ただ自分の考えや好きなものを否定された時には、相手を拒絶するのではなく、「自分は好きでもこの人にとっては嫌なんだな」と理解を示すようにしましょう。
最初は難しくてもそう考える癖をつければ、人から否定された時に大らかな気持ちで流すことが出来ます。
理想から離れる
レッテルは、自分の理想によって貼ってしまうことがあります。
例えば、同じ職場の上司で穏やかそうな言動の人がいるとします。
あなたが日頃見ている上司の姿は見た目通りに穏やかで優しい性格をしています。
そのためあなたも、無意識に「この上司は優しい人だ」と自分の中で上司をカテゴリ分けしてレッテルを貼ってしまいます。
しかしある時、その上司がものすごい剣幕で部下を叱責している場面を見てしまったとします。
するとどうでしょう、それまでの上司に対するレッテルが剥がされてしまい、きっと少なからずショックな気持ちになることでしょう。
しかし、あなたのこのショックに対して、上司にはまったく何の責任もありません。
何せあなたが初めから勝手に上司に理想的なレッテルを貼って、現実とのギャップにショックを受けてしまっただけなのですから。
このように、時に人は相手に対して自分の理想とする姿でいて欲しいという願望からレッテルを貼ってしまうことがあります。
レッテルを貼ること自体が無意識に行われる行為ですので、勝手に自分の都合の良いように相手にレッテルを貼ってしまうことは止めようがありません。
しかし、そもそも自分が相手にあれこれと理想を抱かなければよいだけの話でもあります。
そのため、他人や物事に対して理想を抱いてしまいやすい人は、気付いた時にその理想から離れるように意識しましょう。
期待しすぎない
理想から離れるのと同様に、期待し過ぎない気持ちを持つことも重要です。
人や物事に対して、相手が自分の都合のいいように動いてくれるだろうという期待は決してしないようにしましょう。
「動いてくれたらラッキー」程度の考えでも、そう思うこと自体が少なからず相手に期待してしまっています。
何もかも諦めろというわけではありませんが、相手や物事に対して過度な期待は抱かないようにしましょう。
冷静に判断する
レッテルとはそもそも、個人的な主観によるものです。
「あの人はこうだ」と言う考えは、自分の主観的な考え方によって生まれます。
そのため、レッテルも当然主観的な考えであり、レッテルを貼るという行為は、それを勝手に相手に対して押し付けている状況でもあります。
ですから、ついレッテルを貼ってしまいそうな時には、いったん冷静になって判断するようにしましょう。
「あの人は一見派手に見えるけど、でもよく見れば仕事はきちんとしているな」というように、冷静になって物事を見る目を養うことが出来れば、主観的な考えと同時に、客観的な考えも出来るようになり、むやみやたらとレッテルを貼ることを避けられます。
否定しない
否定をするという行為は、相手の考えや意見に、自分の意見を上からぶつけることであり、あまり良いことではありません。
批判をする行為は、相手の意見や考えをきちんと吟味・検討した上で誤っている部分を指摘することですので、相手の意見自体を否定しているわけではありません。
また、指摘をする行為も、相手の意見の矛盾やおかしいと感じる部分についてのみ問いただすことであり、これもまた相手の考え自体を否定しているわけではありません。
しかし、否定する行為は、最初から相手の考えや意見を全て打ち消してしまいます。
また、指摘や批判が間違っている部分だけに向けられるものであるのに対して、否定は相手の考えそのもの、場合によっては相手の人格すらも拒んで相手にはしようとしないことなのです。
すなわち、「聴く耳を持たない」状態になるのが否定です。
この否定をしてしまうことで、相手の良い面や、改善できるかもしれない部分をもなかったことにしてしまいます。
また、相手の今後の可能性も潰してしまいます。
それゆえに、相手に対して間違っていると感じる部分があれば、そこだけを指摘して、否定はしないように気を付けましょう。
客観的に見てみる
人間には自我がありますので、どうしても主観的なものの考え方をしてしまいます。
しかし、主観的にのみ生きていると、他人の考えや感情に共感を覚えることが出来なくなり、足並みを揃えたり、協調したりすることも出来なくなってしまいます。
そのため、時には他人の立場で考えて、客観的に物事を見ることが大切です。