そうじゃなくて、もっとなめらかな、そして心のこもった・・」と説明をしても、そのニュアンスを伝えるのって難しいんです。
ひとつの音でさまざまな表現方法があるからこそ、楽しめる音色です。
しかし、音楽製作者や指揮者にとってはすこし厳しいかもしれないですね。
料理
料理には、味付けがあります。
どんなに見た目が悪くても味付けがよければ、その料理はおいしい食品になります。
しかし、これまでに料理をしたことがある方、または毎日のように料理をしているとイメージしていた味付けと全く異なる味付けになってしまって、「ガッカリ」したことはありませんか?
例えば、ナスの肉味噌いためを作るときに”ちょっぴり辛くて、でも甘さもあるもの”をイメージしていたとしましょう。
しかし、いざその料理が完成すると辛味が多いし、さらには甘みも足りない。
自分のイメージする味付けに近づけるために、さらに調味料を加えたらなんとなくイメージしていた味に近づけることは出来たけれど、100%ではないということがあったはず。
それこそ、感覚的にあなたがイメージしているものであり、ニュアンスというのは自分自身に伝えるのも難しいということなんですよね。
態度
目上の人に対しては尊敬する態度をしろだとか、同じ立場の人にはそのような立場をしなくていい・・なんてマナーの世界には、難しいしきたりがあるものです。
しかし、目上の人といってもその立場によって、あなたはきっと態度を使い分けているのではないでしょうか?社長と直属の上司、またはあなたの教育係となった方への態度はそれぞれ違うはずです。
そこにもニュアンスの違いがあるんですよね。
社長にはきっとものすごく尊敬した態度にするでしょうし、直属の上司はその社長ほどではなくても尊敬する態度を示すでしょう。
そして教育係になった上司に対しては、どこか打ち解けた感情を伝えることもあるのではないでしょうか。
そのように態度ひとつとっても、相手の立場、そしてあなたとの関係性によってニュアンスが異なってくるのです。
意味
言葉の意味もそうですね。
「あなたのことが好き」と誰かに伝えられたら、「それは恋愛対象なのか」「人として好きなのか」と悩んでしまいませんか?
そのようにひとつの言葉であっても、複数の意味合いを持っていることが多いんです。
また、複雑な考え方をする人にとっては、「恋人対象の気持ちが6割で、普通の人としての感情が4割」なんてとても難しいことを伝えてくることがあります。
人によっては、そんな複雑に伝えてくる人に苛立ちを感じてしまうものですが、相手もしっかりとあなたに伝えようとしたからそうなったということをしっかり頭にいれ、八つ当たりしないようにしましょう。
言葉
さきほどの意味と同じく、言葉ひとつとってみてもさまざまなニュアンスがあります。
さきほどの「あなたのことがすき」なんて、もっとも分かりやすい文章ではないでしょうか。
そのように人によっては、誤解してしまうようなニュアンスを含んだ言葉というのがたくさんあるのです。
ここで質問です。
あなたが思う「早朝」とは何時でしょうか?あなたがもしも「4時」と答えたとしても、他の人は「3時」と考えているかもしれないのです。
そのため、あなたが「明日は早朝に出かける」といったところで、2人の間にニュアンスの違いが出ているんですよね。
そして何かのトラブルになってしまう、なんてこともあるのです。
感情
特にニュアンスの違いを感じるのは、感情ではないでしょうか。
これまでは今の恋人のことを「恋愛対象」としてだいすきだった。
でも、ある事件が起こってからは「その気持ちが少しなくなった」としましょう。
それを聞いたその恋人は「私のことを嫌いになってしまったんだわ」なんて感じているかもしれません。
しかし、その言葉を話した本人は相手のことを嫌いになったわけではないのです。
ほんのちょっぴり恋愛感情がなくなってしまっただけ。
しかし、その”ほんのちょっぴり”の感情というのはその本人でしか理解することができません。