その価値観を知ることは、歴史を理解する上ではとても大切なこととなります。
現代では絶対に流行するはずのない文化などもたくさんありますが、これらが流行していたという拝見を理解することで、その時代の人間の考え方を学ぶこともできますし、何かの大きなイベントが起こったその背景の遠因を探ることができるかもしれません。
果ては、現代の文化に繋がる何かや、現代の文化の中では廃れてしまっているはずの考え方がどこかに残っていた。
というようなこともあるかもしれません。
歴史を知るということは、その時代に合った大事件を知るということで、細かな一人一人の生きざまを知る必要のないことです。
ですが、一方で、そういった注意を向けられることのない一人一人の生き方が大きくまとまって文化ができてきます。
私たちが歴史を学ぶときには、事件以外に文化に目を向けることで、今の私たちのような名もない市民の生き方を学ぶことができるのではないでしょうか。
お歯黒って知ってますか?
お歯黒という文化を耳にしたことがある人は多いでしょう。
実際に教科書の中で呼んだことがあったとしても、そもそもどういう文化なのか微妙に分からないという人も多いかもしれません。
実際に、その時代を背景にしている漫画や映画などでもお歯黒がそのままべったりと塗られているところはみられませんから、実際にどのような光景であったのかなどは正直言って、あまりイメージできないという人も多いのではないでしょうか。
大河ドラマの中でも女性の口元が黒いというのはあまり見たことがありませんよね。
そんななぞに包まれたお歯黒ですが、これはそもそもどういったものなのでしょうか。
このお歯黒をすることに何らかの意味があったのでしょうか。
現代の人にはとても理解できない背景があるようにも思えますよね。
今でいうメイクやお化粧のひとつ
お歯黒という文化自体は全く理解することができなかったとしても、その背景は女性なら理解することができるでしょう。
お歯黒は今でいうメイクやお化粧の一つです。
今のお化粧でも、年十年か後の人には理解できないものがあるかもしれません。
当たり前のようにつけているアイシャドウやつけまつげなどは「どうしてこんなものが流行ったのか」というように言われてしまうものになるかもしれないのです。
一昔前には「ガングロ」という化粧も流行りましたが、要するにお歯黒はそれの歯のバージョンであると考えても良いですね。
歴史の教科書に書いてあると、ひどく大きな意味を持っているようなことのように思えますが、簡単に説明するとお歯黒はメイクの一つです。
ただ、このメイクはかなり長いこと流行していましたから、そこの背景に色々な意味がつけられていた時代もありますし、それを行っていた人間の年齢層もかなり変化があります。
メイクの一つと思えば何となく軽く思えてきますので、今度はそのメイクが流行っていた背景や、そのメイクのメリット、そして、時代によって込められていた想いの違いについて見てみることにしましょう。
お歯黒の解説
まずは、ここで、お歯黒の解説をしたいと思います。
お歯黒とはそもそもどういったメイクであり、どのような時代に流行っていたのかということを分かっていない人は多くいるでしょう。
昔流行していたということくらいしか知らないという人も珍しくありません。
また、完全に古代のイメージであって、近代には全く残らなかったと思っている人もいるかもしれませんね。
お歯黒について詳しい理解をするために、少し歴史を紐解いてみることにしましょう。
お歯黒とは
お歯黒というのは、読んで字のごとく歯を黒くする文化のことです。
一部の歯を染めるということではなく、全体的に真っ黒にしてしまうのです。
全体的に真っ黒にするということなので、その時代の女性の口元は何となく暗くなっていました。
今でも浮世絵などを見ると歯が真っ黒な女性が描かれていることが多いでしょう。
もちろん顔立ちなども現代とは少し異なりますが、やはり歯の部分が今とは全然異なっているので、絵から受ける女性の印象もかなり現代とは違うように思えるはずです。
いくつか資料を見てみるとその時代の女性の歯を見ることもできますが、本当に真っ黒であって、中途半端な灰色などではありません。
お歯黒と言う言葉通りにべたりと黒く染められている歯がお歯黒と言われていたのです。
このお歯黒の起源に関しては色々と言われていますが、古来からあったと言われています。
何となく平安時代のようなイメージを持っている人もいるかもしれませんが、それよりも前の時代からお歯黒は流行しており、そして、それより後の時代でもお歯黒という文化はありました。