柔和な人には、自分の居場所が見つからない、ということは、まずあり得ないのではないか、と思います。
柔和な人ばかり集まっている組織や集団というのは、まず見たことがありません。
ちょっとしたきっかけで、すぐに感情的になり、ギスギスしてしまう集団の方が普通でしょう。
そうした中においては、柔和な人の存在は重みを増します。
成員同士の接着剤、集団の精神安定剤となり得るからです。
筆者がこういうケースの典型として頭に浮かぶのは、ビートルズのドラマー、リンゴ・スターです。
ジョン・レノンとポールマッカートニーは、最強のコンポーザーコンビでした。
第三の男ジョージ・ハリスンも2人に触発され、努力を重ね、名曲を発表するようになります。
この3人は曲作りのライバルでした。
また3人とも身長180cm以上、堂々とした押し出しです。
これに対し、リンゴ・スターは第4の男ではありませんでした。
別の位相空間にいたからです。
3人より10cm低い伸長と大きな鼻、味のある言語センスによって、柔和な癒し系として独自の存在となっていました。
見てくれでも作曲でも、他のメンバーにとってライバルではなく、メンバー間の対立を解消へ向かわせる緩衝材の役割を果たしていたのです。
柔和な人の象徴のような存在ではないでしょうか。
柔和な人の16個の特徴
柔和な人は、一定の人数をかかえる人間集団にとって、欠かせない人材ともいってよいでしょう。
その存在によって、集団をまとめるばかりか、集団の在り方さえ変えていくことができます。
それではこうした重要な役割を担う、柔和な人たちには、どのような特徴が見られるのでしょうか。
共通項といってもよい点は、果たしてどれくらいあるのでしょうか。
以下探っていきましょう。
親も柔和であることが多い
柔和な人は、どのような共通の背景を持っているのでしょうか。
何よりもまず、家庭環境の影響が考えたいところです。
誰もが育ちの良さを想像することでしょう。
これは極めて重要な要素に違いありません。
両親の夫婦仲がよく、怒りやうらみつらみなど負の感情に覆われたことが、ほとんどない家庭で育っていると考えられます。
とくに父親の出来の良さはカギになります。
それは、よくも悪くも存在感を放っているかどうかにかかっています。
父親の腰が据わっていない、やたら細かい、疑り深いなどの傾向は、家庭全体の落ち着きを、なくしてしまいます。
これは子どもの精神に、大きく影響を与えていきます。
引きこもりなど問題も出やすくなります。
柔和な性格の人は、こういうことには無縁の、柔和な家庭に育った人が多いのは、間違いなさそうです。
性格は遺伝する
男の子は母親に似る、女の子は父親に似る、などと言われますが、それはおそらくそうあって欲しい、と考えている両親が多いために、世間に流布されるようになったのでしょう。
実際はどちらに似るかはわかりませんし、どちらかの祖父母に似るという、隔世遺伝もあります。
筆者には男の子は、声が父親に似るという印象を強く持っています。
風貌は似ていなくても声だけ似ているのです。
電話の声がどちらの発したものかわからず、何回も友人とその父親を間違える失敗したことがあります。