ドレスコードは、さまざまなシチュエーションに合わせたものを選ぶ必要があります。

シチュエーションにそぐわないドレスコードを選んだ場合、どのように振舞ったとしても恥をかくだけです。

「自分は他の人とは違う」と粋がったところで、周囲からの冷たい視線に耐え続けることは難しいでしょう。

場にそぐわない格好を堂々とし続けることは、よほど自分の中に強いポリシーやプライドがない限りはそうそうできることではありません。

また、自分では強いこだわりがあって、わざわざドレスコードに相応しくない格好をしていたとしても、満足なのは本人だけで、一緒にその場にきている家族や友人、恋人などはきっととても恥ずかしくて情けない思いをしてしまうことでしょう。

時には個人の頑固な主張は抑えて、一緒にいる人のためにも場に合わせるということをするべきでしょう。

ドレスコードってなに?

そもそも、ドレスコードという言葉自体、あまり聞き慣れなくて何のことか分からない、という人もいるのではないでしょうか。

言葉の響きから、「なんとなくフォーマルな格好のことかな?」「パーティーで着るようなドレスのこと?」と想像する人は多いでしょう。

しかし、ドレスコードとはその言葉通り単純に「パーティーで着る服」という意味ではありません。

時々店頭で見かける「ドレスコードあります」という広告は、何もフォーマルに限定されたわけでも、高級感溢れる服装というわけでもないのです。

では、ドレスコードとは一体どのような意味なのでしょうか?まずはその意味からご紹介していきます。

ドレスコードの意味

ドレスコードの本来の意味は、軍隊や学校などの集団や、パーティーなどの集会または高級レストランなどにおける服装の規則です。

言葉の響きで分かるように、元々は海外から来ている言葉ですので、本来海外でも使われている意味はこのようなものになります。

日本語では服装規定

ドレスコードを日本語で表すと、「服装規定」という言葉になります。

ドレスコードの意味としては先に挙げたものになりますが、服装規定の場合にはもっと具体的な意味があります。

服装規定は「社会の中のさまざまな場所や機会、行事や催しもの、パーティーやディスコといった場面で当然、その場においてしかるべきとされる服装」を意味します。

この服装規定は最初から法律などで決められたものではなく、あくまでも周囲への配慮によるエチケットなのです。

行事によっては主催者側がフォーマル、インフォーマルなどと参加者に服装を指定する場合も少なくはありません。

「服装規定」という言葉よりも、「ドレスコード」の言葉の方が一般的に使われることが多いため、ドレスコードを本来の意味だけで捉える人が大半ですが、実際にはこの服装規定という言葉の意味も含んだ上で使われていることがほとんどです。

ドレスコード本来の意味よりも、より具体的で細かい意味になっているのは、周囲への気遣いや配慮に長けた日本人独特の感性が深く関係しているのでしょう。

基準や定められた服装

ドレスコードには、さまざまな基準や定められた服装があります。

子どもの内は大人によって自然とその場に合った服装を着せられるものですが、大人になると誰も一々「この場面ではこの服装で」などと教えてくれる人はそうはいません。

そのため、無知なままパーティーや集まりに参加して、うっかり服装の選択ミスで恥をかいてしまうこともあるのです。

無自覚な人が何の恥じらいもなく場違いな格好でふらふらしているのを見ると、関係なくても何だか見ているこちらが恥ずかしくなることもあるのです。

場に相応しくない格好は、当人が恥をかくだけでなく周囲にも迷惑をかけることになりますので、基準や定められた服装を守ることは大切なことなのです。

どのような場面において、どんな基準や定められた服装があるのかは、主催者側に尋ねるなり、一緒に参加する人に確認しておくなりすると、当日になって恥をかかずに済みます。

TPOに合わせた服装

TPOとは、「時(time)」「所(place)」「場合(occasion)」を意味します。

すなわち、TPOに合わせた服装とは、その時その場所で、その場合に合った服装をすることを指します。

例えば参加者全員がドレスやタキシードを着ている会場に、一人だけシャツとジーパンで参加したらどうでしょうか?

