アンデルセン童話、グリム童話、イソップ童話、日本昔話など、私達が知っているあのお話も童話です。
童話は絵本と違い、子どもの為のおとぎ話。
現実にはあり得ないような物を物語として読み聞かせることで、挿絵と共に子供の想像力や感情を揺さぶるものが多いですよね。
小さい頃は読んで聞かせる童話も多いのですが、小学校中学年位になってからは、一人でも読み進められる童話集も数多く発売されていて、読書としても大変人気のあるものが多いです。
今回は多くの童話の中から、定番のものや無名に近いものまで、いろいろ取り揃えてご紹介します。
定番の童話から無名まで!童話一覧
さぁ、あなたが思い浮かべられる童話はいくつあるでしょうか?タイトルだけは覚えているけれど、内容はどんなものだったか忘れてしまっているものもあるかもしれませんね。
人気のある童話はアニメ化されたり、映画化されたり、いろいろなモチーフとしてもクリエイター達の参考となる素晴らしいものが多く存在します。
また、原作に創作を加えたものや、その後の続編として綴られたものも書かれていて、作家達もその童話に魅力を感じていると言えるでしょう。
そんな童話の人気は一体誰によって生み出され、どのような原作者の想いや世界が広がっているのかなど感じ取ってみて下さい。
定番の童話
まずは、誰もが一度は聞いたり、見たり、読んだりした事のある有名な作品についてご紹介していきます。
筆者の実家にはたくさんの童話がシリーズで本棚に並んでいます。
A4サイズよりも縦横が大きいサイズでハードタイプの表紙の童話です。
おそらく20冊くらいのセット物ですね。
小さい頃は1冊の童話本が重くて重くて、それでもワクワクしながら読み進めていました。
童話全巻を読破したのは兄弟の仲でも私だけですが、何度も読み返した本にはいろいろな想い出も刻まれています。
ジュースを飲みながら読んでこぼしてしまってシミになっている本。
感じが読めなくて母に聞いて読み仮名を振ってある本など。
母はおもちゃは買ってくれませんでしたが、本だけは何冊も買ってくれました。
今、大切に本棚にしまってある本は甥っ子姪っ子はもちろん、我が子も図書館から本を借りるような感覚で読んでくれているのを見ると、いろんな意味で本は財産になるんだなぁ…と感じたりするのです。
そして思い返すと…あの分厚さの中に1つの物語が入っていた。
絵本などとは違ったもっともっと深い童話の内容が詰められているんです。
定番の童話といっても侮ってはいけません!すごく細かくて深い物語が、あなたを童話の不思議な世界へ誘います。
シンデレラ
日本でも2015年に公開され実写化されたシンデレラは、世界的に有名な童話の一つであり、主人公の名前としても有名ですね。
(そういえば、主人公の名前がタイトルの童話は数多くありますね!)このシンデレラ、日本ではグリム兄弟やシャルル・ペローによって書かれたものが浸透していますが、古い歴史を振り返ると広い地域で広まっていた民話のようで、様々なタイトルの類話が存在しています。
・イタリアの詩人、ジャンバッティスタ・バジーレによる民話集ペンタメローネ(五日物語)に収録されている「チェネレントラ」
・日本の「落窪物語」
・中国にも楊貴妃がモデルと言われる「掃灰娘」
・中国民話に基づいていると思われる唐代の小説「葉限」
シンデレラの類話という事なので、どこがどんな風に同じで違うのか気になりませんか?
大人になった今、是非手に取って読み返してみたい歴史ある童話です。
ちなみに各国、シンデレラの語源になる言葉の意味は「燃え殻」「灰」という意味を持っていて、日本では『灰かぶり姫』というのだそう。
灰だらけになったシンデレラを見て馬鹿にする叔母の不敵な笑みが頭に蘇ってきてしまいます。
ヘンゼルとグレーテル
とてつもなく寂しく悲しい、そして甘くて幸せな、かと思うと冷酷かつ残虐的な場面もついた童話です。
みなさんの印象深いこの童話のシーンはどこですか?筆者はやっぱり、夢のようなお菓子の家♡今でもあったら行って食べてみたい位好きな童話です。
この童話は、中世ヨーロッパの大飢饉という本当にあった歴史の記憶を伝え、悲劇を繰り返さない為の記憶の手引きという見方もあるそうです。
ヘンゼルとグレーテルは、長く続いた飢饉で困った親が子捨てをするお話。
怖いポイントはたくさん!
