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態々とはどういう意味?難しい言葉の...(続き6)

自分に関して「わざわざ〜したのに」とか「〜について、わざわざ〜」というような言い方をすると、それは何かを相手にしてやった!という印象を与えます。

それも上から目線ですよね。

してやった感を目上の人には普通出さないでしょう。

それで、自分の行動についても「わざわざ」とう言い方をすると、それはちょっとイヤミっぽかったり、労を押し付けがましくアピールしているような印象を受けたり、上から目線で喋っているイメージを与えることがありますので、気をつけたほうがいいでしょう。

余計なことをしたと思われる場合がある

さらに、「わざわざ」には「しなくてもいいことをする」という意味があるので、難しいんですよね。

先程の「わざわざ」を使った表現の例をいくつかご紹介したときにも触れていますけど、「ありがとう」という言葉でも「わざわざ」がつくと、それは余計なことをしてくれた、とか、迷惑しているんですけど、といった意味が含まれているのではないか?と考えてしまいます。

「しなくてもいいことを、してくれちゃって・・・」というイヤミっぽい言い方に聞こえる場合もあるわけです。

それで、もし何かいただきものをした時に「わざわざありがとうございます」というと、「持ってこなかったほうが良かったのかな?迷惑だったのかな?」と心配になってしまう人もいるようです。

まあ、多くの場合には、「普通ならそこまでしなくても良かったんだけど、こちらのことをよく考えて持ってきてくれてありがたいです」というような気持ちで「わざわざありがとう」って言うと思いますし、そのような意味合いで「わざわざ」を受け止めることができるわけですけど、それでもやっぱり、受け取る人が違えば、「わざわざ」は誤解を招きやすい言葉ではあるわけです。

じぶんのためにしてくれたことへの、へりくだった気持ちから「わざわざ」ということもあれば、余計なことをしてくれたという気持ちからの「わざわざ」もあるわけだから、すごく難しい表現ですよね。

もし、自分としてはその気がなくても、相手はその「わざわざ」という表現から、あなたにイヤミを言われたと勘違いしたり、目上の人からしたら上から目線で言われた、という印象を受けることもあるわけなので、誤解を招きそうな場合にはあまり使わない方がいいのかもしれませんね。

わざわざを言い換えて使う方が無難

というわけで、目上の人には失礼に当たることもあったり、感謝や自分のためにしてくれあことへの申し訳なかったという気持ちから「わざわざ〜」と言ったつもりが、それがイヤミや迷惑に思っている、といように捉えられることもある、ということから、誤解を招きそうな場合には、「わざわざ」と言いたいところを言い換えて別の表現に置き換えたほうが良さそうですね。

では、どんなふうに置き換えて表現することができるでしょうか?

お足元の悪い中お越しいただき…

例えば、もし葬儀の日の挨拶などで、参列者に対して来てくれたことへの感謝の気持ちを伝えたい、としましょう。

それも、その日はちょうど雨だったり、冬場で来ることに多少なりとも努力が必要だったとします。

それでも、参列してくださったことへの感謝の気持ちを伝えたいわけです。

「今日はわざわざお越しいただき・・・」ということももちろんできます。

でも、「わざわざ」という言葉が、上から目線とかしなくてもいいことをするなどと言ったニュアンスがあることを考えると、それを聞いた人たちの中にはなんだか違和感を感じたり、心地よくない響きに感じることもあるようです。

それで、「わざわざ」ではなく、「今日はお足元の悪い中お越しいただき・・・」と言い換えることもできるでしょう。

それなら、相手が払ってくれた労力への認識や感謝の気持ちを上手に伝えることができるのではないでしょうか?

遠方までお越しいただき…

これは、結婚式のスピーチのときにお同じですね。

新郎がスピーチでよく使っているのを耳にしますけど「今日はわたしたち2人のためにわざわざお越しいただき・・・」って言っていることがあります。

まあ、それでも間違いではないですけど、それよりも「今日はわたしたち2人のために遠方までお越しいただき・・・」のほうが、相手への敬意が伝わるかもしれませんね。

同じ意味を伝えたいとしても、言葉の選択でかなり受け取る側の印象が変わることってありますよね。

特に、今回の「わざわざ」には、故意に行うとか、しなくてもいいことをする、と言ったちょっとマイナスなイメージの意味も持ちあわあせている言葉です。

なので、受け取るほうの人が「わざわざ」にマイナスのイメージを強く持っていると、こちらはそんな意味で言ったわけではないのに誤解される可能性も高くなります。

さらに、労をねぎらうということで、どうしても上から目線の言葉に聞こえてしまうという人もいるようです。

なので、公の場とか、目上の人に対しては「わざわざ」ではなく、「遠方まで」というように、具体的な労力を認めていることを表現したほうが良さそうですね。

自分の行動に使うのもタブー

そして、最後に先程も少し触れていますけど、自分の行動に対して使うのもやめときましょう。

自分の行動に使っちゃうと、なんだか自分が払った労を押し付けがましい人みたいに聞こえちゃうからです。

態々よりも業々の方が好印象

そして、「わざわざ」と漢字にするときには、「態々」よりも「業々」のほうが好印象です。

「業々」なら、余計なことをしているという印象ではなく、払ってくれた労をねぎらうという意味だけだからです。