物覚えの良し悪しは、あらゆる能力の中で最も人生を左右するものといえます。

学校のテスト、受験に始まり、人の顔や業務の流れ、ツールの使い方など大人になっても覚えることはたくさんあるからです。

覚えるのが得意だと「IQが高いから」などと言われますが、IQ自体はあまり関係がありません。

重要なのは覚え方。

そして、記憶の仕方や覚えやすいものは人によって違います。

自分の特性に合った覚え方を見つけることで改善できるので、その方法を見ていきましょう。

モチベーションを上げるためにも、覚える力をアップすることで得られる利点も合わせてご紹介します。

覚えるのが得意になると、様々な可能性が広がる

ではまずモチベーションを上げていきましょう。

覚えるのが得意になることの利点を一言でまとめると「様々な可能性を広げることにつながる」です。

仕事に就いたばかりでも、覚えるのが得意ならすぐに基礎マニュアルを把握でき活用に向かう時間を人より長く取れるようになります。

転職したい場合でも強みを増やすための技能や資格の取得もしやすくなるでしょう。

プライベートにおいても、紹介された人の顔と名前をすぐに一致させて覚えられたり、相手の興味があることを覚えられれば的確な話題を振ることもできます。

このように覚えたことの活用が大事で、単に覚えるのが得意なだけでは利点を発揮することはできませんが、インプットができていなければアウトプットなど夢の話。

アウトプットの可能性を広げる前段階として記憶することは重要です。

デジタル化が進んでもやっぱり自分の頭の中に入れたい!


現代はスマホなどですぐ、わからないことを調べられます。

そのため、自分の頭の中にはそれほど知識を入れず、その場で検索して自分の知識のように話す人もいるでしょう。

しかし、それは単なる「情報」であり「知識」ではありません。

情報と知識の間には大きな違いがあります。

情報は単なる事実、説明であり、知識は、情報を知り、理解した内容を指します。

「理解した」ということが重要です。

そして、理解するためにはまず様々な情報を覚えることに始まり、それらを経験や他の情報と関連付けて考えることで知識に変わっていくのです。

つまり、自分の脳内で覚えずに情報をスマホなどの外部ストレージから逐一得ている場合は、異なる物事や情報を関連付けて考えることに到達できず、知識は得られません。

会話の幅が広がるから

たとえば、とある人と好きな食べ物の話になり、お互いの好物が一緒だったとしましょう。

相手はその食べ物について、美味しいお店や作り方・食材についてなど詳しく知っているのに、こちらはただ美味しいと思うだけで何の知識も無いような場合、二人の会話がはずむ様子が想像できるでしょうか。

もちろんダラダラと得意気に話してくる人なんて相手にする必要はありませんが、程度というものがあります。

スマホなどで調べてその場で話すとすれば、円滑なコミュニケーションは不可能です。

また、相手が知識を持っている場合、ただの情報で太刀打ちしようとしても敵うわけがありません。

子供のうちなら知識量にそれほどの差がないので、誰とでも楽しく会話することもできるでしょう。

しかし、大人になると知識の差は生き方の差として表れます。

何においても知識が無いとなると、周囲からの認識は「何にも興味を示してこなかった人」です。

そして、人間関係は同じような知識量の者同士で固まってきます。

持っている知識の分野は関係ありません。

物事をどこまで掘り下げて考えるかが基準です。

学校などで目にしたことのある人もいると思いますが、成績上位者は得意な教科が数学であろうと国語であろうと関係なく仲の良さがみられます。

それは、お互いの知識量や物事に対する掘り下げ方が似ているからであり、会話が刺激になるからです。

人間的魅力が増すから

何かを人から教えてもらうとき、説明の上手い人とそうでない人がいます。

その差は話の上手い下手ではなく、そのことを本当に理解しているかどうかが深く関係しています。

誰かに教えてもらいたい時は、その人が単に情報を持っている人なのか、知識として活用できている人なのかを見極めましょう。

本当に知識のある者は、自分が何を知っていて、何を知らないかを理解しています。

彼らは自分が知らない情報に出会ったときはわかったふりをせず、素直に「わからない」ということを認めます。

知らないということがわかっているからこそ知りたいと思えるのです。

この姿勢は他人に対しても誠実に見え、知識欲も感じられるので人間的な魅力が高いといえます。

その域まで行くには、まず様々なことを覚えていくことから始まります。

覚えた情報を他の情報と関連付けたり分析し直していく内に、それを判断するための材料としてもっと情報が必要なことが見えてくるのです。

それらを補完して初めて知識となるため、一朝一夕で人間的な魅力を手に入れることはできません。

日々あらゆることに興味をもって覚えていくことから始めましょう。

努力家だと慕われるから

仕事のマニュアルなどはわかりやすい例です。

新しいことを覚えるのはそれなりに大変だというのは誰でもわかっているからこそ、覚えが早ければそれだけ努力したと思ってもらえます。

実際にはそれほどの努力を必要とせずとも覚えられる人がいますが、それは日々脳を活性化させているからであり、付け焼刃の努力よりも大変なことをこなしているといえるでしょう。