・継母(実母という説もある)の中には子を捨てようと思わせる『鬼』がいた
・未来ある子よりも自分たちの命を優先させる判断
・一度戻ってきたのに、次は戻れないような場所への放置
・魔女がヘンゼル(兄)を太らせてから食べる計画
・ヘンゼルを太らせるための食事を妹のグレーテルに作らせる非道さ
・最後に魔女をかまどで焼き殺すシーン
最初から最後までハラハラドキドキして読んだ記憶が蘇ります。
子供の頃にこの本の読んで、怖いと思った感覚は忘れられないでしょうね。
筆者はこれを読んで一番怖いのはおばけじゃなく人間だ…と衝撃を受けました。
お子様の夏休みの空いた時間にでも読ませてあげたら涼しくなるかも!?
ブレーメンの音楽隊
ブレーメンの音楽隊はグリム童話の物語の1つ。
幼稚園や保育園などでも親しまれ、演劇などでも童話を楽しんだ事のある方がいるのではないでしょうか。
人間に捨てられ、または食料にされようとしていた動物達たちが、新しい生活を夢見てブレーメンへ向かうストーリ一。
その中から、小さな子供でも理解できる大切な事を教えてくれる童話です。
・動物をいじめてはいけない
・命を大切にする
・役目の終わった人などいない
・悪い事した人は罰が当たる
・弱い立場でも仲間がいれば乗り越えられる
今の日本でも、現実似たような状況は各地で起こっています。
ペットを捨てるという事についてもそうですが、野生の動物達の居場所を奪ったり、安易に観光名物にしようと動物を引き寄せたりして被害に合う事も、元を正せば人間が原因だったりします。
人間は強いから、優しくならなきゃいけないのだと教えられる一冊です。
白雪姫
雪のように白い肌、血のように赤い頬や唇、漆黒の髪を持って産まれ、その美貌を義母(実日の説もあり)という存在によって嫉妬され、殺害計画を企てられるお話です。
物語は童話と言う事もあって、絵本的なもので描かれているものはまだその恐ろしさもやんわり描かれているものが多いです。
2度に渡った殺害計画は小人達に助けられて失敗。
3度目に毒林檎で計画は成功。
と見せかけて、白雪姫の棺を王子が運ぶ際につまずいた時に喉に詰まっていた毒林檎が取れて息を吹き返します。
終盤の終わり方や細かい内容には諸説あって気になる所ですが、おとぎ話ですので優しい白雪姫が生き返って王子様と幸せに暮らしましたとさ♡で良しとしましょう。
でも、白雪姫を始めとする有名な童話の数々には、ホラーというかサスペンスというか、人の憎悪や嫉妬を浮彫にするところにスポットを当てて書かれている『本当は怖いお話だった…』という深堀りされた本も結構出ています。
あの幸せなハッピーエンドがどうなってしまうのか!違った意味でドキドキしながら読んでみるのもおすすめです。
ラプンツェル
ディズニー50作目の記念作品でもある“塔の上のラプンツェル”の原作でもありますが、実は原作のグリム童話の内容とは随分と異なるストーリーで映画は描かれています。
それも納得の理由が満載なんです。
ちなみにラプンツェルは植物の名前なんですよ!内容の要約はこうです。
・妊娠時の食欲と我が子を引き換えに、魔法使いの庭にあったラプンツェルを食べた母親
・生後すぐに魔法使いに引き渡された子の名前はラプンツェル
・森の中で王子は美しいラプンツェルの歌声に魅了され出会う
・魔法使いのいない隙をみて逢瀬を重ね、頻繁に愛し合う。
そして妊娠。
・魔法使いに見つかりラプンツェルの髪を切られ、荒野へ追いやられる。
・何も知らない王子は絶望し、塔から身を投げて失明する。
・7年後、盲目で森をさまよう王子と男女の双子を産んだラプンツェルは再会。
嬉し泣きするラプンツェルの涙が王子の目に落ち、王子は視力を回復する。
・王子はラプンツェルと子供たちを伴って国に帰り、皆で幸せに暮らす。
愛し合う二人の絆を描いた童話ですが、原作は激しい性交の様子があるようです。
子供達にも「実はこういうお話なんだよ」と語れる内容じゃないかな(照)
でもディズニーのラプンツェルは筆者も大ファンです!!
