五十代以上となると今度は逆に嘱託職員の退職に伴い採用を行うケースも増えてきます。
その年齢での転職は人間的に何か問題があるのでは?と思われる
転職する場合、なぜ今の会社から移ろうと思ったのか、または前の会社を何故やめたのかというところは、必ず面接官に聞かれるところかと思います。
なぜ転職したいと思ったのか、という理由は、自分の中できちんと整理して面接でもよどみ無く話せるようにしておく必要があります。
四十代での転職は、もう最後のチャンスになるということも十分考えられます。
それでも転職活動に踏み切るだけの大きな理由や情熱が必要でしょう。
「今の会社をやめてうちの会社に転職が決まっても、どうせすぐやめてしまうのではないだろうか」と面接官に思われるような理由ではいけません。
我慢強さが足りず、真剣に勤務できないような問題のある人だから、この年齢で転職を考えているのではないだろうか、と疑われてしまいます。
よっぽど即戦力とならない限り魅力がない
やはり中途採用で求めるのは即戦力になりがちです。
大手企業もベンチャー企業もグローバル化や変化を求めていることが多いです。
たとえば海外に向けての新規事業やプロジェクトを立ち上げるので、その内容に詳しい社員を補充したいといったような、明確な意図があって求人募集を行っている場合は、その内容に沿った自分の市場価値をアピールする必要があります。
社員全員が英語が話せる今の会社では珍しくもない自分の英語力が、転職先では貴重な英語話者であり即戦力となれるということも考えられるでしょう。
反対に、これといった実績や経験がない場合には、四十代である利点をアピールするのが難しく、あなたという人材に魅力を感じてもらうことができないかもしれません。
管理職を求めている企業なら、管理職経験があるということは十分なアピールになります。
マネジメント能力のある四十代を求めている企業はなかなか多いのです。
反面、即戦力を求めて中途採用ばかりしている企業というのは慢性的な人材不足に悩んでおり、人を育てている暇も、教育係になれるような人もいないというケースもありえます。
四十代でも可能な求人に飛びついて即採用となり喜んでいたら、実はブラック企業だった、なんてことになったらシャレになりません。
転職活動は仕事の合間の次の会社を探す、辞めてしまってから探すのは極力避けるというのはよく言われることですが、四十代ともなればなおさらです。
決意して辞めてしまってから入社した会社がブラック企業で、もう一度転職活動をしようにもとてもそんな時間がとれない……! なんてことになっては大変です。
冷静に見極めてよく確認するようにしましょうね。
仕事を覚えるのに時間がかかる
年齢にかかわらず、仕事覚えの良い人と悪い人がいます。
メモをとってきちんと覚える人、メモもとらない仕事のできない人。
メモをとらないけれど、かわりに言っていることは全部覚えているほど記憶力が良い人。
様々でしょう。
新しい仕事を覚えるにあたって、先輩の話を理解し、自分の頭の中で即座にイメージをする。
率先して実践し、体感で覚えていく。
始めたばかりなのである程度の失敗は仕方ないと割り切って、失敗を恐れずにチャレンジしていく。
そんな人は、仕事ができる人と周りからも認識されるでしょう。
若い頃はそういうタイプだったのに、今では物覚えが悪くなってしまった。
思うように体が動かなくなってきた。
そんな四十代の人もいますし、若い人から見て年配の人は、物覚えが悪くて新しいことをなかなか覚えられないというイメージもあるでしょう。
ただ、昔に比べると40代以上は新しく覚えることが苦手という認識は薄れてきているようです。
年齢とともに脳は衰えて、記憶力も悪くなってしあうというのは、二十世紀の神経解剖学者が提唱した説です。
二十歳を過ぎると脳細胞がどんどん死んでいき、脳細胞は再生しないので減っていく一方なので、脳は次第に衰えていくというのが定説になっていました。
しかしながら、二十世紀末には大人になってからでも新しい脳細胞は増えるということが発見され、記憶力は落ちないというのが今では一般的になっています。
代わりに、記憶はしているけれど、それを思い出す速度が衰えるのではないかという説が広まっていますね。
脳の引き出しに記憶をしまっておく能力は衰えなくても、必要なものが入っている引き出しを探して取り出すという「思い出す」という行為が衰えて、なかなか思い出せないという状況を引き起こすわけです。
若い頃は記憶力に自信があって、些細な会話でもなんでも覚えていられたのに、今では自分の興味のあることしか覚えていられない、というケースもあります。