「すべからく」は「子どもはすべからく勉強するものである」や「大人はすべからく社会の常識を知っているものだ」などと使われることが多いです。
しかし、このような使い方は本来のすべからくの意味とは間違った使い方をしています。
では本来の意味とはどのようなものなのか、あなたは知っていますか?
「すべからく」の正しい意味や使い方、その使いどころなどについてご紹介していきます。
すべからくって何?正しい使い方を学ぼう!
「すべからく」という言葉を使った文章を見聞きしたことはありますか?
新聞や雑誌、小説などを読んでいると、時々その言葉を使った文章を目にすることがあると思います。
例えば「それはすべからくすべての人に訪れるべきチャンスである」や「すべからく勉学を身に付けるべきである」など、ややかしこまった文体で書かれているのを目にしたことがあるという人もいるでしょう。
「すべからく」という言葉の響きからも、堅苦しい印象に思えるかもしれませんが、実際にはそこまでかしこまった言葉ではありません。
そのため、人によっては普段使いとして「すべからく」という言葉を使っている人もいます。
しかし、普段使いをしているのに実際の意味とは異なる使い方をしてしまっている人も少なくはありません。
本来とは誤った使い方をしていると、それを誰かに指摘された時には恥を掻いてしまうかもしれませんし、誤った意味として誰かに伝えてしまうと、そこからさらに間違った認識や使われ方が広がってしまうかもしれません。
また、「すべからく」の意味や使い方自体を知らないと、誰かがその言葉を使った時に意図することを理解出来ずに、誤解が生じてしまうかもしれません。
そのため、本来の意味や正しい使い方について知っておくことは大切なのです。
「すべからく」とは?
「すべからく」とはどのような場面で使われることがあるのでしょうか?
プライベートで世間話のように軽い話題の時には、あまり使うことはないでしょう。
プライベートでも小難しい話をしていたり、真剣にお互いの価値観をぶつけ合って話をしたりする時には、時々使われることはあります。
また、ビジネスシーンではそれなりに使われる頻度が多いですが、シチュエーションによってはビジネスシーンでもまったく使われないこともあります。
要するに、「すべからく」という言葉は幅広い場面で使われています。
何か主義や主張がある時に使うことも少なくはありません。
また、正しい使い方と誤った使い方とで、その言葉が用いられるシチュエーションも変わってきます。
そのため、「すべからく」の本来の意味についてまずは理解しておかなければ、正しい使い方をすることも出来ません。
本来の意味はどのようなものなのか、次にご紹介していきます。
辞書的な意味
「すべからく」は漢字で書くと「須く」となります。
意味は「当然」や「ぜひとも」ですので、当然ある物事についてやるべきだと主張する際や、ぜひともやるべきだと主張する際には用いられることが多いです。
また、「すべからく」を使う時にはその後に「~すべし」という言葉を付けるのが一般的です。
「当然~すべし」「ぜひとも~すべし」といった使い方になりますので、自分が思う意見や主張を堂々と他者に対して告げる際に使われることが多いです。
かなり強気な表現ですので、自分の意見に自信がない人はまず使うことはないでしょう。
また、目下の人から目上の人に向けて使われることもあまりないでしょう。
自分が「絶対にこうだ」「こうであるべきだ」と思うことがある時には、好んで「すべからく」の言い方を使う人も多いです。
同義語
「すべからく」には「当然」や「ぜひとも」などの意味がありますので、同義語もそれに近い言葉が当てはまります。
例えば「必ず」や「為すべき」「当為」などが同義語として挙げられます。
「必ず」には「一つの例外もなく、ある物事が起こるさま」や「常に」「間違いなく、きっと」などの意味があり、ある物事が起こるべくして起こるということの表現でもあります。
そのため「当然」と近い意味があると言えるでしょう。
また、「為すべき」は「あるまとまったものを作り上げること」や「ある行為をすること」といった意味がありますので、やはり似た意味を持っています。
「当為」とは「(存在が)現にあること」や「(自然的必然に対して)まさにあるべきこと」「まさになすべきこと」などの意味がありますので、「当然」と近い意味を持っています。