3匹の子ブタ
童話は残虐だったりする部分などを大幅にカットして現代に伝えられているものが多いですが、これもちょっと残念なところだと筆者は感じたりもします。
3匹の子ブタは比較的原作に近いのですが、1番目のお兄さん豚と2番目のお兄さん豚はオオカミに食べられてしまうのが原作です。
そして3番目の豚はオオカミを食べてしまいます。
この童話で教えられる事は3つ。
・ものを作る時は、早さではなく時間や手間をかけた方が、安全で強固なものが出来役立つという事。
・もの限らず、よく考え行動する人は最後に大きな成功を掴める
・悪い事をすると罰が必ずある
という事でしょうか。
何故か筆者は子供達に「早くしなさい!」と言うのを改めなければならないな…と感じました。
人魚姫
アンデルセンの不朽の名作『人魚姫』の童話は、叶わぬ恋に純粋でひたむきな想いを命に代えても貫き通した、切ない恋の物語。
アンデルセン自身の失恋を繰り返しながら一生独身で過ごした、切ない想いを投影しているとも言われています。
自分が小さかった頃は、よく理解できていなかったこの童話も、いい年齢を重ねいくつも恋をして過ごしてきた過去を持つ人なら『人魚姫』の気持ちが理解できるのかもしれません。
筆者はこんなに真っすぐな愛は、自分の子供にしか持てないかもしれません。
みなさんには命に代えてでも幸せになって欲しい人いますか?
オオカミと七匹の子ヤギ
この童話は限りなく原作に近い描写で現代に伝えられているグリム童話の1つです。
小さな子供にも、留守番の時の対応の仕方をちゃんと伝えられる童話ですよね。
知らない人が来てもドアを開けてはいけない!という、幼少期の防犯意識のスタートにぴったりです。
私が小さい頃に呼んでいた童話には、それはそれはグロテスクな挿絵が入っていました。
お母さんがオオカミのお腹を切る場面のその挿絵は、強烈だったけど子供達を助けようとするお母さんの愛も感じていましたね。
私が食べられたら、お母さんは助けてくれるかなぁ…なんて考えながら。
そして、手術も寝ていればお腹を切られても痛くないんだ!と勘違いもしていました。
いろいろ考えると、童話や絵本の内容の伝え方って難しいのかもしれません。
でも、誰に教わる事もなくそんな訳ないって事も学ぶんですけどね。
赤ずきんちゃん
女の子向けの防犯意識対策として是非活用して欲しい童話です。
お母さんに「寄り道をしないで」と言われる赤ずきんちゃん。
お母さんの言いつけを守らなかった為に、オオカミに騙されてしまうお話です。
深層心理的な解釈によれば諸説あるらしいのですが、要するに女の子の一人歩きには危険がつきものですよ!という警告の意味合いがあるそう。
赤いずきんを月のものとして思春期に入る頃の女児を指すと唱えたりする事もあるそう。
どちらにせよ、童話の中から大切な注意事項を教えるために一役も二役も活躍してくれる童話です。
アラジンと魔法のランプ
ディズニーの「アラジン」を思い浮かべる方、正解です!アラジンと魔法のランプをモチーフに作られた映画ですね。
魔法とか魔女とか童話には多く出てきますが、昔は本気で信じていました。
いや、出会ってみたかったんです。
こんな世界があったらいいな~、自分もこんな風に勇敢になってみたい、など物語に入り込んで主人公になったつもりで読み込める童話です。
そんな内容の童話って素敵ですよね♪
アリとキリギリス
先を見越して働くアリと、その場限りの楽しさを謳歌するキリギリスを主人公に、将来の危機への備えを怠ると訪れる悩みや不安が出来る事を教えてくれる童話。
本当に子供達にもう一度読んで欲しい童話ですね。
原作ではアリとセミだったそう。
違う一説によれば、アリのように夏にせこせことためこんでいる者というのは、餓死寸前の困窮者にさえ助けの手を差し伸べないほど冷酷で独善的なケチが多い。
という話もあるみたいです。
(少し納得)
一休さん
室町時代の臨済宗の実在した僧侶『一休宗純』で、アニメで楽しんだお母さん達世代も多いのではないでしょうか。
あらゆる頓知で難題を解決する一休さん。
頭に両手の人差し指をクルクルして、木魚の音と一緒に考えるあの仕草を真似せずにはいられませんでした。
実在した人の話が童話?という疑問が浮かびますが、いろんな説話が挿入されていて史実とは言い難いのだそう。
