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存じますとはどういう意味?正しい用...(続き3)

例えば「この度はご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございませんでした。○○様の御叱りはごもっともだと存じます。いただいたご意見をしっかりと参考にさせていただき、今後はこのようなことがないように精進致します。」という謝罪をしたとします。

この場合の「ごもっともだと存じます」という言葉には、「その通りだと思います」という意味があります。

クレームを出してしまったり、失礼な態度を取ってしまったりして相手が怒っている時には、とにかく相手の気持ちを落ち着かせるために、相手の言葉をすべて「その通りです」と受け止める必要があります。

その際に、「その通りです」という言葉を用いる代わりに、「ごもっともだと存じます」という敬語を使うことがあります。

また、「この度は○○さんの事情を存じ上げずに失礼なことをしてしまい、申し訳ありませんでした。」という謝罪の場合には、「相手の事情を知らずに」という意味合いで「存じ上げずに」と言葉を使っています。

謝罪をする場合、「知らない」という意味で使う場合には文の最初辺りで使い、また「思う」という意味で使う場合には、文の最後で使うことが多いです。

イベントの告知をする場合

イベントの告知をする場合、大抵は大人数を前にして告知を行うことが多いでしょう。

不特定多数を前にして告知を行う場合にも、「存じます」と敬語を使うのが一般的です。

例えば、告知を終えた後で、次のように言葉を付け加えることがあります。「以上がイベントのお知らせとなります。皆様におかれましては、お忙しいことと存じますが何卒ご協力をよろしくお願い致します。」この場合の「お忙しいことと存じますが」という言葉には、「お忙しいとは思いますが」という意味があります。

それぞれに仕事やさまざまな事情から忙しいとは思うけれども、どうか協力をお願いしたいという気持ちからこのように告知で使うことがあります。

相手に尋ねる場合や答える場合

「存じます」という敬語を、質問の受け答えで使うことも少なくありません。

例えば「○○について知っていますか?」という言い方を、「○○についてご存知ですか?」と言い換えることがあります。

また、自分が「知っています」と答える場合には、「存じております」と言い換えることもあります。

この「存じている」「存じ上げない」「ご存知ですか?」といった言い回しは、とくにビジネスの場面ではよく使われています。

「存じます」を使う上で気をつけたいこと

「存じます」は、あくまでも自分の意見や気持ちを相手に伝える際に使う敬語です。

「私は~だと思います」「私は~だと知っています」という言い方を、「存じます」という謙譲語にそのまま入れ替えて使うのが基本です。

そのため、相手の意見や気持ちに対して「存じます」という言葉を使ってはいけません。

例えば会社の取引相手が、「私は○○だと思います」と発言したことに対して、「○○さんは○○だと存じています」と返す人はいませんよね?

相手から聞いた意見を別の人に伝える際にも、「○○だと存じているそうです」という人はいないでしょう。

もしそんな使い方をしている人がいたら、正しく敬語が使えていない証拠ですので、指摘できる相手であれば敬語の間違いをこっそりと指摘してあげると良いでしょう。

大勢の前で指摘するのは恥をかかせることになりますので、二人だけの時に指摘するようにしましょう。

もし相手の意見や気持ちをこちらが代弁する際には、「〇〇さんは○○だと思われるそうです」や「○○だとお思いになられています」などの尊敬語として使いましょう。

あまり使い過ぎてもくどい印象に

「存じます」という敬語は、一言で2つの意味があります。

そのため、「思います」「知っています」と違う意味として用いる場合には、一つの文章の中に2回「存じます」と使うことが出来ます。

しかし、敬語に使い慣れていない人では、やたらと長ったらしい敬語を使うことがあり、その時に必要以上に「存じます」と使ってしまうことがあります。

敬語を使い慣れていない人ほど、「存じます」と使っておけば丁寧な印象になると思ってやたらと使おうとする人がいますが、必要以上に重ね使いをするとくどい印象になってしまいます。

また、間違った敬語になることもありますので、あまり何度も使い過ぎないようにしましょう。

「存じます」「思います」どう使い分ける?

ビジネスの場において、必ず「存じます」と謙譲語で言わなければならないというわけではありません。

場合によっては、「思います」という言い方をすることもあります。

例えば大人数の前で何かを発表する時や、相手が明らかに目上の立場の人である場合には、「存じます」という使い方をすることが多いでしょう。

しかし職場全体がフランクな雰囲気で、上司を含めた社員全員が気さくにコミュニケーションを取り合う関係の場合には、「存じます」よりも「思います」という丁寧語で対応することの方が多いです。

職場の雰囲気が気さくなのに、一人だけ「存じます」などと堅苦しい言い方をしていると、「ちょっと堅すぎるぞ」と反対に指摘されてしまうこともあるかもしれません。

そのため、あくまでもその場の雰囲気に合わせて、相応しい言葉使いを選択するようにしましょう。

また、目上の立場や敬意を払うべき相手だと自分が思っていても、恩師や親族などのように親しい間柄の相手の場合にも、「存じます」では表現が堅すぎることがありますので、その場合にも「存じます」ではなく「思います」という言い方をした方が良いでしょう。

知って絶対損はない!「存じます」の類語

「存じます」という言葉には、他の多くの言葉のように類語があります。