようですね。

相手が特別に労を払ってしてくれたことや、その気持に対する認識や感謝の気持ちが伝わります。

しかしながら、「わざわざ」を目上の人に使うのは失礼に当たるのではないのか!?という意見も見つけました。

では、「わざわざ〜」という表現は、目上の人に対しても使ってもいいのでしょうか?
それとも、別の言葉に置き換えて表現したほうが無難なのでしょうか??

誤解を生みやすい言葉

なぜ、「わざわざ」という言葉を目上の人に使うことが失礼に当たる、という意見があるのでしょうか?
それは、「業々」には労をねぎらう、という考えがあるからです。

労をねぎらうって、ちょっと上から目線だと思いませんか?
「ご苦労様」も、上から目線ですよね。

一般に、「お疲れ様です」は同僚や目上の人に使いますけど、目上の人には「ご苦労様」とは言いません。

意味は同じなんですけど、日本人にとって労をねぎらうのは目上の人にはしない、という認識があります。

それで、「わざわざ」という言葉を、目上の人にするのはちょっと違和感を感じる人もいるようです。

それで、もし、目上の人が何か自分に対して特別な配慮を払って行ってくれたことや、特にそのことだけのために行ってくれたことに対しては、「わざわざ〜してくださって」よりも、具体的な言葉を使って言い換えたほうが、上から目線と捉えられなくていいのかもしれませんね。

これは、自分に関して使うときも一緒です。