そもそも「存じる」が「思う」または「知る」の謙譲語ですので、そこからも類語があることが理解出来るでしょう。
「存じます」では丁寧な敬語になりますので、その類語も以下のような丁寧な言い方になります。
~と思います
すでにご紹介したように、「存じる」は「思う」の謙譲語です。
これに丁寧語を付け足して「存じます」となるので、「思います」という意味になります。
そのため、「存じます」の類語は「~と思います」「~だと思います」「~だと思っています」です。
プライベートや日常会話では、「存じます」という言い方では少々堅苦しいため、類語の「思います」を使うことの方が多いです。
「思います」という言葉も丁寧語ですので、敬語の中でも柔らかい言い方で、親しみや穏やかな印象を相手に与えます。
相手が目上の人であっても、柔らかい印象で言葉を伝えたい時には、「存じます」ではなくあえて「思います」という言い方をすることもあります。
知っています
「存じる」には、「知っている」という意味もあります。
そのため「存じます」も、「知っています」という意味になります。
また、「存じない」であれば「知らない」ですし、「存じません」であれば、「知りません」という使い方になります。
これをベースとして、相手に質問をする際には「ご存知ですか?」と尋ねる場合がありますが、これも「知っていますか?」という意味になります。
「知っています」という言葉も、ビジネスではあまり用いられることはなく、プライベートや日常会話の方で頻繁に用いられています。
ただし、「知っています」という言葉は、言い方によっては印象がきつくなってしまうことがあります。
もしイライラしている状態で「知っています」と言えば、きっと相手には不愛想で突き放したように聞こえてしまうでしょう。
そうなると相手に誤解を与えたり、人間関係に支障が出てしまったりしますので、出来るだけ柔らかい物言いをする必要があるでしょう。
「存じます」を英語で表現したい時
「存じます」は、日本語特有の敬語です。
そのため、日本語以外では表現することが出来ないと思う人も多いでしょう。
しかし、元は「~と思います」という意味の言葉ですので、例えば英語で「存じます」を表現したいと思った時には、類語である「~と思います」を英語表記に変えることで表現することが出来ます。
「存じます」を表現する英語はいくつかあります。
例えば「Ithinkso.(そうと存じます)」や「Iappreciatedthehonor.(身の光栄と存じます)」「Iamafraidhewillfall.(失敗だろうと存じます)」などです。
日本語は英語よりもさまざまな言葉や複雑な表現方法がたくさんあります。
英語では「Hi.」の一言で済む言葉も、日本語では「やあ」「どうも」「うぃっす」など、いくつも言い回しがありますので、その分日本語を全て細かく英語で表現しようと思うと無理があるでしょう。
そのため、英語で表現する場合には、日本語の意味に近い言い回しを選ぶ必要があります。
「存じます」をより丁寧に使うには?
「存じます」は、その時点ですでに丁寧な言い方になっています。
謙譲語の「存じる」に丁寧語の「ます」を足していますので、それだけでも十分に丁寧な言い方ではありますが、それ以上に丁寧な表現方法もあります。
どのような言い方が、より丁寧な表現方法なのでしょうか?
以下にご紹介していきます。
「幸甚に存じます」
「幸甚(こうじん)」とは、「とても幸せであること」という意味を持つ言葉です。
これに「思います」という意味の「存じます」を付け足すことで、「程度が甚だしく、とても有難いと思う」という意味の表現になります。
通常「存じます」を使う時と同じように、主に目上の人や、敬意を払う相手に対して用いることが多いです。
「幸甚に存じます」という言い方は、直接相手に口にして伝えるよりも、手紙やメールで伝えることの方が多いです。
また、一般的には目上の人に対して何かお願い事をするのは難しく、失礼になってしまうこともありますが、「幸い」という意味を持つ「幸甚に存じます」という言葉を使うことによって、目上の相手にも依頼をすることが可能になります。
「~したく存じます」
「○○したく存じます」という言い方がありますが、この「したく」とは、本来「支度・仕度」の字で表します。