また、努力家だと慕われるためには短期記憶だけでは足りません。

要領が良いと言われる人は短期記憶が優れていて、すぐに覚えて物事をこなせる分、期間が空くと忘れてしまったりします。

テスト勉強を一夜漬けでも乗り切れても、3年分の勉強の成果が試される受験になると急に結果が落ち込むといったタイプです。

それも個性ですし、なにも受験勉強ができることだけが素晴らしいことではありませんが、努力家と呼ばれたいなら、一度覚えたことを忘れないようにしましょう。

覚えるのが得意な人がやっている7個の方法


冒頭でも記載したように、覚えることについてIQの高低を理由にするのはナンセンスです。

極めて高次元の問題を取り扱うならIQの高低も影響があるかもしれませんが、日常生活において役立つ記憶を覚えるために重要なのは記憶の仕方です。

「認知特性」という言葉が注目されています。

物事を覚えるときにどの感覚が優位に働くかによってタイプを分ける考え方です。

視覚優位、言語優位、聴覚優位などがあります。

その中でも細かく分かれています。

このように、人によってどんな覚え方がより効果的であるかは異なりますが、代表的なものをいくつか記載します。

試してみて、自分に合っていれば続行し、合わなければ他の覚え方に取り組んでみましょう。

文字よりもイメージで覚える

視覚優位タイプの中には、教科書の各ページを写真を撮るように記憶してしまう人もいます。

それであれば、脳内の検索機能が発達していれば頭の中でページをめくるだけで文章を思い出すことができるでしょう。

しかし、多くの場合はそうはいきません。

単純に文字だけで記憶すると覚えづらくなります。

学校の勉強、とくに英語でつまづいた人は、この「イメージで覚える」というのができていなかった人が多いです。

たとえば、「book」という単語は見た瞬間に本の絵が思い浮かぶはずです。

しかし、前置詞になると途端にどの単語を使えば良いかがわからなくなってしまったことがあるのではないでしょうか。

それは「at」や「on」「in」などについて抽象的なイメージができず、そこだけ文字として覚えてしまったからです。

「at」は地図の上にピンを指したイメージ、「in」は箱の中、「on」は接地しているなどのイメージをすると覚えやすくなります。

「standby」は「stand」が「立つ」、「by」が「そばにいる」というイメージなので、「近くで立っている」となり、「待機する」「援助する」などの日本語に置き換えられます。

手紙などで使われる「by」だけの誤ったイメージ、曖昧なイメージだとなぜbyになるのか理解し難いです。

歴史なども同じで、教科書の穴埋め問題に取り組むよりもその歴史の登場人物や物の動き、全体的な背景をイメージして頭に入れると記憶に残りやすくなります。

形の感覚は記憶に残りやすい

人間は日常生活の情報の8割を視覚から得ていると言われています。

形を認識するときは、形状、色、質感などたくさんのことを記憶するので脳の広範囲を使って記憶できるため、ちょっとしたきっかけで思い出しやすくなります。

記憶というのは一度見たものは脳自体は覚えているものです。

自分では忘れたと思っていても、取り出せないだけなのです。

夢に出てくる人物が全く知らない人だったので驚いたということもありますが、実は街中ですれ違っただけの人物であるともいわれています。

要は、覚えてはいても的確にその情報を取り出せるかどうかがポイントなので、形やイメージによって脳内の複数の抽斗に入れておけば取り出しやすくなるということです。

目的地への行き方については男女で差があるといわれています。

それは大昔、狩猟をメインとしていた時代に遡ります。

動物を追いかける男性は、進んだ距離や方向を記憶しないと居住している場所に帰れなくなるので、大地を俯瞰するイメージで記憶していました。

そのため、今も地図を理解することに長けているとされます。

一方、女性は基本的には居住地で過ごし、木の実が成る木の形などを覚えて向かっていたため、今も地図より、どの看板を右に曲がるなど視覚情報で覚えやすいという特性があるそうです。

関連付けて覚える

脳の広範囲によって覚えるという意味では、別の情報と関連付けて覚えるのも効果的です。

世界史で出てくる「コロンブス」は大航海時代に出てきて、最初にアメリカ大陸に到達した人物です。

しかしこの時代は登場人物がたくさん出てくるので、誰が先に何をしたのか曖昧に覚えてしまう人も多いです。

そこでその一人一人の物語を関連づけてみます。

まず、商人をしていたマルコ・ポーロが記した『東方見聞録』には日本を「黄金の国」とした記述がありました。

それを読んだコロンブスは黄金に強い憧れを抱き、日本を目指すことを考え始めます。

しかし、船旅には莫大な資金が必要です。

そこでポルトガルの王に資金援助を求めるものの断られてしまい、そのライバルだったスペインに資金援助を求めて成功します。

コロンブスは大西洋から出発すれば日本に着けると思って出発しました。

しかし、別の大陸に到着。

当時はアメリカ大陸が知られていなかったからです。

その後にアメリゴがその大陸が新大陸だと判明させ、自分の名から「アメリカ」と名付けました。

このように、前後の歴史や、その人物が何に興味を持ったか、何故その国にいるのかなど関連させて覚えるとストーリーが出来上がるのでイメージしやすくなります。

人の好物などを覚えるときにも、何故それが好きなのか、いつ好きになったのかなどを合わせて覚えてみましょう。

自分の身近な物と関連させて覚える

さて、歴史の勉強については上記のようなストーリーでの記憶が役立ちます。

しかし、もっと活用する頻度の高い物事は身近な物と関連させて覚えると記憶を取り出しやすくなります。

直接関係のないものと結びつけても構いません。

関連させる物の選び方もいくつかあります。

初対面の人を覚える場合で考えてみます。

まずは会った時に身に着けているものと関連させる方法。

そうすることによって、カジュアルな場なのかフォーマルな場なのかもわかりますし、そのアイテムを選んでいるときの考えも思い出せるので具体的にどこで出会ったのかも引きだせます。

次に、自分が好きなものと合わせて覚える方法があります。

コーヒーが好きか、犬が好きかなど何でも構いません。

そのように、自分が興味のあるカテゴリに応じて該当する人物を仕分けていくと、興味を持っていることは思い出すことが多いのでそれとセットにした人物も記憶から遠ざかりにくくなるはずです。

このように、覚えたいことと、身近なものをセットにすれば脳内から取り出しやすいところに情報を留めておくことができます。