しかしこの判断力は、一朝一夕に身につくものではありません。
大切な場面で最適な選択をするには普段から敏感にアンテナを立てて周りの意図を汲み取ったり、判断の善し悪しを見極めるなど、自分から積極的に励んでいなければいけません。
思いやりがある
同調することは、人それぞれの個性を大切にして尊重している証拠です。
自分の意見や願望などを述べる時、誰もが自信満々に発言している訳ではありませんよね。
きっと勇気を振り絞って発言をしている人や相手からの反応を気にしている人もいるはずです。
そんな人に対して、真っ向から意見を否定したりするのは良くありません。
気のない行動が人の自信や期待を奪い、やる気を損なってしまいかねません。
そうならないためにも、人の気持ちを思いやる気持ちが大切になります。
否定的な態度の人より、同調してくれる人の方が話しやすいですよね。
「自分の話をいつも真剣に聞いてくれる」「この人なら自分をバカにしたりしない」という相手であれば本心を打ち明けられます。
それに、そういう相手からのアドバイスや意見であればすんなり受け入れることができるようになります。
同調する人のメリットとは?
同調することは、人付き合いを円滑に進めたり、場を丸く収めたりするだけでなく、他にもメリットとなることが幾つかあります。
同調を上手く利用し、その方法が成功している人であれば、自然とついてくるはずです。
好印象を持たれる
上手く同調できる人は、周りを良く見ていて気遣いが行き届いている人だと言えます。
自分を優先するのではなく、人のことを考えた行動ができる人は、とても謙虚で思いやりがあると感じられるため、とても好印象です。
他の人の気持ちを汲み取る優しさだけでなく、その場を納得させる対応力や会話力に長けているということでしょう。
こういう人は周りからも大切にされます。
人から同調してもらうことで、相手としても安心感や満足感を得られるでしょう。
しかし決して押し売りのような優しさや「やってやった」「自分のおかげで」と言うような態度では決していけません。
こうした見返りを求めるような同調は、逆に反感を買ってしまいますので要注意です。
コントロールしやすくなる
同調という手段で、相手を不快にせず説得したり、ことをスムーズに運ぶことは、非常にハイスキルな能力です。
頭の回転が良く、その場その場での察知能力や判断力が伴わなければ上手く同調することはできません。
こうした器用な人は、併せ持つ様々な能力を駆使して、場の流れや人の考えを巧みにコントロールすることも可能です。
まず、同調することで相手は自分の意見に同調してくれる人に対して好印象を抱き、さらに上手く行けば信頼できる人として認識します。
こうした状況を作り出すことができれば、そこからは話術やコミュニケーションによってその場面を上手くコントロールして、自分の考えるプランや方向性へと誘導していけば良いのです。
人から勝ち得た信頼感は、何よりも強い武器となります。
自分の意見に耳を傾けてもらうこと、言葉をきちんと聞き入れてもらうこと、「この人が言うならば」と思わせること。
これらは全て信頼感の上に成り立つものです。
まず討論の土俵に立とうと思ったら、人の心を掌握するコミュニケーション能力や同調力を学ぶことが重要になります。
他者からの評価が高くなる
同調することで上手く立ち回ることができる人は「仕事ができる」「信頼がおける」「気が遣える」など、優れた部分が沢山見られるので評価も自ずと高くなります。
同調し、周囲をまとめていく統率力は、人の上に立つリーダーに必要な素質でもあります。
本当の意味で人から評価を集める人は、ただ仕事で結果を出すだけでなく人望があってこそです。
周りから評価される人になりたいのであれば、人の立場や権力をとわずいろいろな人の意見を聞ける人物になるべきです。
そのうえで自分に求められていること、他人が求めていること、そして自分に求めること、他人に求めることを上手く調整して駆け引きをすることが重要になるのです。
周りとうまく関係を築き、堅実に励んでいれば自然と評価はついてきます。