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ご足労おかけしますの正しい使い方はこれ!用法や例文、似た言い回しやなどを紹介


目上の人に対して、また職場の上司や取引先の相手に対して、「ご足労をおかけします」という言葉を使うことがあると思います。

日常的にはそこまで用いることのない言葉ですので、どんなタイミングで使えば正しいのか、またどのような言い回しで用いればいいのかをよく分かっていない、という人も実は多いのではないでしょうか?

ご足労をおかけします」という言葉の用法や、それに似た言い回しなどをご紹介します。

この記事の目次

ご足労おかけしますの意味

「ご足労をおかけします」という言葉を聞くと、何となく相手に対して面倒や迷惑をかけてしまって申し訳ないといった意味合いに感じる人は多いでしょう。

「ご足労」という言葉そのものが、わざわざ相手に足を運んでもらったり、何かをしてもらったりする際に用いる言葉でもあるため、そう感じるのでしょう。

人によっては挨拶代わりにその言葉を用いる人もいますが、「ご足労をおかけする」という言葉そのものは、元々どのような意味なのでしょうか?辞書で調べると、「ご足労をおかけします」とは、主に以下のような意味で使われることが多いようです。

わざわざお越しいただいた

「ご足労」という言葉は、元は「足労」という字に丁寧語の「御」をつけたものです。

「足労」という言葉自体も、「行く」「歩く」といった言葉の丁寧語ですので、足労の意味は「わざわざお越しいただく」となります。

そのため、「ご足労」という言葉は、本来ならばこちらから赴かなければならないところを、相手にお越しいただいたことに対する感謝の気持ちの表れなのです。

ですから、会社などでよく使われるこの言葉は、相手が自分のところへ訪れた後で「ご足労いただきありがとうございます。」や「ご足労をおかけして申し訳ありません。」と相手に対して用いる言葉です。

相手を労う思い

「ご足労」という言葉は、本来ならば自分から赴くところを、わざわざ相手から来ていただいたことに対する感謝の気持ちの表れです。

そしてまた、相手がわざわざ時間を割いて、車や公共交通機関などを利用して自分のところへ来ていただいたことに対する、道中の疲れを労う思いの表れの言葉でもあります。

日本人は相手に対して自分がへりくだった物言いをする民族です。

それは昔から現代に至るまで同じで、とくにビジネスなどの場においては、いかに自分を下げて相手を立てる話し方が出来るかどうかで、社会人としての能力を評価されることも少なくはありません。

また、人によっては日本人の自分を下げる物言いを気に入らないという人もいますが、何も本心から自分を卑下してそう発言しているわけではありません。

言葉の上で自分を下げて相手を立てることによって、相手の意思や存在を尊重して、大切に思っているという気持ちを表わしているのです。

そのため、ビジネスなどでよく用いられる丁寧語や謙譲語は、相手に対する思いやりの気持ちでもありますので、その言葉を受ける側の人も、良い気分にはなっても決して悪い気分にはならないのです。

ご足労おかけしますの正しい使い方


「ご足労」という言葉の意味自体が理解出来ても、それをどのような場面、そしてどのようなタイミングで用いればいいのかが分からないという人もいるでしょう。

言葉自体はとても丁寧なものですので、何かと「ご足労おかけしてすみません」という言葉を乱用する人も中にはいます。

しかし、時と場合によってはその言葉が相手に対する嫌味になってしまうこともあります。

例えば相手のミスで自分のところへ謝罪に来た折にそのように発言すると、相手からすれば「まだ怒っている」「嫌味で言われた」と勘違いしてしまうこともあります。

「ご足労」という言葉は本来自分が赴くところを相手に来ていただいたことに対する感謝の気持ちの表れですので、最初から相手が自分の元へ来るのが当たり前の場合には、わざわざ「ご足労いただきありがとうございます」と言う必要はありません。

このように、時と場合によっては間違った使い方をしてしまうこともありますので、正しい使い方が出来るようにその場の状況をしっかりと把握することも身に付けましょう。

では、正しい使い方はどのようなものなのでしょうか?以下にポイントをご紹介します。

来て貰った後に使う

「ご足労」という言葉を用いて文章を作る時、大抵は「ご足労をおかけしてすみません。」や、「ご足労いただきありがとうございます。」など、相手が自分の元へと訪れた時に用いられています。

すなわち、文章自体は現在進行形であっても、すでに相手が自分のところへと到着した後で用いられる言葉です。

そのため、これから相手に来ていただく場合にこの言葉を用いるのは使い方としては間違いです。

もしあなたが、これから相手の家へ伺おうとしている時に、先に相手から「ご足労をおかけしてすみません」と言われたら、何だか違和感を覚えませんか?

普段使い慣れていない人や、正しい使い方を理解していない人が聞けばさほどおかしくは聞こえないかもしれませんが、「ご足労」という言葉自体がすでに相手の元へと到着した後に用いられるものですので、先に相手に対して「ご足労をおかけします」と言うのは間違いなのです。

これは普段「ご足労」という言葉を使い慣れていない人ほどやってしまいがちなミスですので、うっかり誤った使い方をして、相手から「この人は言葉使いをよく知らないのか」と思われてしまわないためにも注意して使いましょう。

自分の上司に対して使うのは間違い


「ご足労」という言葉は丁寧語ですので、目上の人や取引先の会社以外にも、自分の上司に対しても使う人がいるかもしれません。

もしあなたが仕事をしていて、本来は自分一人だけで片付けなければならないものを上司にも手伝ってもらった場合には、「ご足労をおかけしてすみませんでした。」と用いることは誤りではありません。

しかし、時と場合によっては、上司に対して「ご足労」という言葉を用いると、間違いになってしまうこともあります。