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一身上の都合の意味とは?使う理由と実は隠されているよくある理由とは?

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会社を辞める場合には、退職届を書くと思います。

その退職届には自分が辞める理由を書きますが、その際に「一身上の都合により」と書く人も多いでしょう。

たった一言でまとめてしまえる「一身上の都合」とはどのような意味なのか、またその言葉の使い方や、「一身上の都合」に隠された理由などをご紹介します!

この記事の目次

「一身上の都合」と履歴書に書く前に!

あなたは履歴書や退職届を書く際に、「一身上の都合により」という言葉を用いることはありますか?「一身上の都合」とは、一言でいうなら「自分都合」という意味です。

そのため、例えば履歴書の志望動機や希望の記入欄に「一身上の都合により勤務の時間帯は夜勤でお願い致します」などと書けば、「自分の都合ですみませんが、勤務時間帯は夜勤希望です」という意味で相手には伝わります。

また、履歴書で「一身上の都合」と書く人はそこまで多くはありませんが、退職届で同じ言葉を用いることは多いでしょう。

退職届の場合には、「一身上の都合により退職させていただきます」と書いて提出すればそれは通常受理されます。

とはいえ、いきなり退職届を渡してそれで円満に会社を辞められるかというとそういうわけではありませんので、一身上の都合で退職届を提出する前には、予め退職の話は上司にしておいた方が良いでしょう。

このように、「一身上の都合」という言葉は、履歴書や退職届で用いることが多いですが、安易にその言葉を書く前に、ちょっと待ちましょう。

自分にとっては都合の良い理由だからこそ、この言葉の本来の意味や、一身上の都合に含まれる一般的な理由をまずはきちんと理解しておきましょう。

「一身上の都合」とはどういう意味?

一身上の都合を使う男性
そもそも、「一身上の都合」とはどのような意味なのでしょうか?どんな意味を持って、履歴書や退職届で使うことが多いのでしょうか?一身上の都合とは、「自分の身の上に起こる事柄」という意味です。

「身の上」という言葉の上に「一」が付くことによって、自分に関する事柄という意味になります。

個人的な感情や、家庭の事情など、あくまでも会社とは関係のないプライベートな理由の場合に、一身上の都合を用いることが多いです。

かつて江戸時代には、この「一身上の都合」と同じような意味合いとして、「三行半」という言葉が使われていました。

三行半は現代では夫婦が離婚する際に、相手に対して突き突けるものといったイメージが強いですが、江戸時代には主に夫が妻へと三行半を書き渡していたようです。

三行半の内容は「離婚の理由」「離婚するという宣言」「再婚許可」の3点です。

この時に、さまざまな事情からお互いの離婚についてはあまり具体的な内容は記載しないことから、やんわりとした「自分たちの都合」で離婚するという形を取っていたようです。

この具体的な内容を告げずに自分たちの都合という言葉を用いていたものが、後の「一身上の都合」という言葉に変化していったと考えられます。

そのため、会社に退職届を提出する際に、「会社に三行半を突き突ける」といった言葉の使い方もあります。

「自分の都合」という意味

「一身上の都合」とは、要するに「自分の都合」という意味です。

自分の都合なのですから、例えば「毎朝起きるのが辛いから」「人間関係が面倒だから」「上司や同僚が気に入らないから」といったような自分勝手な理由であってももちろん問題はありません。

恋人との時間がもっと欲しいから会社を辞めたいという人もいれば、出社するのが億劫になったから辞めたいという人もいます。

具体的な内容で書いてしまうと上司の怒りをかったり、また呆れられてしまったりするようなものであっても、「一身上の都合」の一言でそれらすべての理由を包み隠してまとめてしまうことができるため、ある意味とても便利で都合の良い言葉でもあるでしょう。

個人的な都合の例

一身上の都合は、個人的な都合ということです。

誰しもそれぞれに人生がありますので、自分が生活する上で家族や恋人、友人や仕事、プライベートなど、何に重きを置くのかは人によって違うでしょう。

そのため、当然個人的な都合や事情も変わってきます。

では履歴書や退職届で多用される「一身上の都合」とは、どのような個人的な都合であることが多いのでしょうか?個人的な都合の例を以下に挙げていきます。

自分の病気

持病を持っている人や、今現在病気で治療中の人の場合、それを一身上の都合として会社を退職することがあります。

持病の場合には、元々その病気があることを承知の上で会社勤めをしていましたが、実際に働いてみなければ、それがどの程度自分の負担になるのかは分かりませんよね。

そのため、持病持ちでも頑張って仕事をしていて、その上でやはり働き続けることが難しいと判断した(もしくはされた)場合に、持病を一身上の都合として退職届を提出する場合があります。

また、持病を持っていながらも働く必要がある時には、それを一身上の都合と履歴書に書いて提出することもありますが、都合が都合なだけに、履歴書に書く場合にはきちんと持病があることも記入しておく必要があるでしょう。

会社側が何も知らされていなかった場合に、もし万一のことがあったら自分自身が苦労する羽目になるからです。

一方で、会社勤めをしている時に万一病気になってしまい、それが原因で仕事が続けられなくなってしまった場合にも、「一身上の都合により」と書いて退職届を提出することがあります。

病気を隠して仕事に応募することは難しいですが、退職の際には隠したければ病気のことは隠しても構いません。