敢えて場違いな服装を選んだと言っても、それが言い訳として通じないほどにその場に相応しくないと周囲からは非難されてしまうでしょう。

そしてまた、恥をかくだけではなく、会場からは追い出されてしまうことになるでしょう。

追い出されたことに文句を言ったところで、庇ってくれる人はきっと誰一人いないでしょう。

何故なら追い出された人はTPOを弁えない振る舞いをしたのですから。

時に集団行動や協調性が必要とされる人間社会において、余りにもそれに相応しくない振る舞いをしている人は、自然と集団の輪からは外されてしまうものです。

それはいじめでも差別でも何でもなく、「皆が意識して同じようにやろうとしている中で、一人だけわざわざ別行動を取ろうとした結果」なのです。

別の場合でも同じような状況は起こります。

例えばこれから山登りをしようという集団の中で、一人だけドレスの格好をしている人がいるとしたら・・その人は主催者側に追い返されてしまっても何の文句も言えないでしょう。

山登りには山登りに適した服装があり、体調管理や怪我の予防を兼ねて皆が当たり前に身を守る服装をしているのです。

そんな中で露出が多く無防備で、おまけに足元もおぼつかないようなドレス姿で来られたら、その人自身の安全のためや、周囲の人への迷惑を考えて、主催者側が参加を拒否するのは当たり前の選択と言えるでしょう。

個人の自由が優先される世の中になっても、時にはこうして集団行動に相応しい行動や心がけが求められることもあるのです。

さまざまな場でドレスコードがある


ドレスコードとは、何もパーティー会場で着るような服装だけを指しているわけではありません。

さまざまな場において、それにふさわしいドレスコードというものが存在しています。

一般的なドレスコードというと、「ブラックタイ」「ディナージャケット」「ダークスーツ」「タイ」「ジャケット」「スマートカジュアル」「カジュアル」などを指します。

女性の場合には、例えば「ブラックタイ」や「ディナージャケット」は、振袖や留袖、ソワレや訪問着を指します。

どんな場面においてどのようなドレスコードで良いのか分からないという人は、主催者側に尋ねても良いですし、ネットで調べるなり、友人や家族に聞くなりして予め確認をしておきましょう。

誰かに尋ねることが恥ずかしいと思う人もいるかもしれませんが、「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」です。

一時の恥を避けて自分流のスタイルで参加した結果、とんでもなく場違いな服装だったことで一生の恥にならないためにも、予め場に合ったスタイルをリサーチしておくようにしましょう。

覚えておきたいマナーのひとつ

ドレスコードは、誰もが必ず覚えておきたいマナーの一つです。

マナーとはすなわち礼儀作法のことですので、その場その場に相応しい服装や振る舞いが求められます。

また、ドレスコードは個々のエチケットから始まったものだとされていますが、エチケットとは他者に対して不快な思いをさせないようにする気遣いのことです。

その場に相応しい正しい礼儀作法と、周囲に対する気遣いが出来てこそ一人前の大人、社会人と言えるでしょう。

時々言論の自由や人権の尊重を掲げて好き勝手に振舞う人がいますが、そうした人の場合は言論の自由や人権の尊重といった個人に許された権利を暴力的に振りかざしているだけです。

世の中にはやっていいことと悪いことが定められていますが、これらが法律で守るべきルールとして定められている場合もあれば、暗黙の了解でやってはいけないと認識されていることもあります。

守るべきルールは当然のものですが、暗黙の了解というのは個人の権利を押し付けるものでも何でもありません。

自分だけではなく、相手や他の人たちにも嫌な思いをさせないようにしようという、一人ひとりの優しい心遣いから生まれた考え方なのです。

それを「個人の自由だ!」と守らない人は、皆が守ってきた優しい心遣いを土足で踏みつけているようなものなのです。

マナーもまた、法律やルールで定められているわけではありません。

しかし、一つひとつのマナーは自分の品格を表わすのみならず、周囲に対する思いやりの気持ちの表れでもあります。

その気持ちはさまざまな形で表すことができますが、ドレスコードもまた、そうした立派なマナーのひとつなのだと覚えておきましょう。

ドレスコードを守らないと入れないことも

場所によっては、ドレスコードに厳しいところもあります。

そうした場所でその場に相応しくない格好をしていくと、まず中に入れないということもあります。

そのような厳しい場所においては、主催者側の意志が強く表れていることが多いです。

例えば主催者側が「絶対にドレスやタキシードで参加するように」と定めたパーティーであれば、ドレスやタキシード以外の服装で参加しようとした人は、どのような理由であっても会場への入室は許可されないでしょう。

