ですが、座学であれば基本的に実践の場ではなく座って学ぶ形ですので、人によって行動にばらつきが出ません。
自分で勝手に動くタイプの新人であれば逐一その新人の行動を見張って違う行動をしようとしていたら止めなくてはいけません。
一人や二人くらいだったら何とかなっても、新人の数が多いともなると彼ら全員に目を配るのは容易ではありません。
最近は企業も不景気で人員を割く傾向にあります。
ですので少ない人材で企業を回していく形になるので新人研修にそこまでの人員を割くことはできません。
ですので、少ない人材で多くの新人を管理する側となれば、座学に軍配が上がります。
実施コストが低い
座学の場合はそこまで実施コストが高くないことから、経費を抑えたい企業としても大きなメリットがあります。
企業の規模にもよりますが、一室多くの人の机といすを置くことができるスペースに、ホワイトボード(もしくは黒板)などがあれば良いのでもしかしたらそのような会議室を借りることなくできることもあります。
それに仮に借りるとしてもそこまでの大きな費用は掛かりません。
もし9時から17時まで借りるとすると72㎡で約12万円くらいです。
どれくらいの頻度で研修を行うかにもよりますが、一年に一回くらいだったらそこまで驚くような価格ではありません。
また、頻繁に研修があるという事でしたら、会社内の一室を研修ルームにすることも可能ですので、そのような経費をかけることなく研修の場にすることができます。
ですので、ひとまず基礎知識を詰めるという意味合いでは、コストも低く人員も最低限でいいことからコストパフォーマンスは優れているのです。
継続した育成が可能
人員もそこまで必要ではなくともすれば研修室もレンタルをしてもそこまで驚くほどに高い費用が掛からないことから育成も継続しやすいところがあります。
著者の場合もよく管理職の研修に出向きますが、やはり数か月に一回単位であります。
このように継続して行う事も容易であることから座学は非常に役立っています。
妻の前勤めていた会社においても数か月に一回単位で営業の人の研修があったようです。
しかも機械においては新しい方が出たりもしますのでその商品知識も必要ですし、それに関して不具合があった時にどうやって修理するかについても事前に知っておかないといけないことがあります。
ですので、このようなことに関しても継続した研修が必要ですので、営業の人においても数か月に一回単位の座学があったようですよ。
デメリット
こうやって聞くと「座学ってメリットが多くていいね!」と思ってしまいますが、やはりデメリットもあります。
座学と実技を合わせてこそ効果が出る物だと、著者も経験上思います。
では、座学のデメリットを見ていきましょう。
受動型にさせがち
基本的に座って学ぶという形ですので、話を一方的に聞くことになります。
ですので、自分から進んで何かをするわけではないので受動型になりやすいところがあります。
座学においてもよく「質問はありませんか?」と聞かれる場面もありますが、その中で手を挙げて発言できる人はそんなにはいないのではないでしょうか。
やはり「こんな質問をして皆に笑われたらどうしよう?」という気持ちにもなります。
(確かに、実際に質問に対して周りがどっと笑う場面もあります。)
必死に勉強をするタイプの方でしたらまだしも、居眠りをする人も出てきますし、必死に勉強をしているようでも実践の場に出たら頭が真っ白になって座学で学んだことが何も思い出せない人もよく見ます。
ですので、やはり経験するという事は大切なのだと思います。
最近は、受動型にさせないような参加型の座学を提案しているところもあるようですね。
もしかしたらそちらのほうが主流になる日も来るかもしれません。
著者もいろいろな講習に行きますが、座学の時も定期的に教える側から質問をされてそれにこたえるような形式の参加型のものも結構あります。
飽きる
やはり我々人間の集中力といってもたかが知れています。
一般の人で90分とは言われていますが、15分ごとに集中力の波があると言われています。
ですので、集中力が途切れたりまた集中したりを繰り返すのです。
ただ、こちらは若い成人の方に当てはまります。
小学生の子だったらこの15分でもう切れてしまいます。
ですので、その集中力が途切れた時に飽きが来るのです。
ですので、ずっと座って話を聞き勉強をするだけだとどうしてもそこそこに飽きが来るようになります。
おそらく集中力の波があっても、興味があることであればそこそこに集中できるかもしれません。
皆が皆興味がもって参加しているのであればいいのですが、中には強制される形で研修に来る人もいます。
ですので、集中して聞くという事に関しては個人差が大きいかもしれませんね。
応用が効かない
座学で学んだから実践で即役立つかというと残念ながらそうはいきません。
機械を相手にしていて不測の事態はそこまで起きないのであればまだしも、例えば人間を相手にする仕事であったり、臨機応変な対応が必要な事であれば必ず不測の事態は起きます。