しかし、会社で社長が出席する会議の時間を間違えたり、肝心の資料ができていなかったりするような失敗であれば、「今度から注意します」などの軽い返事では上司も納得できません。
重要な会議のメンバーから外されたり、上司からも信頼が無くなります。
本人にとっては重大な出来事なのです。
こんな失敗を繰り返さないように、そして繰り返すようであれば会社での出世を諦めるレベルなのです。
こんな状況では、注意や説教を受けた時に上司には「真摯に受け止めます」と返事するのです。
このように、どんな場面でどんな状況かによって変わりますが、少なくとも自分の進退や存続に関するような状況では、この言葉を誠実に使うことが必要です。
真面目で誠実な印象を残したいとき
普段はチャラけていても、いざという時に自分の真面目な一面を知ってもらう時にも有効です。
多くのバイトが登録している飲食店では、勤務体制はシフト制が多いようです。
自分の勤務時間帯を自分の生活リズムの合わせてあらかじめ設定しておくことができるからです。
学生やパートさんなど、いろんな人が働いているのです。
そんなお店で、忙しくてバイトの人数も少ない時には、仕事の引継ぎが不十分だったり、難しいお客さんが来てしまったりと面倒なことが重なることも多いのです。
それによって、お客様からのクレームも多発して、それが店長の耳にも届きます。
さらにはこの悪い噂が社長にまで届くと、店長は社長に呼び出されて説教を受けるのです。
こんな状況で、店長がバイトたちを集めて、この状況を改善することを指示します。
そしてみんなの気持ちを確認するために、朝礼に参加した者に向かって、お客さまからのクレームが多いことを自覚しているかどうかを尋ねます。
そんな時に代表して「店長の言葉を真摯に受け止めたいと思います」と答えます。
こんな言葉を使えるなんて、真面目で誠実な奴だと再認識されることになります。
普段のチャラさとは別人のように、真面目で誠実な印象を与えるのです。
謝罪の言葉としても使われる
「真摯」という言葉は、特別な雰囲気を持っています。
誠実な気持ちを代弁しているのです。
クドクドと言葉を並べなくても済むのです。
例えば、少年サッカーチームを指導していた時に、隣町のチームと練習試合をすることになったのです。
公営のサッカー場を先方に予約してもらい、みんなで揃って食べる弁当もみんな手配してもらったのです。
ところが当日に内のチームで予約していたマイクロバスが途中でエンストしてしまい、次の車の手配やら何やらで大幅に遅刻してしまいました。
先方のチームのご父兄の方たちも待たせてしまい、サッカー場の利用時間の延長も掛け合ってもらったりとかなりの迷惑をかけてしまうことになりました。
車のトラブルが原因であるのですが、先方の父兄からは批判が殺到しました。
そこで、みんなの前でひとこと「みなさんの批判は真摯に受け止めます」と謝ったのです。
この時の「真摯に受け止める」という言葉の中には、大変申し訳ないという謝罪の気持ちも含まれているのです。
まあ、最後は双方とも仲良くお弁当を食べて楽しんだそうです。
必ずしもネガティブな使い方ではない
先ほどから、失敗をしたり問題を起こした時に、これまでいい加減なことをしてきたと反省しながら「この現実を真摯に受け止める」と宣言したのです。
これは過去の現実を知ってから反省するというネガティブな使い方ばかりでした。
しかし、必ずしもネガティブばかりではありません。
将来を目指した期待を込めた宣言の時もあります。
例えば、ある会社の新規商品開発の部署では、思うようなヒット商品が生み出せません。
ここ何年間も低迷しているのです。
こんな時に、商品開発が得意で数々のヒット商品を手掛けてきた実績のある人材をヘッドハンティングで採用したのです。
みんなの期待は高まるばかりです。