有名な説話だと“屏風の虎退治”や“このはし渡るべからず”があるが、この歳になって考えてみるとただの屁理屈にも思えなくもないですね…(笑)それでも、あんな切り返しが出来る一休さんに憧れた時期がありました。
なるほど~!の多い童話です。
ウサギとカメ
日本では明治時代に教科書にも採録された童話で、国語の教科書には「油断大敵」というタイトルで掲載されていました。
・自身を過信して思い上がり油断をすれば、出来る事も逃してしまう
・力不足で人より進むペースが遅くても、コツコツと真っ直ぐ努力する事で最終的に大きな成果を得られる
といった教訓がある童話です。
どんな童話も大人になっても染み入るものがありますね。
鶴の恩返し
助けてもらった恩を返す為に、差し出せるものがないツルが自分の身を削って布を織る物語。
古くからの日本人の奥ゆかしい健気な気質がある作品です。
一説にはおじいさんではなく、若者が助けたというものもあり「鶴女房」としても知られています。
子供達にも生き物にも命がある事、感謝の気持ちを忘れない事を教えてあげられます。
浦島太郎
これは本当にSFチックです!日本のおとぎ話ですが、本当に不思議な事だらけで面白いです。
考えれば考えるほどナゾは多いんですよね。
・浦島太郎は海で呼吸が出来る
・竜宮城にたくさんの人
・竜宮城には四季がある
・海から上がると多くの時が経っていた
・玉手箱から煙
・玉手箱の煙で老化
昔は、いいなぁ~竜宮城に行ってみたい♪と子供ながらに憧れたものですが、今考えると怖いです(笑)このあらすじを持って、浦島太郎の続編やリメイクのようなお話も良く見かけます。
大人になったらそっちの話も興味が湧いてきちゃいます。
桃太郎
岡山県やゆかりある地域が桃太郎サミットや日本桃太郎会連などを作るほど、日本の代表的な童話ですね。
今や有名な清涼飲料水のCMにも起用され、あまりのカッコ良さに惚れ惚れするばかりです。
おとぎ話と分かっていながら、なぜか本当にあった話のような感覚がどこかに残る桃太郎ですが、そう思うのは筆者だけでしょうか。
桃太郎の『桃から』話には諸説あって複雑なのですが、これだけの人気となれば有力説として挙げてもらうだけでもご利益がありそうです。
納得出来るのは、鬼や一緒に戦う動物たちの関係性。
風水では丑と寅の間の方角が「鬼門」とされていることから、鬼には牛の角のようなもの・虎の腰巻きというルックスになっているという解釈がある事。
また、桃太郎は「鬼門」の鬼に対し、「裏鬼門」に位置する十二支の動物(申(サル)、酉(トリ=キジ)、戌(イヌ))を率いた、という解釈がある事ですね。
一寸法師
わずか一寸(3cm)の一寸法師が武士になる為に京を目指し、お椀の船に乗って旅をする夢のような可愛い童話。
箸を船のオールにして針を刀の代わり使いこなす一寸法師は、小さいながらも鬼の腹の内から攻撃を加えて退治し、京で世話になっている所の娘を助ける。
鬼の残した打ち出の小槌で自分の身体を大きくした他、金銀財宝をも打ち出して末代まで栄えたという夢のような童話。
小さな体で旅をするその様が子供達にも『自分にも何でも出来るんだ!』と勇気を与えてくれそうです。
打ち出の小槌が欲しくなっちゃいますね。
かぐや姫
光り輝く三寸の竹の中から現れたかぐや姫はわずか3ヶ月で成長し、見たこともない美しさでたくさんの男性を虜にしました。
昼夜を問わずかぐや姫を見に来る人々が、垣根に顔を入れてまでも覗く姿から『垣間見る』という言葉も出来たのだそう。
優しかった翁も、かぐや姫に会わせてくれれば官位をやると言われ、欲に目がくらんでしまいかぐや姫の気落ちに気が付くことがない。
悲しみながらかぐや姫は月に帰ってゆく。
という内容の童話です。
人は欲によって変わってしまう悲しいもので、慣れないものを多く手にすると大切なことまで忘れてしまうという事を教えてくれます。
月からのお迎えは宇宙人?という見解もあったりして深堀すると尚楽しめそうな童話です。
花咲じいさん
優しい老夫婦と意地悪な老夫婦に起こる事の差を描いた童話で、子供達にも善悪の判断をさせ『良い事には良い事が、悪い事には悪い事がそのまま返ってくる』と言う事を教えてくれます。
