社会人になると、よく「存じます」という言葉を使うことがあります。
目上の人や上司、年配者に対して使うことの多い敬語ですが、この「存じます」の正しい意味や使い方を、きちんと理解していないという人は意外と少なくはありません。
うっかり間違った使い方をして恥をかいてしまわないように、この機会に「存じます」の正しい意味や使い方をマスターしておきましょう!
「存じます」、正しく使えてる?
社会人になれば、誰でも仕事で敬語や謙譲語を使うようになります。
学生の頃からそうした言葉使いが得意だった人は、社会人になってからもたいして苦に感じることもなく、敬語や謙譲語、丁寧語を使いこなしているでしょう。
一方で、学生時代からそうした文法や言葉使いが苦手だった人は、社会に出てから大いに苦戦することになります。
特に勉強が嫌いな人や、まともに学んでこなかった人は、社会に出てから上手く敬語や謙譲語を使いこなすことが出来ずに、上司に散々怒られたり、一から教育をし直されたりすることもあるでしょう。
敬語が苦手な人が、新社会人になってから最初に直面する壁が「正しい言葉使い」と言っても良いでしょう。
「存じます」も、そうした敬語の一種です。
自分の気持ちや考えを述べる際によく用いる言葉ですが、他の敬語の中でも使う頻度は多いです。
上司や目上の人と直接話をする時も、電話やメールで連絡する時も、また大勢の前で発表する時などにも用います。
ビジネスの場で最も使うことの多い敬語ですが、場合によってはプライベートでも使う機会があります。
また、仕事に関係なくとも、フォーマルな場面でもよく使います。
とにかく使う機会が多いため、意味や正しい使い方を理解していなければ、あちこちで恥をかいてしまうことになるでしょう。
そんな「存じます」という敬語を、あなたは自信を持って正しく使えていると言えますか?
自信がない人は改めて勉強するために、また自信がある人も再確認のために正しい意味や使い方を見ていきましょう。
正しく敬語を使う必要がある理由
「存じます」の正しい意味や使い方をきちんと勉強せずに社会人になった人では、他の人が使っているのを聞いて、「あんな感じで使えばいいのかな?」と曖昧な判断で自分でも使うようになった人が多いです。
そのため、何となくのニュアンスで「存じます」を使っていることが多いため、中には間違った使い方をしている人もいるでしょう。
しかし正しい意味や使い方を知らなければ、間違ったままで使い続けてしまい、どこかで大恥をかいてしまうことになるかもしれません。
どんな人であっても、社会人になれば正しい敬語は使えて当然と思われます。
その当然のことが出来ていないと、教養がないと思われたり、みっともないと嘲笑されたりするでしょう。
「敬語なんて使う機会の少ない職場で働けばいいだけだ。使えなくても人生で困りはしない。」と思う人もいるかもしれません。
しかしもし、将来一緒になりたいパートナーが現れた時に、相手の両親と話をしてまともな敬語が話せなければ、相手の両親から「あんな教養のないやつはダメだ」と反対されてしまうかもしれません。
また、自分が上手く敬語を話せないからと、誰かにそれを家庭環境や親のせいにされるようなことがあれば、誰しも不快に感じるでしょう。
正しい敬語や言葉使いが使えないと、それが原因で自分が嫌な思いをしたり、恥ずかしい思いをしたりすることがあるかもしれません。
また、自分だけが嫌な思いをするのならともかく、自分と親しい人や身内に対する評価にまで繋がっては、理不尽に思えることもあるでしょう。
しかし、人が人を評価する時には、その人自身だけでなく、その人を取り巻く環境や周りの人々もすべて含めて判断します。
そのため、自分できちんと正しい言葉使いや敬語を身に付けておくことで、それが自分の評価や、周りの人たちの評価にも繋がりますので、社会人になったら当たり前に正しく敬語を使えておいた方が良いのです。
「存じます」の正しい意味と使い方
「存じます」とは、謙譲語「存じる」の連用形に、丁寧語の助動詞である「ます」をつけた謙譲表現の敬語です。
「存じる」が元々「思う」もしくは「知っている」の謙譲語ですので、「存じます」という敬語は「思います」もしくは「知っています」という意味を表わします。
そのためこの敬語を使う時には、「~だと存じます」という言い方をすることが多いです。
「~だと存じます」は、「~だと思います」「~だと知っています」という意味になります。
謙譲語は自分が敬うべき人に対して使います。
そのため、自分よりも目上の立場の人や会社の上司、自分が敬意を払うべきだと感じている人に対して使うことが多いです。
一方で、会社の同僚や部下に対して使うことはありません。
また、友人や家族、目下の人間にも使う言葉ではありませんので、もし部下に対して「存じます」と言っている上司がいれば、それは大きな間違いです。