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支障をきたすの使い方や意味は?類似...(続き3)

良くないことに使うことが多い

「きたす」という言葉は、本来は悪い意味だけではなく、良い意味としても用いられる言葉です。

しかし、「支障をきたす」を始めとして、結果として良くないことが起こった際に「きたす」という言葉を用いることが多くなり、現在では「良くないことに使う言葉だ」として認識されていることが多いです。

そのため、「きたす」の本来の意味や使い方を知らない人からすれば、悪いものを指す言葉であると勘違いしてしまっている人も決して少なくはないでしょう。

実際に、世間一般で用いられている「きたす」は、「体調に変化をきたす」や「仕事に支障をきたす」など、自分や周りの人たちにとって良くないことが起きた際にのみ使われていることがほとんどです。

「体調に変化をきたす」という言葉も、元々の意味を知っていればそれが良い意味としての体調の変化である可能性を考えられたのでしょうが、元々の意味を知らない人にとっては、体調が悪化するイメージしか思い浮かばないのでしょう。

漢字で書くと?

「きたす」という言葉は、漢字で書くと「来す」となります。

「来」という漢字には、「来る」「至る」「帰る」「来させる、招く」「これから先、将来、未来」「ねぎらう」などの意味があります。

「きたす」という言葉で見ると、「来る」「至る」「来させる、招く」辺りが意味としては適当でしょう。

誰かや何かが自分の元へと来ることを意味する漢字ですので、内的な要因が自分の元へときたために、事象が起こり結果を招いたとする流れが漢字の意味としても相応しいでしょう。

後ろに「恐れ」を伴って使うことが多い

「支障をきたす」という言葉は、後ろに「恐れ」という言葉を伴って使うことが多いです。

つまりは、「支障をきたす恐れがある」という文章になります。

「支障をきたす」という言葉の意味が「差し障りがある」「物事の妨げになる」ならば、「支障をきたす恐れ」とは、「差し障りがある恐れがあること」や「物事の妨げになる恐れがあること」という意味になります。

「恐れ」は良くない未来の可能性を暗示させる言葉ですので、「〇〇に差し障りがあるかもしれない」「〇〇の妨げになるかもしれない」といった自分にとって都合の悪い、嫌な可能性を示唆する言葉なのです。

例えば自分にとっての恋のライバルが出現しそうな場合には、「あの人は自分の恋路の支障となる恐れがある」となりますし、また病気の治療中にも関わらず、薬を飲まないことが「体調の改善に支障をきたす恐れがある」となります。

「支障をきたす」の例文を見てみよう

「支障をきたす」という言葉は、一見小難しい表現に思えて、それなりに普段使いがよくされている言葉です。

あなた自身も、自分にとって不都合が生じそうな状況になった時に、言葉をとくに意識して選んでいるわけではないのに、自然と「〇〇は支障をきたすかもしれない」などと口にしてしまうことはありませんか?

「支障をきたす」という言い方をすることによって、「邪魔になるかもしれない」「障害になるかもしれない」といったより直接的な悪い意味での言い回しを避けることができます。

意味は同じでも、もう少しその意味を包んだ物言いになっているため、直接的な表現や誤解を避けたい場合によく用いられています。

だからこそ、ビジネスの場のみでなく、日常生活の中でもそれなりに多用されているのです。

では、「支障をきたす」を使った例文をいくつかご紹介していきます。

まだどのように言葉を使えば良いのか分からないという人は参考にしてみて下さい。

今回の不祥事は売り上げダウンに支障をきたした

例えばある会社(A社)があるとします。

A社は訪問販売を基本とした事業を展開しており、毎年それなりの収益を得ています。

しかしある時、A社の社員の一人が、自分の売り上げを伸ばすために、会社のやり方とは違った独自の勧誘方法で売り上げを伸ばそうとしました。

その方法とは訪問先の家で実際にはない嘘を多用したり、強引に客に商品を買わせようとしたりするものでした。

その社員の悪評が各家庭に広まりA社に対する信用がガタ落ちし、さらにはその社員が不当に顧客から収益を得ていたために、会社を巻き込んだ不祥事となり、その結果会社の売り上げが大幅にダウンしてしまいました。

このような不祥事が起きた場合に、それが原因となって売上げがダウンしてしまうことを、「今回の不祥事が売上げダウンに支障をきたした」と表現することがあります。

脳の病気が会話に支障をきたすことにつながった

例えばある人が脳の病気になったとします。

脳にはたくさんの神経があり、また全身を機能させるための働きをしています。

この脳の一部が病気になってしまい、その影響で会話を司る脳の働きが衰えて、日常会話が上手く出来なくなってしまいました。

この、脳の病気が原因となって会話が不自由になってしまうことを、「脳の病気が会話に支障をきたすことにつながった」と表現することがあります。

「支障をきたす」とは、あることが原因となって本来の出来事や働きなどに妨げが生じることを意味しますので、この場合には、脳に病気ができたことが原因で、会話の機能に妨げが生じた結果、会話が不自由になったとする意味になります。

また、この例えにおける「支障」とは、邪魔になること」という意味よりも、「妨げになること」という意味で使われます。

彼の不倫疑惑は今後の芸能活動に支障をきたす恐れがある

「支障」とはその人にとって妨げとなる何事かを意味しています。