意地悪なおじいさんが燃やしてしまった優しいおじいさんの臼の灰。
風で飛ばされ木々に降りかかったら花が咲き、優しいおじいさんはたくさん灰をまいたら巻いて喜びます。
意地悪なおじいさんはその灰を奪って、俺も俺も!とまいたら通りすがりの殿様の目に灰が入って、散々お仕置きをされるそう。
無名の童話
次はあまりメジャーではない童話をご紹介しましょう。
実に多くの童話があるのを知って、筆者も読むのが今から楽しみなものばかりです。
大人はもとより、知らない子供達も多いかもしれません。
親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。
定番の童話より無名の童話だったらプレゼントなどにも喜ばれますよ。
白いりゅう黒いりゅう
中国の少数民族が語り伝えた物語を中心に構成されています。
雄大なストーリーとその変化にワクワクが止まらない一冊。
西欧の童話とは違った中国ならではの趣きのある楽しさが詰め込まれています。
言い回しが古かったり、難しい言葉が出てくることが多いので、読み聞かせする際にはお母さんの言葉の言い直しなどを現代風に置き換える事が必要かもしれませんね。
展開も冒険やホラーっぽい感じなど、声にも変化をつければ子供達に大人気の童話になるでしょう。
話が長めなので『続きはまた明日』で読んでいくのもおすすめです。
トンボソのおひめさま
ずる賢いトンボソのお姫さまに何度も騙されるジャック。
最後ジャックがあくどい姫から取られた宝を奪い返し仕返しする場面がなんとも痛快です。
恵まれた境遇にない王子や男が最後にはお姫様と結婚して財産を手にするような、どこにでもある話と思いきや、そこに至るまでの話がなんとも言えない面白さ!最後には大変な目にあったりするので、本当に最後まで楽しく読める1冊です。
子どもが童話の楽しさを知る、最良の1冊だと思います!
カナリア王子
塔に閉じ込められていたお姫さまは、森の向こうを歩いていた王子さまと恋仲になります。
でも、高い塔に閉じ込められていては間近で会い会話する事も出来ないのです。
魔法使いが不思議な本を貸しますが、それは、始めから終りに向かってめくると人が鳥になり、逆にめくると鳥が人になるという本。
これで2人は会えるようになったのですが…とびっきり不思議で、そして恐ろしくも美しい物語です。
魔法!魔法!魔法!
英国のファンタジーの女王として名高い、映画「ハウルの動く城」原作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズが描く短編童話。
子供達の大好きな魔法がたくさん詰まった一冊になっていて、きっと読み進めれば大きくなっても捨てられない大切な一冊になる事間違いなし!の一冊です。
氷の花束
作中に出てくる“氷の花束”“桜の花びらで作ったウエディングドレス”は読む人の想像力を掻き立てて、あまりの美しさに目を閉じながらうっとりしてしまいそうな程。
アリソン・アトリーという作家さんの作品ですが、彼女の空間描写の細かさに入り込んでいけるようなものが多いんです。
目で読む事はもちろん、香りや音など五感全てで実際に感じ取れるような気持ちにさせてくれる素敵な童話です。
風の妖精たち
妖精が好きの女の子におすすめの素敵な童話です。
主人公リュシラの健気さ、妖精たちの誠実さがや、リュシラが約束を守れるのかハラハラしたり、池と木の一途な愛情が胸を締め付けられたりと、読み終わる頃には虜になってしまいます。
全体的にエレガントです。
いい童話を読んだなぁ~ときっと思えますよ。
くるみ割りとネズミの王さま
バレエ「くるみ割り人形」の原作としても知られている作品です。
現実なのか夢なのか境界が曖昧なので、小さすぎる子供には向かないかもしれません。
大人になってから読みたい絵本の1つとも言えますね。
長い長いお医者さんの話
お医者さんは魔法使いという設定の童話です。
それだけで内容が気になってしまいますよね!お医者さんは良くも悪くもない普通のおじさんです。
チェコの本なので、いろいろな名称を読むのに舌が回らない事もあったりします。
最初から最後まで賑やかで、騒々しくて、大袈裟で、愉快で楽しいですよ!小学校中学年位からが対象ですが、大人が読んでも楽しくなっちゃう1冊です!
