CoCoSiA(ココシア)

アクセントとイントネーションの違い...(続き5)

例えば、「はし」は「箸」「橋」「端」、「かき」は「牡蠣」「柿」「下記」であり、アクセントによって使い分けをしていると思います。

しかし、無アクセント地域の場合は、アクセントがないため、文章の前後関係で物事を判断しているのです。

例えば、「このかきはよく熟している。」であれば、文章の関係から「柿」のことを指しているのが分かりますし、「はしを使ってごはんを食べる。」であれば、「箸」のことを指しているとのが分かります。

こうして物事を判断しているのです。

また、無アクセントが生まれた理由としては、京阪式をもたらした集団が広めた説と、もともと有アクセントだったものが、無アクセントになったという説が伝えられています。

有アクセントとの違い

無アクセントと有アクセントとの違いは、アクセントがあるかないかになります。

有アクセントというのは、音の高低で判断をします。

例えば、「あめ」であれば、語尾が下がることで「雨」、語尾が上がることで「飴」となり、声の高さを変えることで、単語を判別しているといえるでしょう。

また地域によって、語尾の上がり下がりが逆転することもありますが、それは地域差だけであり、有アクセントだといえます。

無アクセントの特徴

無アクセントの特徴は、音の高低があまりないため、有アクセント地域の人達にとってみると、「んーあーんーあー」と平坦な会話をしているように感じられます。

また有アクセント地域の人は、無アクセント地域の人達の会話が聞きづらいケースもあるといえるでしょう。

無アクセントは、「無形アクセント」「崩壊アクセント」なども呼ばれています。

芸能人でいうと、栃木出身のつぶやきシローさんや、山梨出身の秋竹城さん、また地域は異なりますが、長崎県出身の蛭子能活さんなども無アクセントタイプの方言だと言われています。

また、無アクセント地域で育った人は、なかなか有アクセントに戻すことができないといわれています。

理由としては、育った地域によって、言語の判断の仕方や音声の処理方法が異なるため、脳で理解できないためです。

そのため外国語を話すのと同じくらいの難易度であるといえるでしょう。

語の前後関係から語彙判断しなければいけない

無アクセントは、先ほどもお伝えしたとおり、語の前後関係から語彙判断しなければいけません。

そのため、文章をすべて聞かないと、物事が理解できないケースも多くあるといえるでしょう。

テレビなどをみていて、地方の人の会話を聞いていると、たまに何を言っているか分からないということもあるのではないでしょうか?

それは、無アクセント地帯の会話の可能性が高いと言えるでしょう。

無アクセントの分布地域

無アクセントの分布地域は、東部・西部の大方言区画に準じていない箇所や、茨城県南部を除いた地域だと言われています。

茨城県南部は、昔は無アクセントによる方言であったようですが、現在では首都圏方言が中心となっており、ほぼアクセント自体になってきたといえるでしょう。

人間はどこの地域で育ったかにより、同音異義語をアクセントで識別する人と、イントネーションで判断する人、また文体で判断する人で分かれるといわれており、単語を判断する脳の作りも異なってくると言われています。

宮城県中部〜千葉県野田市にかけて

宮城県の方言は、「ズーズー弁」とよばれおり、語尾が濁音化しているケースが多いと言えます。

さらに、単語の間に「ン」が入る傾向も強いと得ます。

県南部の方になると、「雨」と「飴」、「箸」と「橋」などのアクセントに違いを持たないといわれています。

また、千葉県の野田市付近は無アクセント違いとよばれており、北部と南部は、東京式アクセント、中部は中輪東京式アクセントと言われており、同じ県の中でも、アクセントがばらばらというケースもあります。

八丈島、八丈小島、青ヶ島の離島

八丈方言の特徴は、アクセントの特徴がなく、この地域も「橋」も「箸」も「端」も区別しないと言われています。

また、この地域は、奈良・平安時代の古い言葉が数多く残っており、ラ行音がダ行音になります。

例えば、「らくだ」は「だくだ」になると言われています。

静岡県の大井川上流域

静岡県に関しては、ほとんどの地域で東京式アクセントが用いられますが、中川根に隣接する本川根町と静岡市葵区の山間部は、無アクセントの地域だと言われています。

一方、静岡の他の地域は、東京方言、西関東方言に次いで共通語に近い部類に属し、アクセントに関しては共通語によく似ていると言われています。

また、語尾に「ら」「だら」などをつけ、静岡弁の代表的な表現とされており、現代の若者もよく使っているといえるでしょう。