とはいえ、それで追い出されることによって、結果的に恥をかかずに済むことだってあります。

例えば中途半端にドレスコードが求められる集まりの場合、常連の人たちはいつも通りのフォーマルな服装で会場に集まっていることでしょう。

しかし初めてその集まりに参加する人が、事前にとくにドレスコードが求められなかった場合には、会場によっては比較的カジュアルな服装で参加することもあります。

ドレスコードにそこまで厳しくなければ当然会場内には入れますが、一歩足を踏み入れた途端に、周囲のフォーマルな服装を見て、「自分は場違いなのだ」と大恥をかいてしまうこともあるのです。

常連ばかりが集まる会の場合には、ドレスコードが暗黙の了解になっていることも多いため、一々新規の参加者にもそれを伝えることはありません。

その結果恥をかいた参加者は、「こんな集まり二度と行くもんか!」と今度の参加を控えてしまうことだってあるのです。

ドレスコードに厳しい集まりの場合、厳しければそれだけどのような服装で参加するべきかが明確化されていますので、人によっては分かりやすくて助かることもあります。

暗黙のルールの場合もある

先にも挙げたように、ドレスコードが暗黙のルールとして存在していることも少なくありません。

新しい集まりやパーティーの場合には、参加者のためにどのようなドレスコードで参加して欲しいかを予め明記するところが多いですが、もう何年も続いている集まりの場合には、一々明記していないところの方が多いのです。

そのため、そうした集まりの場合には、すでに参加している人に事前にドレスコードの確認をする必要があります。

一々尋ねるのは自分が未熟だと言っているようで恥ずかしいと思う人もいるかもしれませんが、会場によってはフォーマルだと思っても、実際には皆がカジュアルな格好で参加している場合もあります。

会場の場所や広さも判断材料の一つにはなりますが、それだけでどんなドレスコードだと決めることはできませんので、必ず事前に確認しておいた方が良いでしょう。

さまざまなシチュエーションのドレスコード

どのようなシチュエーションでどんなドレスコードを選ぶべきなのでしょうか?以下に具体例をご紹介していきます。

結婚式


結婚式は、夫婦の門出となる記念すべき日です。

結婚式における主役はまず新郎新婦ですので、式や披露宴に呼ばれた人たちは、新郎新婦よりも目立ってはいけないという暗黙のルールがあります。

どんなに目立ちたがり屋の人でも、この日ばかりは自分ではなく、新郎新婦を立てるべきでしょう。

新郎新婦よりも目立たず、かつその場に相応しいドレスコードとはどのようなものなのでしょうか?男女別に詳しくご紹介していきます。

男性の場合

男性の場合には、黒やグレー、ネイビーといった色合いのスーツが一般的で人気が高いです。

落ち着いたシックなスーツは上品さを感じさせますし、新郎より目立つことはありません。

派手好きな人はつい柄物や明るい色のスーツを選びがちですが、普段は良くても結婚式では柄物や派手な色は悪目立ちしてしまうので着用しないようにしましょう。

また、白やシルバーといった色のスーツは新郎の衣装と被ってしまうため、こちらも着用しないように注意します。

ただしネクタイや蝶ネクタイは、ゲストとして参列する場合には白や薄いグレー、シルバーといった色合いを選ぶのが一般的です。

スーツの場合には黒色でも問題はありませんが、ネクタイが黒の場合には喪服を想像させますので、黒以外の派手過ぎない色を選びましょう。

靴は黒の革靴か、エナメル素材のものを履くようにします。

「ストレートチップ」や「プレーントゥ」が一般的とされています。

また靴下は靴の色に合わせたシンプルな色合いのものにするのが良いでしょう。

ローファーやスニーカー、殺生をイメージさせるアニマル柄の靴はNGです。

また、派手な柄や色合いの靴下も止めておきましょう。

まとめると、スーツは白やシルバー以外の落ち着いた色合いのものを、またネクタイは反対に白やシルバー(ゲストの場合)といった色合いで、黒はNG。

靴は黒の革靴かエナメル素材のものを選び、靴下は靴にあったシンプルな色合いを選びましょう。