当時からさかんに作られていたのは間違いありません。
しかし製塩のコストが高く、貴族、僧侶など上流階級の食べ物だったようです。
おなじみのたくあんのような糠漬け、福神漬けのように食べるときに脱塩するものなど、バリエーションの広がったのは、やはり江戸時代ということです。
かつては親が子に漬け方を教える家庭の味の代表でした。
しかし漬物も、今はすっかり食品工業製品に変わっています。
そば・うどん
穀物としての蕎麦は、奈良時代以前から栽培されていた、と見られています。
奈良時代の文献に出ているからです。
もっとも古い日本食品の一つです。
しかし最初は穀物として摂取していました。
今のように、麺のかたちに加工した蕎麦切りとして食するようになったのは、16世紀になってからと言われています。
うどんの起源に関しては、奈良時代から鎌倉時代まで説によっていろいろですが、中国から来た、という点では一致しています。
うどんという言葉も中国語からなまったといわれています。
確かに今でもワンタンは「フントゥン」という発音で、似ています。
さらに「うどん」は「うんどん」の略という辞書もあるそうですからなおさらです。
小麦とともに中国大陸からわたって来たのは間違いなさそうです。
庶民の麺類として定着したのは江戸時代ですが、これは蕎麦切りよりも早かったようです。
️日本食の特徴
ユネスコの無形文化遺産では、和食を料理そのものではなく、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」と位置付けているようです。
自然をも含めた文化そのものにまで押し広げた解釈です。
その特徴として挙げられるものとは何でしょうか。
一汁三菜
一汁三菜とは、汁物1品、料理3品という意味で、もともとは本膳料理の献立の一つです。
本膳料理とは食事をとることに儀式的な意味を持たせています。
武家の礼法の一環に近い感覚です。
本膳料理には、二汁五菜、三汁七菜、三汁十五菜まであったということですから、その中で最も質素な献立です。
そのせいか質素な食事の代名詞のようになっています。
現代では栄養学の観点からも、バランスの良いヘルシーな食事とされ、推奨されています。
引き算の料理
出汁を引くという言葉があるように、日本料理は素材を引き立てるという方向性を際立せている、と言われていています。
食品の持ち味を生かし、塩で甘みを引き出したり、出汁の利用、あく抜きなど、しばしば「引き算の料理」と表現されます。
これに対しフランス料理に代表される西洋料理は足し算の料理と言われます。
基本の味のベースに、色々な味を重ね、足していくことで美味しさを作っていきます。
たくさんの味を重ねることで、単調ではない深い味わいを目指すものです。
️日本食を食べる6個のメリット
最後に日本食を食べることのメリットについて、まとめてみましょう。
栄養バランスが良く健康的
一汁三菜に、ご飯と漬物を加えた典型的な和食は、栄養バランスがよいとされています。
また過食を戒めた表現ともなっています。
三菜は頻繁の変わりますから、多くの素材を食せるというのは、確かに大変なメリットなのだと思います。