「案ずるよりも産むが易し。」ということわざがあります。
物事はあれこれ心配するより、実行してみれば案外たやすいものだ、という意味です。
物事を率先して引っ張っていく人は、たいていこのようなスタンスを取っているものです。
腰が軽く、スピーディーに動けるのです。
ことわざには、よく正反対を意味するものも存在しています。
しかし「案ずるよりも産むが易し。」に対しては、それらしい反対表現は、見あたらないようです。
それほど正鵠を突いている、という理解でよいと思います。
4、柔軟な思考
「柔軟な思考の持ち主。」とは、間違いなく誉め言葉に相当しています。
ではなにが誉められるべき点とされるのでしょうか。
柔軟性とは、自分のルールややり方に固執せず、相手の意見や立場を理解できる力です。
このように考えていくと柔軟性とは、明らかに優れた資質であることがわかるでしょう。
率先して物事を行う人は、柔軟性に富んでいることが多いものです。
5、気持ちの切り替えが早い
率先してプロジェクトをリードしていく人は、あまり感情的な深入りをしないものです。
いちいち構成員の気持ちを汲んで、その希望を取り入れていたら、プロジェクトは効率よく、前に進まなくなってしまうからです。
相手の感情にシンクロすることはあったとしても、すぐ気持ちを切り替えることができています。
こうした感情の処理を伴う、切り替えの早さと冷静さは、勝負師やリーダーに求められる、もっとも基本的な資質の一つです。
これは修行をしてでも、身に付けたいものです。
自身の将来に大きく関わってくるからです。
6、ブレない軸を持っている
物事を率先してリードしていくためには、ブレない軸を持っているべきです。
決して朝令暮改であってはなりません。
筆者の所属していた会社は、月曜日に出た方針や指示が、火曜日にはもう変わっている、ということが日常茶飯事でした。
経営幹部の意志疎通が、まったくなっていなかったからです。
誰のいうことを信じていいのか、社員たちは、自分で決めなければなりませんでした。
笑い話ですが、これによって、決断力が鍛えられた面はあったのかもしれません。
とにかく軸がブレブレないどころか、ぐらぐらしているのが常態という、冴えない会社だったのです。
当然のように経営は傾き、単独での生き残りは難しくなりました。
今でも存続はしていますが、大手商社のグループに入り、自主経営権はすでにありません。
経営幹部たちは、ブレない軸をもって事に臨み、だめなら別の軸をもった人に潔く交代する、というルールを貫徹することができなかったのです。
これは個人においても、同じように当てはまります。
7、ポジティブ
物事を率先してリードしようという人は、楽観的、ポジティブであることが大切です。
自然に笑顔がにじみ出てくると理想的です。
メンバーは一緒にいたくてたまらないようになり、自然に結束は強まります。
逆にネガティブ思考の人には、他人はついていくのを躊躇するものです。
思索は深そうでも、何か運気が感じられない。
こういう人は、リーダーに襲い掛かる危険を知らせる補佐役、参謀役に向いています。
ときには、自分はどちらに向いているか、適性を考えてみるのもよいと思います。