無名の実力者が馬鹿なわけではなく、何か目的があって自分の能力を隠しているのだということが分かりますね。
「能ある鷹は爪を隠す」ということができていないのなら、実際にできている人であっても、それを効果的に使うことはできないということになるかもしれませんね。
英語だと猫が爪を隠す
「能ある鷹は爪を隠す」というのは、英語でも同じような意味を持っています。
「能ある鷹は爪を隠す」を英語で表現すると「Cats hide their claws.」という言葉になるようですね。
これは、猫が爪を隠しているという意味になります。
英語では鷹ではなくて猫になっているということでしょう。
猫の肉球を観察してみたときに分かるかもしれませんが、実際に猫は普段は爪を隠していますよね。
喧嘩の時には驚くほど爪が出てきてビックリするのではないでしょうか。
このことから、猫が爪を隠すという言葉を使うことで無名の実力者の存在を示しているのでしょう。
日本でもこの言葉は通じそうな気がしますが、やはり日本では鷹ということになりますね。
日本でも英語の場合でも同じような感覚から無名の実力者を動物で表現しているというのは面白いと思いませんか。
大賢は愚なるが如し
「大賢は愚なるが如し」という言葉も無名の実力者の存在を示す諺の一つですね。
本当に賢いといわれている人はまるで愚かな人のように自分のことを「賢い」と言いふらさないという意味になります。
大賢という表現をしているところが恐ろしいですね。
少しくらい賢い人は、自分の能力をひけらかしてしまうのでしょう。
ですが、それよりもずっとかしこ人の場合には、ひけらかさないのです。
ある意味でとても余裕があるからと言えるのではないでしょうか。
これには同じような言葉があります。
「大賢は愚なるが如し」という言葉に似たような言葉としては「大巧は拙なるが若し」「大智は愚のごとし」などがあります。
どれも同じような表現となっていますから、大体の意味は理解することができるでしょう。
「大賢は愚なるが如し」は「賢さ」を中心と置いていますが、「大巧は拙なるが若し」の場合には、「技術」や「器用さ」を中心としています。
また「大智は愚のごとし」の場合には「知識」に主眼を置いているのですね。
状況によって使い分けることができると恰好が良い言葉ですね。
空樽は音が高い
無名の実力者の存在を表現をしているというよりは、何もできない人は有名になろうとするという別のことを表現しているのがこちらになりますね。
「空き樽は音が高い」という表現が逸れになります。
空き樽で表現されているのはもちろん人間のことであり、空き樽という表現からも、何も中身が入っていない人ということが分かります。
こういった樽は、叩いてみると分かるのですが、少し高い音が鳴るようになっています。
また、中に何かが入っているよりも音が高く響いてしまうことが分かります。
中身がない人こそ「音が高い」、音が良く鳴ると表現しているのですから、「より自分のことをペラペラ話そうとする」という意味だということが読み取れるでしょう。
ただでも実力者としては、本物に劣らないということが分かるのに、さらに「空き樽」と表現されることを考えると、謙虚に生きることが一番のように思えてくる表現ですよね。
口達者の仕事下手
「口達者の仕事下手」というのも「空き樽は音が高い」という言葉と同じような意味になります。
こちらは「空き樽は音が高い」よりも直接的な表現ですね。
口達者ではあるが、仕事はできないという意味ですから、かなり直接的に何もできない人のことを嘲ったような言葉だということが分かります。