「相変わらずお酒の席でも口うるさいですねぇ」「酒癖の悪さは相変わらずですね」なんて部下から言われたらどうでしょう?
「えっ、俺ってそんなふうに思われていたの?」「酒の席とはいえ、失礼すぎる」と上司もショックと怒りを覚えることでしょう。
逆に「部長と飲むお酒は、相変わらず話しが弾んで楽しいですね!」「部長と飲むと楽しくなるので、相変わらず飲みすぎちゃいます」と言われたら?
上司も「可愛いやつめ!」「自分と飲むのを楽しんでくれている!」と喜んでくれることでしょう。
同じふうに「相変わらず」を使っているのに前後の言葉でここまで印象が変わってくる…ホントに使い方や文脈は大切ですよ。
上司が相手のときは文脈を意識して目上の人に対する「相変わらず」の使い方をしましょう。
使い方によっては可愛がられるようになりますよ。
取引先の商談
取引先は言わば大切なお客様です。
あなたが会社の窓口、代表者として大切な取引先とビジネスをするのです。
くれぐれも失礼のないよう慎重・丁重に会話をしたいところです。
例えば取引先に対して「以前と変わらず、とても順調そうですね」ということを言いたくて、「相変わらずのご様子ですね」と言ったとします。
本人としてはいい意味をで言ったつもりだったのに、言葉を受けとる相手と感覚が違ったら「それは業績の伸びが悪いことを言っているのか?」と誤解して取られてしまうことがあります。
「何が相変わらずなのか」という部分が不明確だと相手を誤解させやすいですよ。
もし「相変わらず」を取引先に対して使う場合は、「相変わらずご活躍なさってるようでスゴいですね!」など。
「何が相変わらずなのか」を明確にした上で(今回の場合は、活躍を指している)、相手をあげるような使い方をするようにしましょう。
また、「相変わらず」を別の言い方にして「お変わりない」と表現するのもいいでしょう。
取引先の人との挨拶のときに「お変わりないようで(元気そうで)何よりです」と使うと問題ありませんよ。
「相変わらず」の使い方のミスで損ねる印象は小さいことかもしれません。
しかし、こんな些細なことでも積み重ねれば商談に響くこともあります。
あなた自身の評価にも関わってくることがあるのです。
ちゃんと使い方を意識すれば防げることなので、言葉を正しく使うように気を付けましょう。
相変わらずの悪い例
このように場面や話す人によって使い分ける「相変わらず」という言葉。
こんなにも奥が深いとは思いませんでしたよね。
普段何となく使っているという人も多いでしょうが、そのなかで実はあまり良くない使い方をしていたという事もあるでしょう。
ここでは、「相変わらず」の悪い例をちょっとだけご紹介していきます。
「この店は、相変わらずお客さんが少ないね」
もしこれをお店の店員さんや店長さんに言ってしまったとしたらとても失礼にあたりますよね。
よく居酒屋で常連さんが「相変わらず寂しい(客入りが)な!」と言ってる場面を見かけまることがあります。
それはお店側と常連さんがそれなりの絆があってそこのものです。
常連さんがジョークとして使ってのもお店側は理解しています。
しかし、常連レベルに達していない人がこの例文のような「相変わらず」を使うと、「過去も今も変わらずに流行っていないとでも言いたいのか?」「相変わらず人気がない店ですいませんね」と怒らせてしまいますよ。
文脈もとても大切なのですが、「相変わらず」を使うときは相手との関係性もかなり大事なポイントになります。
もし、世間話として単純にお客が少ないということを言いたかったのであれば「相変わらず」を付けなくてもいいでしょう。
「今日はお客さん少ないね~」「今日はちょっと寂しい感じだね」と言われたら「そうなんですよ~、今日はちょっと入りが悪いかなぁ」と特に悪い印象を抱かずに答えを返してくれることでしょう。
「相変わらず」だと昔からの継続感が出てしまいます。
ちょっとネガティブに取られそうな話題の時は「今日は」「今回は」など限定的に表現するのもアリですよ。
「相変わらず」は使いどころを誤るとただの無神経な言葉になってしまいます。