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当て馬とはどういう意味?当て馬とし...(続き5)

それが当て馬であるため、当て馬を行う際には必ず自分と相手以外の第三者の存在が必要となります。

賢い人は当て馬となる仮の人に対しても、自身が当て馬であることを悟らせずに、自然な流れで自分の探りたいことを知って目的を果たします。

しかし、中途半端な浅知恵の人が当て馬を利用しようとすると、当て馬役にされたと気付いた第三者が気分を害し、自分に対して批判の矛先が向いてしまう恐れがあります。

そのため、「自分は裏で糸を引く役に向いていないな」と感じる人は、初めからリスクを冒して当て馬を利用せずに、きちんと協力を頼みこんで敢えて当て馬役になってもらうようにしましょう。

当て馬を利用することは裏でこそこそと画策する印象が少なからずありますので、卒なくこなせる人であればかなりの切れ者と評されます。

しかし一方で、「卑怯者」「ずる賢い」といった悪い評価もされてしまいやすいため、当て馬を利用したことがばれた時に、自分がどのように周囲から評価されるかを十分に理解した上で利用するようにしましょう。

よく当て馬が登場する3つの場面

当て馬とは、どういう場面で登場するのでしょうか?

少なくとも、当て馬を利用しようとする人と、その人が狙っている本命の人物、そしてその動向を探らせるための当て馬となる第三者の最低3人は必要になります。

そして大抵は、目当ての人物の動向を知りたいと思う人がいて、初めて当て馬となる存在が必要とされます。

では、人はどのような時に当て馬を必要とするのでしょうか?

例えをいくつか以下に挙げていきます。

1.恋愛

当て馬と聞いて最もよくシチュエーションが思い浮かぶのが、恋愛に関する当て馬です。

漫画やドラマ、小説などではもはや王道と言ってもいいほどに恋愛における当て馬の存在は大きなものになっています。

例えば恋愛漫画でお決まりの展開として、物語のメインとなる男女2人がいます。

その2人の間には、必ず恋のライバルとなる第三者の存在が現れて、2人の仲を引き裂こうとします。

そして紆余曲折の果てに、主人公である男女は結ばれてハッピーエンドになるという流れが、恋愛漫画の王道と言えるでしょう。

どんなに摩訶不思議な世界観の設定であっても、恋愛漫画の展開は大まかには一緒です。

だからこそ、読者もドキドキハラハラと物語を読み進めながらも、最終的には2人が結ばれる未来を想像出来るのです。

しかし、現実における当て馬の存在ほど、悲しく空しいものはありません。

例えば何年も仲良く過ごしてきた幼馴染の関係の男女がいて、男性の側が女性に恋心を抱いていたとします。

しかし、ある時ポッと現れた男性に好きだった女性を奪われてしまうのです。

もちろんいきなり奪われるわけではなく、2人が付き合うに至るまで、3人の三角関係の間ではさまざまなことがあるのでしょう。

しかしそれらですらも、恋愛関係に発展する男女にとっては恋のスパイスでしかなく、当て馬となる男性にとっては悲しい空回りでしかないのです。

恋愛漫画の世界であれば、当て馬となる男キャラや女キャラを好きだというファンも少なからずいることでしょう。

しかし、現実の世界では、恋愛関係において当て馬となってしまった人のことが実は好きだった、という異性の存在など、そう上手く現れることはないのです。

2.企画のコンペなど

会社における企画のコンペなどでも、当て馬の存在を大いに利用されることがあります。

例えば次のコンペに向けて、上司からA氏とB氏の2人に企画の依頼があったとします。

上司は2人のそれぞれに「君には大いに期待しているよ!」「君に任せておけば安心だ!」と発破をかけます。

そうなると2人は俄然やる気になって、相手に負けないようにと必死で企画を練ることでしょう。

しかし、企画を考えるのは2人ですが、選ばれるのは1人だけですので、どちらも相手の動向が気になるはずです。

そんな時に、B氏がA氏の動向を探ろうとして、第三者に頼んで当て馬役になってもらい、A氏の企画内容を探ろうとします。

しかし肝心の詳細を上手く聞き出せないままコンペの当日になってしまいました。

そしてコンペの当日、発表の結果選ばれたのはA氏の企画でした。

これだけを見れば、B氏の当て馬作戦は中途半端な状態で失敗に終わり、純粋にA氏の企画内容に敗れたことになりますが、実はここにさらにもう一枚裏がある場合もあります。

もしも上司が日頃からA氏を気に入っていて、コンペでもA氏の企画を元々通らせる算段だった場合には、それをそのまま表に出してしまうと、社員からは「贔屓だ」と批判されてしまいます。

そのため、B氏にも企画を立案してもらって、あくまでも2人の内のどちらかの企画案を選ぶという体裁を整えたのです。

コンペの当日で選ばれるのは上司のお気に入りであるA氏の案に最初から決まっていたため、いわば八百長のコンペ、ということになります。