支えるという言葉自体は、自分や誰かを手助けしたり、介助したりして自分や相手のためのなることを意味します。
そのため、支えるという言葉に対しては、誰もが前向きで優しいといったイメージを抱くことが多いです。
少なくとも、よほどのことがない限りは誰かを支えるという考え方を良しとしない人はいないでしょう。
一方で、障害とはその支えを邪魔する存在のことです。
「障る害」と書くだけあり、悪意を持って相手の邪魔をしたり、例え悪意がなかったとしても誰かの行動や考えの妨げとなってしまいます。
そのため、「障害」に対して悪いイメージを持っている人は多いです。
とはいえ、その障害も時と場合によってはより高いモチベーションを保つために必要となるものでもあります。
例えば家族が大反対している状態での、大恋愛の末の結婚など、時には自分たちにとっての障害が大きな壁を乗り越えるための踏み台となることもあるのです。
このように、時に障害は良い結果を出すために必要なものにもなりますが、やはり基本的には悪い意味として用いられることが多いです。
「きたす」とは?
「きたす」という言葉だけについて考える機会はそれほどありませんので、「支障をきたす」のように、名詞とセットになっている状態でのみ、その意味を理解しているという人も少なくはないでしょう。
しかし、実は「きたす」という言葉だけでも、いくつかの意味や使い方があります。
言葉の意味としては、「結果として、ある事柄や状態を生じさせることやそれを招くこと」また「来るようにする」という意味もあります。
さらに、「きたす」は言いきりの言葉で用いられることもありますが、名詞などの後ろにつけることで、その言葉を肯定したり、否定したりする意味にも変化します。
「きたす」を用いた言葉では、「支障をきたす」の他にも、「きたすことがある」「きたすべきか」「きたすのではないか」といった使い方もあります。
また、似たような言葉に「もたらす」がありますが、「もたらす」の場合には外部による変化によってある結果が生じることを意味します。
例えば「被害をもたらす」や「」吉報をもたらす」といった言葉のように、外的な要因によって自身に起こる変化の場合には「もたらす」を用います。
一方の「きたす」は、内側から起こる事象の変化によってある結果になることを意味しています。
例えば「体調に支障をきたす」といった言葉のように、内的な要因から起こる変化の場合に「きたす」を用いるのです。
結果を招く
「きたす」には、結果を招くという意味があります。
それがどのような結果であれ、何らかの事柄や事象が起こり、それによって結果を招くという意味です。
結果を招くことから、普段使いとしても多く用いられそうな言葉ではありますが、「きたす」という言葉そのものをあまり使う機会がない上、他の言葉と組み合わせて使うことが多いため、言葉の使い方は限定されてしまうことが多いです。
事態を生じさせる
「きたす」には、「事態を生じさせる」という意味もあります。
そもそも物事には、それが起こる原因となるものが存在しています。
それがあるきっかけによって変化が生まれ、事態を生じさせることになるのです。
そしてあらゆる事態が生じた結果、一つの形に収まるのです。
これを人で例えると、最初に人間の体があるとします。
その体の内側に風邪のウイルスが入り込んだ場合に、それにより体内でさまざまな体調の変化が表れます。
喉の腫れや全身の寒気、倦怠感といったものが起こり、次第に熱が上がって咳も出始めるようになります。
そうして本格的な風邪になったところで薬を飲むと、次第にその症状は治まり、ついには元も健康的な状態へと戻るのです。
ある内的な要因によって事態を生じさせ、それが収まるまでの流れは、人が風邪をひいてから治るまでの一連の流れと同じようなものなのです。
ちなみに、この風邪で例えた場合に、「体調に支障をきたす」といった言葉の使い方をすることができます。
引き起こさせる
「きたす」には、「引き起こさせる」といった意味合いもあります。
「引き起こさせる」と聞くと、一見外的な要素によって半ば無理矢理に事象が起こされるといったように思えるかもしれません。
しかしこれも、あくまでも内的な要因によって事象が引き起こされ、結果を招くことになっているのです。
先に挙げた風邪の例でも、言い方を変えれば風邪のウイルスによって体調の変化が引き起こされた結果、風邪になっています。
内的な要素によって自分自身やその周囲で変化が引き起こさせられ、その結果が招かれることを意味しているのです。