選べる手段がいっぱいある時には、自分も関係者もみんなが納得し喜ぶ方法で物事を行うことができるけど、選択肢が一つしかない時には、もうその手段を取るしかありませんよね。
例え、それが自分にとって不都合なことだったり、周りの人に文句を言われたり、納得がいかないといわれることでも、それは「致し方ない」わけです。
周りも、選択肢が一つしかなかったんだということを知れば、「致し方なく」受け入れてくれることは多いでしょう。
このように、選択肢がないために、ある手段を取ることが余儀なくされたときなどにも「致し方ない」という表現が使えますね。
️致し方ないの使い方・例文
では、「致し方ない」は、具体的にどのような言い回しで使うことができるでしょうか?
そういう事情なら致し方ない
目下の人に対して、「そういう事情なら致し方ない」と言うことがあるかもしれません。
例えば、約束事が守れないという事で、約束の変更をお願いされたとします。
約束が果たせないことには、なんらかのどうしようもないような、止むを得ない理由があるときに、その事情を受け入れて「致し方ない」、つまり「そうゆう事情なら、仕方がないよね」と理解を示しているのです。
済んでしまったことは致し方ない
もう終わったことに対して、あれこれ言ったって意味のないこともありますよね。
時間を取り戻すことはできないし、終わったことや起こってしまったことは、変えることができません。
そんな時「済んでしまったことは致し方ない」ということがあります。
すでにもう終わったことを、どうこうすることはできないのですから、止むを得ない状況なのです。
それがいくら最悪だったとしても、それから目をそむけることもよくありませんね。
でも、だからといって、済んだことでくよくよ悩んでしまうこともありますが、悩んで落ち込んでいるだけなら、前に進めなくなってしまいますよね。
それで済んだことはもう気にしない、そこから教訓を学んだら、それに固執することなく、「致し方ない!」と元気に受け入れてます。
これからどうするかは自分で選ぶことはできるので、教訓だけ手に入れて前に進んでいきましょう。
致し方ないが今後は注意するように
何か間違いをしたり、ミスをしたときに、「致し方ないが、今後は注意するように」と言われたら、止むを得ない状況だったという事を理解してもらえた、ということですね。
しかし、ミスはミスなので、今後は同じことが起きないように注意を喚起されたわけです。
「仕方ないが、今後は注意するように」と言っても同じ意味ですが、この場合「仕方ない」というとちょっと軽い印象を与えますね。
「致し方ない」という言い方だと、なかなか固くて、ちょっと厳しい言い方に聞こえますね。
相手の行動に対して、「致し方ない」という表現を使えるのは、目上の立場の人だけでしょう。
相手の行動について、裁定しているからです。
「まあ、今度は注意するように」とまで言っているわけですから、上司や先生が使う表現でしょう。
致し方ないと考えることにする
「致し方ないと考えることにする」という表現は、なんだか小説などに出てきそうですね。
自分のことであれば、「やむを得ないんだ」、「諦めるしかないんだ」、「他に方法はないんだ」と自分に言い聞かせているようなニュアンスですね。
納得のいかないことも、そうやって自分を納得させて慰めようとしているのかもしれません。
もし、他人の行動に対して、「致し方ないと考えることにする」場合では、「仕方がなかったと考えることにしてやるよ」、「しょうがないことにしておいてやるよ」的な感じでしょうか?
けっこう上から目線ですね。
あるいは、相手の行動が納得できないとしても、「きっとしょうがなかったんだ」、「きっと他に方法がなかったんだ」と行動の背後にある何かの事情を酌量しようとしているのかもしれませんね。
致し方ないな、好きにしなさい
親が子どもの要望を渋々受け入れるときなどに、「致し方ないな、好きにしなさい」と発言する場合もあるかもしれません。
そこには、諦めの気持ちが含まれているので、100%賛成ではないけど、しょうがないから許す、といったニュアンスでしょうか。
この場合、他に選択肢がないかというとそうでもないのかもしれません。
しかし、「好きにしなさい」ということ以上に親にとって他に良いと思える方法がないので、そう発言したという感じが伺えるのではないでしょうか?