後者の場合と比べると、知識を持っていることを尊敬される人は、いくらでも途中で意見交換ができるのです。
相手の意見を聞くことができるところがオタクとは違うのです。
このあたりがわたしのオタクの判断基準と思っています。
それと、オタクの知識は非常に偏ったものに興味があるようです。
マニアの延長線上にオタクがあると思います。
どんなものに興味を持っているかを伺うと、オタクかどうかが分かるはずです。
普通の人が、そんなことに興味があるのですかと引いてしまうような人は、間違いなくオタクと言えるでしょう。
また、オタクが楽しそうに話し込んでいる相手も、またオタクかも知れません。
「オタク」の意味
オタクの意味は、自分が興味があって好きなことにのめり込んで、傾倒し過ぎてしまう人のことです。
普通の人よりもはるかに熱中してしまう特徴があります。
「こんなことに熱中するの?」と不思議がられたり軽蔑されたりするのです。
オタクの言葉の起源は、作家の中森明夫さんが1983年に発表した雑誌のコラム「(おたく)の研究」にあるようです。
当時人気絶大であったコミック関連の同人誌即売会の会場(コミックマーケット)に参加している人達が、お互いの相手に呼びかける時に「お宅らは・・・」と言い合っていたことから、お宅と呼ぶようなガキ達と揶揄したことから脚光を浴びた言葉です。
だから、もともとは相手を蔑むようなニュアンスの表現なのです。
以前使われていた意味
オタクという意味の中には、興味の対象が一般的な人とは少し違っていて、マニアックなことに興味を持っている人ということでした。
そして、人目を気にせずにただひたすらのめり込んでいくエネルギーも持っているのです。
興味の対象が偏っていることから、みんなと共通の話題にはなりにくく、隠れて楽しんでいるという状況でした。
子供から大人まで、漫画やアニメの世界はドンドン広がっていって、海外でも日本のアニメとして拡大して行きました。
当時は、このアニメを見る未成年者もオタクと称されていて、肩身の狭い時代も合ったのです。
知識人の中でも、オタクと呼ばれるような行為をしている人もいますが、決して目立たぬように水面下で楽しんでいます。
このことは、オタクという言葉は、否定的な意味が込められていたのです。
しかし、グローバルな時代の変化は素早くて、海外での日本のアニメは大人気となって来ました。
海外の日本アニメの愛好者は、英語でOtakuと呼ばれるほどにも普及したのです。
アキバに行ってアニメを見ることが夢となっているのです。
以前は、社交性が乏しく気軽に交流ができない子供達で、自宅でアニメやファミコンに没頭していたオタク達がいたのです。
その後、大人にも人気となった「ルパン3世」や「銀河鉄道999」などが登場して、一挙にオタク達が表に出てきたのです。
新人類と称された1960年代生まれの若者が、オタクの第一世代になったとも言われているのです。
現在でのオタクの認識
昔は、オタクが読むものとして認識されていた漫画コミックを、若者が堂々とみんなの前で読むようになってきました。
この若者たちは、個性的な生き方やファッションを好むために、今までは偏った趣味と思われていたようなことにも熱心に取り組んで、そのことを堂々とSNSなどの媒体を通してカミングアウトするようになったのです。
麻生元総理大臣も、アキバで漫画を買って読むことが趣味だと公言して、若者の指示を集めたことはご存知の通りです。
何でも、総務大臣の時には、大臣室にゴルゴ13の主人公の等身大イラストを飾っていて、そのシリーズの漫画は手放さなかったそうです。
このように、何かに熱心に集中している人、つまりオタク族が多くあらわれて、得意な分野でその知識が認められるようにもなりました。
自分だけの知識として隠しておくだけでなく、社会でその重要性が求められるときには、堂々と情報を提供する時代になってきたのです。
オタクの研究成果が社会の役に立つことも出てきたのです。
自然科学分野で、日本人のノーベル賞受賞が相次ぐことに対して、日本ではひとつの分野に精力をつぎ込み研究する文化が存在するためだとして、これを日本独特のオタク文化と名付けた国もあるほどです。
何かに詳しい人を、〇〇オタクと呼んで、一目置いている場合も出てきました。
これは、オタクの意味が変化してきたことを表しています。