むくどりの夢
もういないお母さんを待つ椋鳥の子と、何も言わないけど子に寄り添うお父さん。
ひたむきに願い続けた末に見えた大好きなひとの姿は夢?大切な人のために、できるだけ永く側にいられるように頑張ろうと思える、涙なしには読めない童話です。
子供にも何かグッとくるものがあるかもしれませんね。
読んでいる大人の心に刺さる愛の溢れる童話です。
雪白と薔薇紅
貧しい家の母と姉妹で暮らす家には2本のバラの木があり、二人の娘はそれぞれ”しらゆき”と”べにばら”と名付けられました。
ある夜、大きな熊がやってきて「寒いから暖まりたい」といい、姉妹と熊は仲良くなります。
春になって熊は、森にある宝物を邪悪な小人から守るために、ここを離れなくてはならないと姉妹に告げます。
それから少しして、姉妹が薬草を採りに行ったり魚を釣りに出かけたりする先で、幾度も困った様子の小人に出会い助けるのですが、毎回悪態をつき…
姉妹と熊と小人がどんな関係なのかは、最後の最後に楽しめるお話です。
熊と仲良くなったり話せたりというのも童話の魅力ですよね。
小人とのやりとりがおもしろい一冊です。
まほうの馬
ロシアの民話として親しまれている童話です。
三男は『イワンの馬鹿』と呼ばれる若者。
長男、次男が馬鹿にしてもなんのその。
自分で手に入れた魔法の馬を使いこなし、立派な若者に変身するシーンはなんとも面白い!何でもありのストーリーに笑ってしまう箇所もあって、思い切りのいいストーリーに感服します。
世界中で読まれている童話
こうして見てみると、童話は世界中の民話やおとぎ話も含め、子供達から大人まで幅広く強いメッセージや教訓を教えてくれるものなのが分かります。
子供達の広い感受性を利用して大切な事を考えさせ伝えられる、古くから大切にされてきた読み物なのですね。
子どもの頃、親に読んで貰ってこともあるのでは?
みなさんもこの中に挙げられた童話の中に、親に読み聞かせしてもらったものがいくつもあったのではないでしょうか。
そして、私達もまた子供達に読み聞かせ受け継いで行かれる素晴らしい童話の数々。
本屋さんではいくらか安い絵本コーナーでお手軽に購入出来るものもありますが、本来ならこんなにも名作と謳われる童話に対する対価じゃないなと思うほどです。
子供達は何度も「読んでほしい」「もう一回」とせがむのが、何より価値あるものだと教えてくれているのではないでしょうか。
子どもが産まれれば読んであげたい
自分の子どもが産まれたら、童話をたくさん読んであげて下さい。
そして、子供達の心や気持ちを育ててあげましょう。
子供は時に、童話に出てくる悪い役のオオカミや鬼にまでも慈悲深い心を持つことがあります。
そんな時、親になった自分も考えさせられ学ぶことが多いはず。
また、童話に自分を重ねて楽しむのもいいですね。
「◯◯くんが主人公だったらどうする?」などと問いかけてあげたりしながら、親子のスキンシップや会話を楽しんで下さい。
子どもだけでなく大人にも読んで欲しい童話
多くの童話をご紹介してきましたが、みなさんも知らない絵本もあったのではないでしょうか。
日々の忙しさで心が疲れたり、自分が嫌になってしまったり、そんな時には現実から逃避する訳にはいきませんので童話の中へ迷い込んでみてはいかがでしょう。
単純明快な愛や優しさ、厳しさを描きながら、多くの主人公が困難を乗り越えていくストーリーもたくさんあります。
きっと大人になった今でも、私達に教えてくれるものがあるはず。
また、大人の童話集として出版されているものも本屋さんでは良く見かけます。
新しい視点で描かれた童話を楽しむのもおすすめですよ♪