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雪女について、今さら聞けない基礎知...(続き7)

あの物悲しい逸話に潜んでいるものが私たちのルーツなのです。

ただ、潜んでいるものが物悲しいから、運命や存在が物悲しいとは限らないのではないでしょうか?潜在的に持つ悲しみや寂しさを抱える民族だからこそ幸せになれるということもいえるのではないかとおもうのです。

まとめ

人間が誰しも持っている心の闇や光、真理というものは「おはなし」としてでないと人は触れられないものなのなのではないでしょうか。

妖怪伝説だけではなく「おはなし」というものの存在はそういうものだと思います。

伝わっている物語は微妙な違いがありますが、凍りつくような冷たい心の女性が男性の精を吸いつくし死に至らしめるというのは、本当に殺すのではなく男性としての機能を封鎖したり、関係を断つこと、復讐をして再起不能にさせるなどの象徴として「死」と表現しているのです。

親切にされた後、解けてしまっていなくなるようなお話も存在するのは、氷のような心を解かすのは愛しかないという象徴でもありますね。

雪女が訪ねる相手は、子どものいない老夫婦や、独身男性です。

怖ろしく暗い雪の夜、吹雪の夜にどこか寂しい人間のもとに待ちに待った存在がやってきたという設定です。

一緒に暮らせるという幸せ、待ちに待ったものは幻想だった、雪のように儚く消えゆくものだということをいいたいのでしょうか。