2013年12月、「和食 日本人の伝統的な食文化」が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界無形部文化遺産に登録されました。
これによって日本食がさまざまな形で話題に上る契機となったのは、記憶に新しいところです。
日本食の人気上昇に貢献したのも間違いありません。
農業がすでにGDPの1%しか占めず、自らの体制維持に苦心する農林水産省にとっては、久々のクリーンヒットになりました。
️日本食はとてもヘルシー!
日本、中国、韓国は隣国ですが、それぞれの料理はまったく異なっています。
日本料理は生食が多く、中国料理は食材バリエーションの豊富さと必ず火を通すこと、韓国料理は辛いこととニンニクの香りが特徴です。
近隣に位置しながら、よくここまで違うものだ、と感心します。
これらとの比較において、日本食の成り立ちを、さらに際立たせることができるように思います。
日本で生まれ育った日本食
日本食は米を主体とし、四方が海であることから魚をサブとする、米と魚の文化とされていたようです。
これにプラスして、豚とニワトリが古くから加わっていたとするのが、農林水産省の見解です。
一方、日本のように湿潤な気候ではない大陸は、小麦、牛・羊の肉、乳製品(チーズ、バター)の文化と規定しています。
中国はこの両面を持っています。
南部の主食は米ですが、北部へ行くにしたがって饅頭が多くなります。
筆者は北京ー上海の中間、山東省・青島で仕事をしていましたが、この辺りでは、米と饅頭が混在しています。
工場の社員食堂では、両方選べるのが普通でした。
偏見かもしれませんが、田舎出身の人ほど饅頭を選んでいた印象があります。
和食とも呼ばれている
日本人と結婚し、こどもプラス夫の父親と日本に住んでいる中国人女性から、こんな話を聞きました。
彼女の悩みは舅が、和食しか受け付けないことです。
それも生食中心で、揚げ物、炒め物はおろか、煮物すら受け付けないそうです。
これは中国人には信じがたい食習慣です。
彼らの食生活の基本は、生ものを摂らないことです。
水は必ず沸かし、お茶にして飲みます。
そして食材には必ず火を通します。
これが中国人の実行している唯一の衛生思想です。
その代わりと言っては何ですが、厨房を清潔に保つことにはまったく無頓着です。
知られざる日本食のスゴさ
生ものが多い日本食は、中国人には危険なものとして映ります。
確かにその通りだと思います。
生もの主体でいながら食中毒にならない。
これこそ日本食のスゴさと言えるのではないでしょうか。
発酵食品、保存食に独自の伝統技術が継承されてきたものと考えられます。
また豊かな森林による浄化作用で、地下水が清潔だったということも、付け加えていいかも知れません。
️日本食にはどんなものがあるの?
日本のカレーは独自の発展を遂げ、オリジナルのインドとは大きく枝分かれしています。
ラーメンも大きなどんぶりに具をたくさんのせるスタイルは日本独自のものです。
2つとも現代日本料理と呼んでもいいように思います。