例えば人に対するカテゴリ分けであれば、「優しい人」「厳しい人」「仕事が出来る人」「仕事が出来ない人」などです。
自分で分類したカテゴリの中に、出会った人をそれぞれ振り分けます。
優しい人だと思えば「優しい人」のカテゴリの中にその人を入れますし、また怖い人だと思えば「怖い人」というカテゴリに入れます。
そうすることで相手の性格を判別しますが、それはつまり相手の一面しか見えていないということになります。
優しい人にも、もちろん優しいだけでない面があります。
しかしそれを知らないため、こっちは勝手に「優しい人」のカテゴリにその人を振り分けてしまうのです。
そうすることで後になって問題が生じます。
例えば優しいと思っていた人が実は厳しい人だった場合や、怖いと感じていた人が実はとても気配りの出来る人だと新たに分かった場合です。
その場合、自分の中の認識(レッテル)とは異なっているため、頭がパニックになって、相手のことを正しく判別することが出来なくなってしまうのです。
それが原因となり対人関係でトラブルが起きたり、人と関わることが怖くなったりすることもあります。
そのため、相手がどのような人物なのか大体の判断はしても、カテゴリ分けはしないようにしましょう。
カテゴリ分けをしていなければ、相手のさまざまな性格が見えた時にも、混乱することなく受け入れることが出来ます。
イメージで決めつけない
人は第一印象で相手を判断します。
初対面の時には外見くらいしか判断材料がないため、ある程度は見た目の印象に頼ってしまうのも仕方がないでしょう。
また、外見による第一印象は、相手と少しコミュニケーションを取れば誤解は直ぐに解けます。
しかしその一方で、中々相手に対する印象が解けない場合もあります。
例えば違う部署に勤めている社員の噂話が、時々自分のいる部署まで届いてくるとします。
自分自身はほとんどその噂の張本人と接触したことがないため、実際にその人物がどのような人なのかを知りません。
しかし、耳に入ってくる噂話が悪いものばかりである場合には、自然とよく知りもしないその人物のことを、「何だか嫌な感じの人だ」と思い込んでしまいます。
そして直接関わり話す時間が少なければ少ないほど、その印象は根強く残り、レッテルとなってしまうのです。
このように、相手を自分の勝手なイメージで決めつけると、その分レッテルも増えてしまいます。
>偏見・差別になる
大抵の人は、自分の目で直接見て、話して、経験したことでなければ決めつけてはいけないということを知っています。
しかし、頭では分かっていても、どうしてもよく知らない相手の場合には、周りの噂話に頼ってイメージ付けをしてしまいます。
例えば見た目が少し強面で、悪い噂ばかりを聞く人がいるとします。
あなたがたまたまその人とエレベーターで一緒になったとしたら、何となく気まずい気持ちになりませんか?
その気まずさが、酷くなると偏見や差別に変わってしまうのです。
それぞれの価値観を受け入れる
価値観は人それぞれです。
あなたが「良い」と思っているものを、「悪い」と思う人もいれば、あなたの好きなものを「嫌い」だと言う人もいます。
価値観が人によって違うことは、誰だって分かっています。
しかしそれでも、自分の考えを否定されたり、好きなものを否定されたりすれば、すなわち自分自身を否定されたような気がして誰でも腹が立ちます。
例えどんなに相手から正論で批判をされたとしても、心の中では納得することは難しいでしょう。
こだわりを持つことは良いですし、しっかりとした考え方を持っていることも良いでしょう。
しかし時には柔軟性を持ち、考えが凝り固まってしまわないように気をつけなければなりません。
考えは凝り固まるとレッテルになってしまいます。
レッテルになると中々剥がすことは出来ません。
他人からの指摘や批判、意見などはあくまでも「その人にとっての価値観なのだ」と受け入れる努力をしましょう。
自分の考え方を曲げる必要はありません。